菊池英博の発言 (国民生活のためのデフレ脱却及び財政再建に関する調査会)

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○参考人(菊池英博君) 先生がおっしゃられた幾つかコメントは結構でございます。意見の相違等ありますが、ちょっと、ただ、事実に関して一言申し上げます。
 三番目におっしゃった、九七年、財政改革法案のときに、あの危機が生じたのは海外からとおっしゃいましたが、これは全く私は違います、全面的に。
 それは、そこに書きましたとおり、国内で信用収縮が起きたということはよく御理解いただきたい。これはもう金融学会でもみんな分かっていることです。先生も御勉強であり、大変国会でも発言なさっておる方、大変尊敬させていただいておりますが、この事実認識は全く私とは違います。これは事実、これが海外だけだったら、あんなにひどいことにならないんですよ。銀行が回収する必要はなかったです。株が下がったのもそうです。株が下がったのはいろいろ背景ありますけどね。場合によったら、大変恐縮ですが先生にも贈らせていただいておりますが、これをお読みいただきたい。
 これはなぜかといいますと、私は、構造改革というものをやっぱり一度日本が総括すべきだと思っているんですよ。これ、自民党の先生もおっしゃっているんです、実は。自民党の勉強会なんか行かせていただいて、随分私勉強させていただいています、有益な御意見。その中にそれがございました。それもあって、実はこれ、ちょっとこういうふうにまとめてみようと思ったのがこれでございます。
 それから、その次、純債務は、年金、私のお金だ、これも国会でもおっしゃっていました。しかし、OECDのデータに純債務というのははっきりあるということ。純債務、OECDのデータで私は申し上げているんです。
 それともう一つは、日本の場合には、この年金基金が約七、八十兆の国債を買っているんです。例えば、アメリカだったら、先生は御存じと思いますけれども、国家の年金は全部国債を買わなきゃいけないんですよ。株投資禁じられています。これは一九三三年、四年でしたか、できて以来ずっと。クリントンが一回反対したんですが、民間を入れようと思ったけど、共和党すら反対したと。ですから、そういう意味では、これが入ること自身、私は、かえって資金の循環等もあって理解を促進するものだと考えております。
 それから、その後は御質問になるんですね。
 九七年のときに余り増えていなかった、それがその後どんどん増えてきたということで、これはもう先ほどちょっとお話ししましたから、その理由の大きなものは、数字上の、何というんでしょうかね、誤解があるわけですよ、さっき申し上げたとおり。特別会計というものを、二〇〇一年度に特別会計の法、財政投融資会計を改定しました。そのときに、今まで表面に出ていなかった政府債務、それを表へ出して、財投債という形で出したんです。それからもう一つは、郵便局が引き受けている政府保証債を、また、これまた表へ出した、借入金も出した。それによってどんと上がったんですね。さっき、数字ありますから御説明申し上げました。だから、その増加ですね。だから、特別会計というものは分けて考えるべきだということの根拠を申し上げたと思います。
 それから、その次に、日銀に引き受けるばかりだったら破産するじゃないか。しかし、日銀引受けを継続するということを言っているんじゃないんです。なぜかといえば、最初の段階では日銀に引き受けて、いいですか、有効需要を喚起する、つくらなきゃいかぬ、だから商売やりましょう、道路を造って、あるいはこうしましょう、じゃ、この金出します、じゃ、日銀に今五兆出した、日銀に引き受けてもらう。その段階は引受けかもしれませんよ。しかし、それは、その後は収益になって上がってくるわけです。必ず上がってくる。
 だから、さっきも申し上げましたとおり、五年百兆と言ったって、その百兆が全部出っ放しじゃないんですよ。その後、税収の増加、最初なら二十兆マイナス、その次、二十兆マイナスだけれども、ネットだったらせいぜい十兆ぐらいのマイナスで済む。三年、四年目で均衡する。四年、五年目は税収の方が増えるんです。これは、この前ここにいらっしゃいました宍戸駿太郎先生のモデル。それから、もっと細かくは藤井先生がきちっとされていますね。先生は工学部の教授だけあってさすがだなと思って、私も勉強させていただいた。そういうことになっています。したがって、全部日銀が引き受けてしまうのではありません。その過程の起爆としてやっていくんです。
 それからもう一つ、先生はまあ、先生のキャリアも拝見させていただいています、モルガン銀行とか三井信託でいらっしゃいましたかね、大変な金融のベテランでいらっしゃることも十分承知いたしています。ただ、ただ問題なのは、税収がどんどん上がっていくような形に持っていくことなんですね。ですから、先生はドーマーの定理というのはもちろん御存じと思いますが、ある意味では債務が幾ら増えたっていいんです。それを上回る名目GDPが増えれば、必ず財政は良くなっていくんですよ。それがまさに五年百兆、十年二百兆のモデルの原点なんです。
 それからもう一つ、先生がおっしゃったことで、ちょっと事実に反すると思いますとおっしゃいますが、先生はこれおっしゃいましたね。ここのところで、大変、バブルの崩壊後ですよ、バブルの崩壊後、この税収が減ってきた、国債だけ発行したけれども名目GDPは上がらないとおっしゃいましたね。違いますよ。名目GDPはずっと上がっているんです。ここが特徴なんですよ。つまり、バブルは崩壊しましたのが一九九〇年です、それによって税収はどんと落ちました、どんどん落ちたんですよ、実はね。しかし、公共投資を出し、地方交付税交付金も増やしたんです、政府は。それが結局、地方の名目GDPにプラスになっていますから、実に一九九〇年に比べて、ピークに比べては六十兆以上増えているんですよ。だから、これがベースになって、そういうストックになり、そして同時に、こういうものは税収を上げるベースになるんです。これは、私だけじゃなくて、リチャード・クー先生とかいろんな方が指摘されていますから、ここは先生の御認識、事実に反します。
 以上でございます。

発言情報

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発言者: 菊池英博

speaker_id: 5767

日付: 2014-04-16

院: 参議院

会議名: 国民生活のためのデフレ脱却及び財政再建に関する調査会