2014-04-16
参議院
林宜嗣
国民生活のためのデフレ脱却及び財政再建に関する調査会
林宜嗣の発言 (国民生活のためのデフレ脱却及び財政再建に関する調査会)
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○参考人(林宜嗣君) 実は、私は関西の人間でございまして、いわゆる首都機能移転という議論が随分以前に出たときに、関西は、いや、首都機能移転、中央集権のままで首都機能を移転しても意味がないと、むしろ分権だということで、余りその議論には乗っかりませんでした。しかしながら、やはり首都機能を分散するとか移転するということも起爆剤になるかもしれないということで、そういう議論にも参加するようになったわけでございます。しかしながら、やはり究極には、危機管理も含めて、大規模直下型、首都圏の地震の究極的ないわゆる対応は分権だと私は思います。
そういう具合に考えると、地方分権を進めることによってある程度私は東京一極集中に歯止めが掛かるだろうという具合には思っています。つまり、東京の機能というのは、やはりこれは首都であるがゆえに様々な経済力が付いているということは、これは事実であります。そういうものに依存している東京でこのまま東京一極集中を続けていくことが本当に得策なのかどうかという具合に考えたときに、ちょっと二十一ページを御覧いただきたいと思います。簡潔にお話をいたします。
私は、東京一極集中を抑える勇気が必要だと思います。今、私がいろんなところで話をいたしますと、いや、そんなことを言うけど、東京が駄目になったらもう日本駄目になるからということで、そんなこと言わないでくれというようなことをよく私は言われます。しかしながら、東京一極集中を抑えるという勇気がやはり日本の再生にとっては非常に重要なんだということを申し上げています。つまり、日本経済の高コスト体質、これは東京一極集中がこのまま続くと構造的に残されたままになります。人件費も高い。いわゆる賃貸料も高い。
しかしながら、アメリカの企業は、これは二十二ページを御覧いただきたいと思いますが、アメリカの企業の本社は全国各地に分散しております。スライドの二十二枚目です。アメリカの企業は、当然、アメリカの企業の人たちと話をすると、どうして地価の高い、人件費の高いニューヨークに本社を置かなければいけないのだと、もっと有利な、企業に合った地方があるはずなんだからそこへ本社を置くのが当然でしょうというように合理的に考えているアメリカの企業が、日本に法人をつくったり事業所を構えるときには東京に構えてしまう、構えざるを得ない。これは恐らくアメリカの企業にとってみたら非常に面白くないことだと思います。むしろ、やはりそういう地域の特性ということが生かせるようなことをやっていかなきゃいけない。
そして、結局東京に、私も関西、大阪の人間なものですから、大阪でオリンピックを立候補して負けてしまった、東京で勝った。恐らく、これで東京にまた更なるインフラ投資が行われるんでしょう。そうすると、東京のキャパシティーがまた更に大きくなって、地方の人たち、若い人たちを吸い取ることになる、そうするとまた過密現象が起こる、そうするとまたインフラ整備投資をやらなきゃいけないというようなこと、私はこれは究極の財政の無駄だと思っております。
つまり、地方で、一方でインフラが遊休化するわけです。高速道路をせっかく造ったのに車が通らなくなる。それをもって、地方で車、通らないような道路を造るのは無駄だという話が出てくる。これは私は逆だと思っておりまして、むしろ車が通るような地方をつくらなきゃいけない。そのためには東京一極集中を、これ、イギリスはもう当然そういうことをやっているんですね。
だから、今ヨーロッパの国々では、第二、第三の都市をどうやって活性化するかというところに国も力を入れ出している。その結果として地方分権が進んでいるというようなことで、例えばパリだとかローマだとか、アメリカだったらニューヨークですが、ロンドンもしかり、対全国人口比は将来的にずうっと横ばいです。ところが、日本だけが将来的に、国連の推計でいきますと、東京圏の人口の比重がどんどんどんどんまだ右肩上がりで高くなる。これは先進国では類を見ないケースです。
こういうことが続く限り、いわゆる地方のポテンシャルというものを生かすことができないと思っていますので、結果的に東京一極集中に歯止めが掛かっていくだろうという具合に私は思いますが。