古賀友一郎の発言 (農林水産委員会)
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○古賀友一郎君 皆さん、おはようございます。自由民主党の古賀友一郎でございます。
今日は岸先生もお見えということで、またいつもと違う緊張感の中で質問をさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
先週、当委員会で今回の二法案について一巡目の論戦が展開されたというところでございますけれども、今日はそういった質疑もまた踏まえながら、私なりに議論を深めさせていただきたいというふうに思っております。
私もこれまでいろんな仕事といいますか、中央官庁であったり地方自治体で仕事をしてまいりましたけれども、やはりその仕事をする中で常に気を付けていたことというのがございまして、それは常に、そもそも何のためにやっているのかというような根本的な問いかけを常日頃から忘れないようにしようというふうに思ってやってまいりました。
特に、行政の仕事、いろんな利害が錯綜するような案件も間々ありますので、そういったときに自分なりの判断基準として原点に立ち返るというようなことは、恐らく皆さん方もそうだと思いますけれども、そういった考えでやってきたつもりであります。その結果、判断をしていく、マル・バツを付けていくということをやってきたわけでありますけれども、特に行政の仕事というのは次から次に新しい課題が乗っかってまいりますので、どんどん複雑になるということで、特に、何の政策を行うにしても、何を最も優先すべきであるのかということとか、あるいは何が本質なのかというようなことは常にやっぱり問いかけていくと。一丁目一番地という言葉もございます。そういったものを是非意識しないと、そうしないと、いつの間にか尻尾が胴体を振り回していくということにもなりかねないなというふうに思っております。
そういった観点から、実は先月の当委員会でも、森林政策の本質は何だろうかという問いかけから実は質問を展開させてもらったんですけれども、今回も、やや大上段とは思いますけれども、農政の本質というのは一体何だろうかというところから問いかけをさせていただきたいと思っております。
この点については、今回のこの法案の衆議院の審議の際にも、なぜ二兆円以上も掛けて農業を保護しなければならないのかといったような趣旨の問いかけもあったようであります。こういった基本的な、根本的な問いかけにどう応えるのかと、それがまさにこの農政の本質というものを表現するものではないかなというふうに思っております。
確かに、考えてみますと、ほかの産業でここまで税金に支えられているといったものはないわけでありますし、産業政策といいますと基本的には融資でありまして、せいぜい低利融資ということだと思います。もちろん、農業の多面的機能というのもありますけれども、それだけでここまでの税金投入を説明し切れるものではないんだろうなというふうに思っているところです。
そういった意味からしますと、私は、やはり農政の本質というのは、いかなる状況下でも国民を飢えさせない、いわゆる食料安全保障、これが国民全体にとって、まさにこれは究極的な公益だろうと思うわけでありますけれども、そういう状態を確保するということがまさにその目的、本質ではないのかなというふうに考えております。
現在、政府が車の両輪として推進しておられる産業政策あるいは地域政策も、また今回の二法案についても、究極はそこにつながっていくものであるというふうに思うわけであります。こういう考えについては、林大臣も衆議院の質疑の中でこのようにおっしゃいました。食料安保をきちっとやるということは国民全体の要請であり、それを反映して基本法ができ、それに基づいて基本計画があるというような話でありました。そういったことからしますと、恐らくこういったお考え、基本的なお考えをお持ちじゃないのかなというふうに私も思っております。
これは先週の質疑の中で、これは紙委員からだったと思いますけれども、日本再興戦略では食料自給率について全く触れられていないという御指摘がございました。ここは私も実はちょっと感じたところでありまして、実は今回のこの法案の基になっております農林水産業・地域の活力創造プランにおいても、その原案段階においては、食料安定供給でありますとか、あるいは食料安全保障といったようなことについては全く記述がなかったわけであります。党の部会でプランの原案の説明があったときに私も非常にこの点ちょっと違和感を感じまして、思わずちょっと手を挙げまして何とか書き込んでほしいというふうにお願いを申し上げまして、一部記述を加えていただいたという経緯もございました。
私は、さっき申し上げました先月の森林政策でも感じたんですけれども、どうもその一丁目一番地というものがともすればちょっと忘れられやすいという傾向にあるんじゃないかなというふうな感じを持っておりますので、是非、当局におかれましてはその点に御留意をいただきたいというふうに思います。
さて、そういう観点で今回の二法案を含めて一連の改革というものを見てみますと、生産数量調整の配分を廃止をするんだ、そして生産者の生産意欲を刺激して、水田もフル活用して作れるだけ作っていきましょうというこの基本的な方針というものは、まさに作らされる農業から作る農業への転換だというふうに理解をしておりまして、食料自給力、これを極大化することに通じるものであるというふうに思っております。
そういった意味で大いに私も賛成でありまして、ただ、この食料自給力については、食料・農業・農村基本計画の見直しの中で取扱いは検討されるということのようでありますが、先月の当委員会で、これは山田修路委員が御指摘をされたんですけれども、真の自給力を付けていくためにはやはり平時からの農業生産力を強化をするということが不可欠だと思います。それが食料自給率にも反映されていくと、そういった関係になるのかなというふうに思っております。
ただ、その一方で心配もあるわけでございまして、生産数量調整の配分を廃止をした場合に、主食用米を作り過ぎて米価が急落しないかということであります。政府は、生産者に作付けを判断するための詳細な情報を提供する一方で、飼料用米等の転作作物については主食用米と遜色ない収入になるように補助するというふうにはおっしゃいますけれども、本当にそれで、いわゆる神の見えざる手といいますか、そういった市場メカニズムが適切に働いて適当な米価に落ち着いていくんだろうかということについてはやはり若干の不安というものは付いて回るんだと思いますが、まずこの点について政府のお考えをお伺いできればと思います。