二之湯智の発言 (本会議)

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○二之湯智君 自由民主党の二之湯智です。
 私は、自由民主党及び公明党を代表して、ただいま議題となりました地方税法等の一部を改正する法律案に対し、関係大臣に質問をいたします。
 冒頭、一言申し上げます。
 東日本大震災の発生から三年が経過いたしました。改めて、亡くなられた方々に心から哀悼の意を表しますとともに、御遺族の方々に心からお見舞いを申し上げます。我々は、今後とも、政府・与党一体となって、被災者の方々に復興を実感していただけるよう、引き続き震災復興に全力で取り組んでまいります。
 それでは、質問に入ります。
 まずは、地方の景気回復についてお伺いいたします。
 アベノミクスの効果によって、多くの地方では景気が上向いてきております。内閣府の発表している地域経済動向でも、多くの地域で景気は回復又は緩やかに回復しています。ただ、都市部と比べると、まだ十分にアベノミクスの効果が波及しているとは言えません。最新の有効求人倍率も、全国平均では一・〇四倍、東京都は一・四六倍となっていますが、まだ一倍を切っている地域も多くあります。
 今後、どのようにアベノミクスの効果を地方にも波及させていくのか。全国的に景気が回復し、雇用も増え、給料が上がる、こういう状況に持っていくためには何が必要とお考えか、甘利経済再生担当大臣、お聞かせください。
 次に、地方の自立について伺います。
 安倍政権では、地方分権改革推進本部を設置して、地方分権改革の総括と展望を議論されています。地方自治体に十分な権限、財源が保障されておらず、真の意味で自立できていないことは、我が国の長年の課題であります。これまでも地方分権と銘打った改革は数多く行われてきました。その結果、地方自治体の権限が前よりも増えたことは間違いありません。しかし、権限に見合った財源がなければ、本当の意味での自立にはなりません。
 地方と国の仕事の配分は、地方が三、国が二、財源の配分は、地方が二、国が三だと言われています。仕事は地方の方が多く、財源は国の方が多いのです。安倍政権の地方分権改革では、この構造を改め、地方の財政的自立を達成すべきだと考えますが、新藤総務大臣、御見解はいかがでしょうか。
 また、政令市の在り方についても伺います。
 政令市と都道府県の二重行政が指摘され、総務省の地方制度調査会でも都道府県から政令市への権限移譲が提言されるなど、政令市の権限強化に向けた機運が高まっています。権限強化はもっともなことですが、その際には、権限だけでなく必要な財源の移譲を行うことも忘れてはなりません。
 今国会には、教職員の給与に必要な財源を都道府県から政令市に移譲する法案が提出される予定です。これまで、政令市は教職員の人事権だけを持っていて、給与は都道府県が負担するというねじれの状態にありました。今回の法案は、政令市に権限と財源を一元化するという良い先例になると思います。
 今後も、政令市への権限移譲は必ず財源とセットで行うべきだと考えますが、政府の方針はいかがでしょう。新藤総務大臣に伺います。
 次に、自治体財政について伺います。
 自治体の財政は、扶助費や公債費の増加によって硬直化が進んでいます。そのため、国の補助事業をやりたくても、自治体の負担分が出せないために事業を諦めるというケースも多くあります。
 このまま地方の高齢化が進めば、多くの自治体で政策的な経費が完全に底をつくという事態もあり得ます。既に京都市や大阪市では経常収支比率が一〇〇を超えており、財政に全く余裕がない状態です。これは、通常の収入では支出が賄えない、企業でいえば自転車操業の状態であります。
 政府の成長戦略や経済対策を進める上でも、自治体財政の硬直化は克服すべき問題であると思いますが、対応をどのようにお考えか、新藤総務大臣、お聞かせください。
 公債費についてもう一点。
 今、全国の自治体では臨時財政対策債の発行額が積み上がっています。多くの自治体は、血のにじむような努力をして歳出を削減し、臨時財政対策債以外の地方債を減らしています。その一方で、国が地方に押し付ける臨時財政対策債だけが積み上がっていくというのは、国の努力不足と言われても仕方ありません。全国の自治体が求めているように、臨時財政対策債をやめて地方交付税の増額を目指すべきだと考えますが、新藤総務大臣、いかがでしょうか。
 次に、過疎対策について伺います。
 昭和四十五年の過疎法制定から、既に四十年以上がたちました。その間の過疎対策事業債の発行は九兆円に上ります。過疎対策の成果はどうだったでしょうか。過疎化が止まるどころか、どんどん過疎が進んでいることは誰の目にも明らかです。
 さらに、今後数十年間、都市部への人口集中と地方の人口減少が進むと予測されています。厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所という機関が人口の将来推計を出しています。それによると、二〇一〇年から二〇四〇年までで、東京の人口は六%減りますが、秋田県の人口は三五%も減ります。
 政府の機関がこのような予測をするということは、政府自ら今後も過疎対策には効果がないと認めるようなものではありませんか。これからも都市への人口集中が続き、田舎からはどんどん人が出ていく。国の在り方としてそれでよいのでしょうか。これまでの過疎対策を根本から変えて、実効性のあるものにするべきだと考えますが、いかがでしょうか。新藤総務大臣の御見解を伺います。
 最後に、少子化対策について伺います。
 人口の減少は、地方の過疎化をますます深刻なものにするとともに、我が国の国力全体を大きくむしばむ大問題であります。
 私は昭和十九年生まれです。当時、我が国は戦火の中にあり、将来が見通せない状況でございましたが、七千三百万人の人口で、出生数はコンスタントに二百万人を超えていました。今、人口は当時の一・七倍となりましたが、出生数は半分以下です。国が平和で豊かであることと子供を産み育てることは全く別問題なのです。
 先日、宇宙開発の「はやぶさ」プロジェクトに関わった技術者のお話を伺いました。その方は、日本の科学技術はすばらしいが、それよりも我が国の最大の課題は少子化対策だ、なぜ国は本気で取り組まないのかと強く訴えておられました。
 我々政治家は、日々の政治課題に忙殺されて、我が国が直面する本質的な問題を忘れがちではないでしょうか。少子化は国の存亡に関わる問題です。
 少子化対策というと、すぐに働く女性のために保育所をつくるといった話になりますが、それだけでは足りないことは明らかです。人口問題研究所の調査では、二〇一二年、我が国の人口は一億二千七百五十二万人、二〇五〇年、九千七百八万人で、実に三千四十四万人減少します。政府が国民に対して、子供を産んで育ててほしいとはっきり言うべき段階に来ていると思います。このまま人口減少が推移すれば我が国は滅亡する、そうした危機感を本気で訴えるべきではないでしょうか。
 さて、社会には様々な問題があります。未婚の男女が共に五〇%以上結婚を希望しているのに、出会いがない、経済的理由のために結婚に踏み切れないと言っています。もう一つ、社会の変化による人の意識の変化も大きな問題です。結婚しているのに子供を持つことを望まない人たちが増えています。経済的理由だけでなく、自分が仕事を持ち働き続けることと、子供を産み育てることの意味を深く考えねばなりません。未来に対する責任はどこにあるのでしょうか。人なくして国はありません。
 こうした意識喚起をした上で、抜本的な少子化対策を求め、政府の見解を森少子化対策担当大臣にお伺いして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣新藤義孝君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 118615254X00820140312_010

発言者: 二之湯智

speaker_id: 20871

日付: 2014-03-12

院: 参議院

会議名: 本会議