安倍晋三の発言 (本会議)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 復興に対する現状認識と具体策についてお尋ねがありました。
復興の加速化は安倍内閣の最重要課題の一つです。総理就任後、毎月被災地を訪問し、多くの声に耳を傾けながら、全力を尽くしてまいりました。
一年半前、見通しすらなかった高台移転や災害公営住宅の建設は、六割を超える事業が開始しました。瓦れき処理も、三月末までに宮城、岩手で完了する見込みです。今年は、地震、津波からの復興では住宅再建等の工事が本格化し、また、福島の復興再生では早期帰還や長期避難者の生活拠点の整備に向けた各種事業が本格化するなど、大変重要な一年となります。
復興は着実に進んでおりますが、いまだ二十七万人を超える方々が避難先でこの冬を迎えております。福島の復興再生もまだまだ課題が山積しております。被災者の方々が一日も早く普通の生活に戻られるよう、住宅再建の加速化、なりわいや産業の再生、避難者への生活支援など、きめ細やかな対応を行いながら、復興を更に加速させてまいります。
特定秘密保護法の運用に関する国民の不安についてのお尋ねがありました。
特定秘密保護法は、国民の安全を守ることが目的であり、これによって国民の日常生活が脅かされることはありません。むしろ、特定秘密の指定等についてルールを定め、秘密の取扱いの客観性と透明性が高まります。
特定秘密保護法に関する様々な御意見については真摯に受け止め、今後とも、同法について国民の皆様に丁寧に説明を重ねるとともに、その適正かつ効果的な運用が図られるよう施行準備を進めてまいります。
靖国神社参拝と憲法の関係についてのお尋ねがありました。
私は、靖国神社を参拝し、国のために戦って尊い命を犠牲にした方々に対して、尊崇の念を表し、御霊安かれなれと御冥福をお祈りしました。この参拝は、私人の立場で行ったものであって、また、供花代を公費から支出しておらず、憲法の政教分離原則に反する可能性があるとの御指摘は当たりません。(拍手)ありがとうございます。
日中・日韓関係についてお尋ねがありました。
中国、韓国との間で意思疎通を図っていくことは、アジア太平洋地域の平和と安定にとって有意義であり、大局的な見地から関係を発展させていくことが重要です。
韓国については、ダボス会議で、朴槿恵大統領の講演を聞きに行き、会場で尹炳世外相を始めとする韓国政府幹部の方々と挨拶し、握手を交わしました。
中国については、我が方から、不測の事態の発生を回避するため、防衛当局間の海上連絡メカニズムの運用を早期に開始することを中国側に提案し、その回答を促しています。
このように、私の方からは中国、韓国には積極的に働きかけております。困難な課題があるからこそ、前提条件を付することなく、率直に話合いを行うべきなんです。私の対話のドアは常にオープンであり、両国にも同様の態度を求めたいと思います。
靖国神社への参拝では、二度と人々が戦争の惨禍に苦しむことがない時代をつくるとの決意を込めて不戦の誓いをしました。中国、韓国の人々のお気持ちを傷つけるつもりは全くなく、両国に対しては、これからも謙虚に、礼儀正しく、誠意を持って説明をしてまいります。(発言する者あり)静かにしていただければ、もう少し聞こえると思います。
籾井NHK会長の発言についてお尋ねがありました。
放送機関のトップが行った個別の発言について、政府としてコメントすべきではないと考えます。籾井会長を始めNHKの職員の皆さんには、いかなる政治的な圧力にも屈することなく中立公平な放送を続けてほしいと願う次第であります。
国連社会権規約委員会と国連拷問禁止委員会における慰安婦問題に関する勧告についてのお尋ねがありました。
これらの勧告は、我が国の考え方が全く反映されておらず、また、事実誤認に基づく一方的なものであり、法的拘束力を有するものではありません。
国連安保理決議一三二五号に基づく行動計画についてのお尋ねがありました。
女性・平和・安全保障に関する行動計画の策定は、女性の力の更なる活用といった現代的課題について、国際社会との協力や途上国支援の強化を目的とするものであります。慰安婦問題等の過去の問題を扱うものではありません。
憲法改正に向けた姿勢についてのお尋ねがありました。
自由民主党は、立党以来、憲法改正を主張しており、昨年、憲法改正草案を発表し、二十一世紀にふさわしいあるべき憲法の姿を広く国民に示し、憲法改正を正面から訴えてまいりました。今後、憲法審査会などの場においてしっかりとした議論を行うことにより、新しい時代にふさわしい憲法の在り方について国民的な議論を更に深めてまいりたいと考えています。この議論の深まりを踏まえて、私としてはしっかりと着実に憲法改正に取り組んでまいります。
先般訪問したアフリカ諸国と、そこでの人々の暮らしについてお尋ねがありました。
アフリカは、紛争や貧困等の人間の安全保障に関わる様々な課題を抱えている一方で、近年は高い経済成長を遂げ、国づくりの途上にあります。アフリカは、活力に満ちあふれ、大きな可能性を秘めている日本外交のフロンティアであります。
さきのアフリカ訪問では、各国の首脳と、アフリカの開発や成長、平和と安定のため、活発な議論を行いました。各国首脳からは、一様に、アフリカの経済成長に向け、日本企業による投資促進への強い期待が示されました。特に、日本企業の投資がもたらす人材育成、品質や労働倫理の向上といった面につき高い評価を得ました。昨年のTICADにおいて、あるアフリカの首脳が、日本の企業は、日本だけの企業が職場に倫理を持ち込んだと、このように評したのを今でも印象的に覚えているところであります。同時に、投資と成長の前提として平和と安定が重要であるとの指摘もありました。
