藤末健三の発言 (本会議)

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○藤末健三君 民主党・新緑風会の藤末健三です。
 質問に先立ち、昨日で三年がたちました東日本大震災で亡くなられた方々に哀悼の意を表するとともに、今もなお避難生活を余儀なくされている方々に対し、心からお見舞いを申し上げます。
 それでは、会派を代表して、地方税法改正案外二件について、地方の税財政制度の在り方、日常生活に不可欠な電力、通信、郵便といったユニバーサルサービスの在り方、そしてアベノミクスに取り残された地方経済の在り方、三つの観点から質問を申し上げます。
 まず、一つ目のポイント、地方税、地方財政の在り方について質問します。
 先日、財務省は、税金や社会保険料といった国民負担率が来年度に四一・六%になると発表しました。これは今年度より一・〇%高く、過去最高になります。その原因は、四月からの消費税増税とともに年金保険料を引き上げるためでございますが、財政支出の徹底削減や議員定数の削減といった、政治家が自ら身を切ることもなく国民の負担増加が行われることについて、財務大臣の見解を伺います。
 そして、負担増を国民に強いるに当たり、税制については、政府税調といった公式の公開の場ではなく、与党の税制調査会という法的な位置付けがない組織が議論をし、公開もしないままに決めています。これでは納税者は納得できません。この点について、財務大臣と総務大臣のお考えをお聞かせください。
 ほかにも、地方税、地方財政そのものの在り方に対して全く考慮がされておりません。これらの法案においては、国と地方を合わせた税収のうち地方税は四五%を占め、一方、国と地方を合わせた歳出総額のうち地方歳出は五八%を占めています。この地方収入四五%と歳出五八%のギャップをなくすことが長期的な地方の税財政の課題と考えますが、この点について何らかの進歩があったか、総務大臣、お答えください。
 地方が国への依存をなくし、自立的な財政運営を行うことは、行政サービスの受益と負担の関係を明確にし、住民が税金の無駄遣いを監視するためにも、また地方経済の自律的な発展を図る上でも必要です。この点を総務大臣はどのようにお考えでしょうか。
 そして、消費税の引上げとともに、軽自動車税率を五〇%も増税すると決まりました。軽自動車は地域の生活の足であります。普及率が高い佐賀と鳥取では、百世帯に百台以上、つまり一世帯に一台以上の軽自動車があります。一方、東京都は百世帯に十一台と、その差は九倍あります。そして、軽自動車の用途は、八割は通勤そして買物といった、四人のうち三人が毎日軽自動車に乗っている状況です。このような地方の生活の足である軽自動車の税負担を増すことは、地域格差そして所得格差を減らすという税の基本原則に反するのではないでしょうか。総務大臣の見解を伺います。また、今後検討される環境性能課税においても軽自動車への配慮が必要だと考えますが、総務大臣、いかがでしょうか。
 次に、地域におけるユニバーサルサービスの維持について質問をいたします。
 国立社会保障・人口問題研究所によりますと、二〇一〇年に比べ二〇二五年に人口が増える地域は沖縄と東京都、二つだけです。最も減少する県では、何と二割の人口が減ると推計されています。
 このような課題に対し、太田国土交通大臣は、住民が少なくなっても、住み続けたいと思う人を大事にしたいとの考えの下、国土の新しいグランドデザインの策定に取り組んでおられます。山間部や離島などにお住まいの方々の日常生活に不可欠なサービスの提供について、どのような理念で臨んでいくのかを伺います。
 特に、福祉、通信、エネルギー、金融などのサービスの提供の在り方が各省庁ばらばらに議論されております。国土計画を所管する国土交通省が旗振り役となって、多岐にわたるユニバーサルサービスの在り方について、省庁の枠を超えリードしていくべきだと考えますが、いかがでございましょうか。
 また、個別の分野に目を向けますと、例えば、地域内にガソリンスタンドがない地方自治体は何と七町村あります。一つしかない自治体は六十町村。七つの町村では、車で数十分も掛け隣の町までガソリンを入れに行くという状況です。現在、事業者に対し、ガソリンスタンドの設備費用の補助を行っていますが、現状のこの政策で過疎地などにおけるガソリン供給サービスが維持できるのか、経済産業大臣の見解をお聞きします。
 また、この国会で電気事業法の改正案が提出され、今後、送電と発電の分離が行われる予定です。つまり、発電に新規企業が参入することにより、発電コストが安くなり、電気利用者の利便性は上がるとしていますが、一方で、送配電においてはユニバーサルサービスが課される計画です。
 私は、今までユニバーサルサービスを担ってきた電力事業制度改革の経緯や諸外国の電力自由化の失敗の事例から、送配電事業者が適切な設備形成やサービス提供を行うか非常に疑問に思っています。離島や山間部が多い我が国において、この改革は本当に電気料金の低下や利用者の利便性向上につながるのでしょうか。この点について経済産業大臣に伺います。
 一方、通信のユニバーサルサービスについては、NTTがその責務を負って加入電話の提供を行っています。加入電話はピーク時六千万回線ありました。今では三千万回線を割り、何と半減しています。この理由に携帯電話やインターネット電話の普及がございますが、また同時に、NTTのユニバーサルサービスの収支を見ると、何と年間で一千億円の赤字です。このような中で、特定の事業者が加入電話によりユニバーサルサービスを確保し続けることは合理的とは言えません。技術の進歩を踏まえ、経済合理性のあるユニバーサルサービスへ見直すべきです。総務大臣、いかがでしょうか。
