菊池英博の発言 (国民生活のためのデフレ脱却及び財政再建に関する調査会)

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○参考人(菊池英博君) まず、西田先生からの御質問でございます。
 まず第一に、地方と国との関係ですね。それで、ここにちょうど、九番目、お手元の図表の九という図があるんですよ。これが今、実は林先生がおっしゃられた地方財政と国との関係に直結した図表でございますので御覧をまずいただいて、それから始めさせていただきますと、まず第一に、この図はこういうことなんです。
 ちょうど、この真ん真ん中にありますね、これ、ちょうど二〇〇〇年、小泉構造改革が始まる前の段階で国が地方へ出していたお金、つまり公共投資による支出、地方交付税交付金、国庫支出金、これが幾らだったかというと、四十三兆円あったんです。
 ところが、それが、二〇〇一年から小泉構造改革、実際には二〇〇二年から具体化しています。これをどんどんどんどん落としてきたんですよ。落としてきてどうなったかといいますと、ここをベースにしてどれだけ落としたかということを累積してみますと、二〇一〇年には公共投資で十六・四兆、地方交付税交付金で四十三・一兆、国庫支出金で十五・九兆、これ全部合わせます、ここの累計ですね、この面積、七十五・四兆です。つまり、地方へ本来、この前まで、二〇〇〇年度までは回していたお金を十年後までに地方へ回さなくする、つまり国が地方から召し上げた金が累計で七十五兆あるんです。
 実は、この間、こうやって結び付けるのは怒られるかもしれませんけれども、アメリカの国債を買ったのが八十兆あるんですよ。買い増ししているんですよ。ですから、何とこれ合うんです、数字が。ただ、これはちょっと、結果がどうなったか、これは別にしまして。
 これによって、まさに地方が完全に疲弊した。だから、今でも一番疲弊しているのは医療と教育です。驚くべきことは教育で、先生なんか、私も地方へ行くたびに思うことは、小学校だって代用教員が担任やっているんですから。これは本当に嘆かわしいことで、先生方、是非こういう面は御指導いただいて変えていただきたいと思うんですが、これがなったんです。
 それで、これはどういうことかといいますと、日本は元々、地方の方はお金を貯金するんです。でも、地方では使い切れません。したがって、地方の銀行とか郵便局から全部中央に集まる。中央に集まって、中央がお金を貸すんですね。そして、金を貸していく。そうすると、当然、中央で法人税も所得税も上がるんです。だから、原資は地方からいただいているけれども、東京、中央で運用しているから、運用益を地方に還付するというのがこの思想なんです。これは昭和十八年です。昭和十八年の財政改革でこれをやったんです。当時、戦争でしたから、地方にどんどんお金を出して兵隊に、何といいますか、産めよ増やせよといいますか、地方を重視しなきゃいかぬというんです。この考え方は正しかったんですよ。戦後、日本が順調に成長したのはこの考えです。ところが、これをやめてしまったから、結果的に一方交通になってしまったんですね。
 そこで、西田先生のお考えなんですが、やはり中央でお金を出す、当然、国債を発行する、そして運用して、そしてそのお金をこういう形で、公共投資とか、あとは収益が上がったものは地方交付税交付金という形で出したことによって地方に対してお金を回していく。それは先ほどの林先生で、運用等は林先生がおっしゃるように地方にかなり委託してやっていかれればいいんだと、こういうふうに思います。
 それからもう一つは、じゃ、国債を発行して、限度はどうなのか、金利はどうかということですけれども、まず、一番心配しているのはいつも金利なんですけれども、結局一番重要なことは、有効需要をつくり出して、そのときに、だから国債を発行しようと。例えば、今日、国債を五兆発行しますよと、そうしたら、日銀がその五兆を市場から買い上げる形でしていけば、市場は五兆プラス・マイナス・ゼロですから金利は上がりません。こういう形のものを続けていけばいいんです。
 これは経験がありまして、アメリカ大恐慌のときに、一九三三年から実に十三年間、アメリカはずっと、ニューディール政策をやったり、その後は軍事費でしたけれども、やったのは、まず政府が今日五百万ドル出すよというと、中央銀行が五百万ドル買い上げて市場へ出す。それによって、この十三年間、短期は〇・三七五、長期は二・七五でずっと推移していたんです。だから、これ可能なんです。
 それからもう一つは、五年百兆と私は申し上げますし、ほかの先生も申し上げていたと思いますが、ということになりますと、五年百兆出していきますね、毎年二十兆ずつ出す。そうしますと、税収が上がってきますから、今年二十兆出した、次、二十兆出した、三年目ぐらいになってくると、この二十兆出したときには、税収が実は出さないときに比べて十七、八兆増えてくるんです。三年目ぐらいでチャラなんです、財産は。四、五年先で、五年通して見ますと、これデータがございますけれども、大体百兆出しますと九十兆ぐらいは税収が上がります。これは、この前ここにいらっしゃいました宍戸先生のモデルです。
 ですから、継続してきちっと需要を喚起する政策を取っていって、しかも、ちゃんとして需要と供給にマッチする形で金融政策を取っていけば金利は上がりません。これは経験的にできると思います。
 ただ、今、黒田総裁のやっていらっしゃることでちょっと心配なのは、さっき申し上げたとおり、どんどん買って、需要のないところ買ってマネタリーベースばかり増やすものだから、アメリカへ行っちゃっているということの懸念です。
 以上でございます。

発言情報

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発言者: 菊池英博

speaker_id: 5767

日付: 2014-04-16

院: 参議院

会議名: 国民生活のためのデフレ脱却及び財政再建に関する調査会