我が国としては、一人ひとりを強くする日本のアフリカ外交の方針の下、さきの訪問で私から表明した、紛争、災害への約三・二億ドルの支援とともに、昨年六月のTICADⅤで表明した貢献策を着実に実行し、官民で連携し、アフリカの質の高い成長の実現に貢献してまいります。
モザンビークでのプロサバンナ事業についてお尋ねがありました。
ゲブーザ・モザンビーク大統領との会談においては、私から、プロサバンナ事業に関して、モザンビーク政府による市民社会や農業組織との対話の努力を評価しており、日本としても彼らの理解を得ながら小規模農家が裨益する形で支援を実施していきたい旨申し上げました。この事業は、持続可能な農業開発を通じた地域住民一人ひとりの生計向上を目指すプロジェクトであり、事業の実施に当たっては、不法な土地の収奪等が起こらないように特に留意し、小規模農家へ最大限配慮した支援を行ってまいります。神本議員、独り善がりは私ではありません。
持続可能な成長という観点から、人口減少問題についてのお尋ねがありました。
人口減少問題は、喫緊に取り組まなければならない課題であると認識しております。少子化対策をしっかりと進めるとともに、女性、若者、高齢者など、あらゆる人が社会で活躍し、その可能性を発揮できるチャンスをつくることにより、強い日本、強い経済を実現してまいります。
今般、こうした人口減少などの構造変化を見据えつつ、日本経済の中長期的な発展を実現するため、経済財政諮問会議の下に「選択する未来」委員会を設置したところであります。今後、その議論を踏まえ、人口減少による問題の克服に向けた取組を進めてまいります。
全国学力調査と家庭の経済状況にかかわらない教育機会の確保についてお尋ねがありました。
国として、全ての子供たちの学力向上を図るため、全ての市町村、学校等において、全国的な状況との比較により課題を把握し、その結果を学校の指導改善に生かすことが重要であります。このため、全国学力調査を、過度な競争が生じないよう配慮しつつ、継続的に悉皆で実施してまいります。
また、子供たちが家庭の経済状況にかかわらず最良の教育を受けられるようにすることは重要であります。このため、高校無償化制度に所得制限を導入し、それによる財源で低所得者層への支援策を充実するほか、奨学金や授業料減免等の拡充を通じて家庭の教育費負担の軽減を図ってまいります。
教科書検定基準の見直しと道徳の教科化についてのお尋ねがありました。
教科書検定基準の見直しは、改正教育基本法の趣旨を踏まえて、バランスの取れた教科書で子供たちが学べるようにすることを目指すものであります。教科書の著作、編集を民間に委ね、各発行者の創意工夫を凝らした多様な教科書の発行を期待するという教科書検定制度の趣旨を変えるものではなく、戦前の国定教科書の復活につながるとの心配は及びません。
また、道徳については、公共の精神や豊かな人間性を培うため特別の教科として位置付け、教育の目標、内容の見直しや教員養成の充実などを図ることにより今後の時代に求められる道徳教育の実現を目指すものであり、戦前の修身科の復活につながるものではありません。
教育委員会制度の見直しについてお尋ねがありました。
昨年四月の教育再生実行会議の提言においては、教育長を地方教育行政の責任者と明確に位置付けるとともに、教育の政治的中立性や継続性、安定性を確保するための制度上の措置を講ずるとされています。この提言等を踏まえ、与党の御意見もいただきながら、責任の所在が曖昧な現行の教育委員会制度を抜本的に改革してまいります。
地域との連携及び国家戦略特区における公設民営学校についてお尋ねがありました。
学校と地域の連携は重要であり、保護者や地域の方々が学校の運営や教育活動に協力する取組を進めることなどにより、社会総掛かりで質の高い公教育を実現してまいります。
また、公設民営学校は、国家戦略特区法に基づき、既存の学校では対応し切れない多様な教育を提供する観点から、公立学校の管理を民間に委託することについて検討を行っているものであります。その検討に当たっては、公立学校としての教育水準の維持や学校と地域の連携を含めた公共性の確保を図ることを前提としています。
雇用制度改革についてお尋ねがありました。
日本再興戦略における雇用制度改革は、個人がそれぞれのライフスタイルや希望に応じて社会での活躍の場を見出せるよう、柔軟で多様な生き方が可能となることを目指しているものです。規制緩和が労働者の犠牲をもたらすとの御指摘は当たらないものと考えます。
雇用分野の規制緩和や労働者の雇用環境の改善についてお尋ねがありました。
安倍内閣の基本方針は、成熟産業から成長産業への失業なき労働移動と多様で柔軟な働き方を実現することにより雇用を拡大することであり、デフレ解消と矛盾する政策との御指摘は当たらないと考えます。
政府としては、過重な労働による健康障害や若者の使い捨てが疑われる企業等は社会的に大きな問題であると考えており、昨年九月には、賃金不払残業や過重労働が疑われる企業等に重点的な監督指導を行ったところであります。将来を担う若者などが生きがいを持って働くことができる環境をつくっていくために、今後ともしっかりと取り組んでまいります。
残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
〔国務大臣太田昭宏君登壇、拍手〕