吉川沙織の発言 (総務委員会)
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○吉川沙織君 民主党の吉川沙織でございます。本日もどうぞよろしくお願い申し上げます。
今回の放送法及び電波法の一部を改正する法律案では、改正の最も大きな柱の一つがNHKによるインターネット活用業務の拡大です。ここから質問を始め、NHKと放送法、公共放送の在り方というところで質問をさせていただきます。
このインターネット活用業務の拡大については、昨年八月の放送政策に関する調査研究会第一次取りまとめでは、次のような議論でした。オリンピック等については、テレビでは放送されていない競技をライブ配信することは、「オリンピックについては問題ないが、それ以外の同様の業務実施については、明らかになった時点で検証が必要。」としています。また、NHK主催のライブイベントのネット中継等の業務ツールとしてのインターネット活用については、範囲や趣旨の明確化が必要であり、その上で個別判断すべきで、業務ツールであることのみをもっては認められないなど、必ずしもNHKに対してインターネット業務の全面的な解禁を求めたものではありません。
ところが、今回提出されている法案を拝見いたしますと、NHKの作ったコンテンツであれば、放送しようとしまいと、全てインターネットで提供することができ、唯一テレビ放送の全ての番組を放送と同時に提供することが禁止されているだけです。したがって、極論すれば、一分のミニ番組だけを提供せず、残りの二十三時間五十九分は同じ番組を同時にインターネットで提供することが、極論ではございますが、可能になります。
今後のインターネット業務に対する歯止めは、法律そのものではなく、NHK自らが定める実施基準と、総務大臣が改正後の放送法第二十条第九項及び第十項の各号に基づき定める認可基準に委ねられることになります。しかし、この改正後の放送法第二十条第十項の規定、拝見いたしますと、極めて抽象的な表現となっており、実際には同条第九項第四号に基づき作成される総務省令により歯止めを掛けるというものであり、法律レベルから極めて遠いところでの判断に懸かることになろうかと思います。
これまで、NHKの実施できる業務というものは放送法に明確に規定されており、その変更にはこのような形で国会での法改正が必要でした。しかし、今後のインターネット活用業務の拡大については、法改正することなくそれが可能となります。
しかし、三月もたくさんの議論がありました。一月二十五日以降、たくさんの議論がこの国会の場でも行われました。言動により混乱を生じさせてしまったNHK会長、そして経営委員会、NHK執行部の実情を考えるとき、今このような改正をすることが国民感情に合致するのかというところは議論があるところだと思います。
ICT分野における環境変化の速さを勘案しつつも、省令以下へ委任するのであれば、認可基準、実施基準の制定、見直しに当たっては、関係者はもちろんのこと、広く国民・視聴者から意見を聴取するとともに、NHKの業務内容の詳細を毎年度の予算や事業計画において明示することが必要だと思います。
つまり、今後、NHKがインターネット業務を拡大するに当たって、NHKの予算それから事業計画の承認に委ねることによって国民・視聴者の代表である我々国会がNHKの業務をしっかりチェックしていく必要があると考えますが、この見解に対するNHK会長の所見を伺います。