福島みずほの発言 (憲法審査会)

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○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。社民党を代表して、社民党の考え方を申し上げます。
 まず第一に、憲法とは何か。憲法は、国を縛るもの、国を縛る鎖です。基本的人権を保障するために国家権力を縛るものが憲法です。憲法は国民を縛る鎖ではありません。今の政府が正しいと考える道徳を国民に守らせるものでもありません。国民主権の下で、民主主義の下で、主人公は国民であり、国民の基本的人権を守るために憲法を作り、その憲法を最高法規とし、憲法に反する法律は認めないとし、いかなる国家権力も行政も国会も裁判所も憲法に従わなければなりません。
 国家権力を縛るもの、国は憲法に従わなければならないというのは、憲法のイロハのイです。憲法によって統治権力に縛りを掛ける立憲主義、あるいは法治主義というのは、近代的な国家として当たり前のことです。憲法を守れというのは、国民に対してではなく、国家権力に対して課せられているものです。だからこそ、日本国憲法九十九条は、「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。」としています。
 ナチス・ドイツは、ワイマール憲法を改正せずに国家授権法を作り、行政が何でもできるとしました。そのために、国家授権法が猛威を振るい、人々の基本的人権をじゅうりんしました。
 最も憲法を守らなければならないのは総理大臣です。しかし、安倍総理は、日本国憲法の下で集団的自衛権の行使をできるとするのではないかと言われています。解釈を変えることを総理は答弁しています。
 自民党政権は、そして全ての政権は、日本国憲法の下で集団的自衛権の行使はできないとしてきました。憲法解釈上、集団的自衛権の行使はできないのです。また、自民党政権は、憲法九条についての解釈を変えたりすれば、それは憲法への国民の信頼を失わせるので、できないとしてきました。集団的自衛権の行使を認めるのであれば、それは明文改憲によってなされるべきであり、解釈改憲でやることができないと繰り返し答弁をしてきています。これは戦後積み上げられてきたものであり、また、法律家として申し上げますが、日本国憲法の下で他国防衛のための集団的自衛権の行使を認める解釈は取り得ません。集団的自衛権の行使はできないので、日本は朝鮮戦争でもベトナム戦争でもイラク戦争でも武力行使はしませんでした、できませんでした。
 イラク戦争は、武力行使の口実となったイラクの大量破壊兵器の存在が捏造であることが今日では明らかとなりました。日本があのとき武力行使をし、イラクの人々を殺していれば、その責任はどうやって取ることができたでしょうか。日本国憲法が海外で戦争はできない、他国防衛のために武力行使はできないとしていることは、日本の人々、世界の人々を救っています。
 集団的自衛権に関わる従来の憲法解釈を否定しようという今回の動きは、単純に憲法九条の問題にとどまらず、行政が憲法に従うという立憲主義を否定する大問題です。立憲主義、法の支配、法治主義、民主主義の破壊です。解釈によって憲法九条を意味のないものにし、日本国憲法を空洞化しようとするものですから、憲法の否定です。どのような立場に立とうと、立憲主義を破壊させてはなりません。法治国家が崩壊します。
 自民党が二〇一二年四月に発表した日本国憲法改正草案は、国を縛る鎖である憲法という理解には立たず、憲法が国民を縛るものになっている点で憲法の理解が根本的に間違っています。
 第二に、自民党の日本国憲法改正草案は、人権についても根本的に理解が間違っていると考えます。
 また、自民党は、QアンドAの中で天賦人権論には立たないと明記をしています。しかし、人権は、憲法によって国から恩恵として与えられるものではありません。人間であることによって全ての人が普遍的に当然に持っている権利で、国家、政府等の公権力が侵してはならないものです。人権が衝突したり、お互いの人権が守られる環境をつくるときには譲り合う必要がありますが、そのときも、たった一人の人権であっても大事にするという考え方を出発点に調整の工夫、方法をしなければなりません。
 日本の憲法も世界の歴史の中にあります。このような人権の考え方は、発祥地は西洋でも、今や民主主義国では世界共通のものです。日本は、世界人権宣言を受け入れ、国際人権規約を批准し、人権の面では世界のリーダーを目指してきました。このことを否定するものです。
 先日、内閣法制局長官であった阪田雅裕さんのお話を超党派でお聞きする機会がありました。阪田さんは、護憲の立場で平和憲法を守ろうとか九条を守ろうと主張しているのではありません。一貫して立憲主義を守るという観点から解釈改憲に反対をしています。
 護憲か改憲派という立場を超え、立憲主義の破壊をさせてはいけないという一点で超党派で力を合わせていきたいと考えています。

発言情報

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発言者: 福島みずほ

speaker_id: 23322

日付: 2014-02-26

院: 参議院

会議名: 憲法審査会