野中廣務の発言 (国の統治機構に関する調査会)
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○参考人(野中廣務君) 今御指摘の靖国神社の問題は、非常に中国、韓国、北朝鮮を始めとする国々から大きな問題点を抱えておる、特に中国、韓国とは極端な国交の、話合いも首脳会談もできないという非常に不幸な状態である中において、今日的課題として、私は、総理があのときに靖国に参拝されるというのは誠に残念なことであり、我が国の歴史にとっても非常に遺憾なことであったと存ずる次第であります。
特に靖国神社は、昭和天皇のときに、A級戦犯が合祀されたときに、昭和天皇はそれ以来、靖国神社に参っておられたのをおやめになりました。今上天皇に至りましても、そのまま昭和天皇の決断のとおり、A級戦犯が合祀されてからは靖国神社に参拝しておられません。その実態を見たときに、私は、一国の総理として、天皇陛下がこのように靖国神社の在り方について態度を明確にしておられるのに、総理がなぜ政治家の信念として、また他国との非常に複雑な関係を無視してやるのか。
あるいは、その前に、米国から来られた二人の長官が靖国には参らずにその手前の千鳥ケ淵の英霊のお祭りしておるところに参拝されて、二人ともここで参拝をすることを事前にやられたというのは、米国にとって総理の参拝が非常に危惧される状態であったから、わざわざ千鳥ケ淵に二人がお参りになって、靖国に参拝しないという態度を事前に示されたという話を後から聞いたわけでございますが、こういうことがあるのに、なぜ総理はああいう行為をされたのか。
また、中国とは対話の扉を開けている、韓国とも対話の扉を開けておる、開けておると言いながら、連日各国をお回りになり、ODAをまた各国にお与えになったりして、非常に各国に対する信頼や友好は進んでおると思うのでありますが、特に中国との対立国に積極的にお回りになりまして、中国に門戸を開けていると言いながら、ハードルを高く高くしていかれるこの姿は一体何を目指しておられるんだろうと私は思うとともに、戦争は、あの中国との戦いにおいても、両方が緊張した状態で、偶然どちらが撃ったか分からない状態で中国との戦いは始まったわけでありまして、また、その延長線上に、アメリカやあるいはイギリスを含めた各国との戦いが行われる状態になって、やがては、多くの犠牲者と、特に沖縄では地上戦で多くの犠牲者とまた深刻な跡を残し、今日まで米軍の基地がずっとおる、七三%も沖縄に米国の基地が存在するという、そういう過酷な状態をつくってしまったのは、私は、今思い起こして、どうしてそういうものを打開していくのに靖国に参拝されるのか。それが、アメリカからは失望したという外交上の非常にきついまた意見をもたらされるし、今後、オバマ大統領が来てどのように展開されるか分かりませんが、アメリカが何とかして韓国、中国とこの日本との不幸な対立に和睦の手を結ばそうとしてもなかなか今の状態では難しいんではないか。特に、ハードルを高くした上で中国との国交をやろうなどと考えても、長い間中国と交流してきた私にとっては、中国は絶対に応じないんじゃないかというような気持ちを私は強く持っておるわけでございます。
したがいまして、是非、今謙虚に、戦争がどれだけ悲惨な跡を残したのか、戦争がどれだけの犠牲を強いたのか、あるいは、広島、長崎の原爆を始め、あるいは国内で多くの被災者を出したあの爆撃を思い起こして、そして、その中から、日本が戦争を再び仕掛けないために、また戦争に巻き込まれないために政治家はどうあるべきかというのをもう一度よく考えていただかなければ、今、若い政治家がたくさんお出ましになりまして、過去の戦争の多くの歴史を学び取ることができない今日の状況から考えましたら、私は、戦争の危機が迫ってきておる、戦争は絶対やってはいけない、そういう言葉を皆さんに是非訴えたいと思うのであります。