 そして、通信とともに郵便のユニバーサルサービスも重要な課題です。世界的にも今郵便は年間三%ずつ減っています。実際に、我が国における郵便数を見ますと、二〇〇〇年度から二〇一二年度にかけ、二百六十二億通から百八十九億通と、何と三割も減っている状況です。イギリスでは、昨年、郵便局ネットワークを維持するために五百億円の政府が補助をすることを決めました。そして、アメリカにおいては、今、郵便は公社、民間ではなく官が行っています。郵便のユニバーサルサービスの維持に対する総務大臣のお考えをお聞かせください。
 また、二〇一二年に改正した郵政民営化法においては、貯金、保険といった金融サービスをあらゆる地域であまねく提供する義務を、ゆうちょ銀行、かんぽ生命といった金融二社ではなく、郵便事業会社と郵政持ち株会社に課しています。金融機能を持たない郵便会社と持ち株会社が金融ユニバーサルサービスをいかに維持し、そして提供し続けるか、総務大臣の見解を伺います。
 特に現在、情報通信審議会郵政部会でユニバーサルサービスのコストを分析しておりますが、この結果が出るのは来年の七月と聞きます。それでは遅いです。是非とも、郵便と金融のユニバーサルサービスを、郵政グループによる郵便、貯金、そして生命保険という三事業一体を前提に早急に議論していただきたいと考えますが、総務大臣、いかがでしょうか。
 なお、郵政については、二〇一二年に改正した郵政民営化法の第七条の二の二項において、「郵便局ネットワークの活用その他の郵政事業の実施に当たっては、その公益性及び地域性が十分に発揮されるようにするもの」としました。しかしながら、民営化された郵政事業が単に採算至上主義になれば、それは地域の切捨てにつながります。特に、来年株式上場が予定されていますが、株式が上場されれば、過疎地の郵便局は採算に合わず、株主価値を毀損するとして切り捨てられる可能性がございます。
 郵政グループの皆様の努力により局ネットワークは維持されていますが、やはり政治的な決断が必要です。是非とも、郵政の現場を鋭意回られ、そして理解をされている新藤大臣に、郵便局ネットワークの維持のための支援策や、公益性そして地域性の発揮について大きな方針を是非とも示していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
 このように、通信、エネルギー、郵便、金融といったユニバーサルサービスは地域の人々の生活になければならないものです。しかしながら、担当省庁が多岐にわたり、個別に議論がされています。是非とも、将来を見据えた、省庁の枠を超えた検討を進めるべきだと重ねて申し上げますし、また、太田大臣には是非やっていただきたいと思います。
 三つ目のポイントであります地域経済の回復について質問いたします。
 景気回復の実感を全国津々浦々にまで届けると安倍総理は述べられています。しかしながら、景気回復は地方にはほとんど及んでいません。実際に、地方の税収はリーマン・ショック以前のレベルに全く回復していない状況にあります。しかしながら、今回、地方交付税の別枠加算額が何と四千億円も減額されている。総務大臣、是非ともこの削減の理由を伺いたいと思います。
 そして、安倍政権においては、地方経済対策が公共事業偏重に戻っています。補正において五兆円の公共事業を行いましたが、予算の急増により、資材は高騰し、そして人手が不足し、数多くの公共事業の入札の不調があります。これでは地方を公共事業中心の経済に戻すだけではないでしょうか。
 我が民主党が唱えるように、地方でニーズが高い介護、医療、教育、子育てといったこのようなサービスを地方で充実させ、そして、これらの分野で十分な所得がある仕事を増やすことが地域の経済活性化につながると確信します。経済財政担当大臣、いかがでございましょうか。
 私は、滋賀県で職を失い宿を失った若者と会いました。彼は、東京で生まれ、そして高校を卒業した後に派遣会社に入り、まず初めに長崎の工場に派遣された。長崎の工場が景気が悪くなり、次に大分の工場に移され、大分の工場も景気が悪くなり、そして滋賀の工場に移された。そして、最後に滋賀の工場で解雇されたと言っていました。そして、彼は私に、こんなに真面目に働いても夢も希望も持てないと言っていました。今でも心に残っています。今、円安で輸出型産業は最高益を出していますが、国内に工場が立地されなければ、このような若者はますます増えてくるはずです。
 昨年の鉱工業生産指数を見ますと、円安にかかわらず、長崎県はマイナス八・五%、茨城県はマイナス五・六%、愛媛県、鳥取県はマイナス三・一%と、工業出荷が落ちています、円安にもかかわらず。是非とも、企業が国内に、特に地方に雇用を生む工場を造るような大規模な補助金、大規模な税制措置を行うべきではないでしょうか。財務大臣と経済産業大臣に見解を伺います。
 アベノミクスは、人、物、金といった資源の配分を市場メカニズムに委ね、資源が大都市に集中し、地方は衰弱してしまうのではないかと懸念しています。実際に、昨年の人口移動統計を見ますと、人口転入がプラスだったところは、東京、神奈川、埼玉、千葉、愛知、大阪、福岡、宮城といった大都市だけで、ほかの府道県は全てマイナス、人が出ている状況にあります。人、物、金といった資源を地方に回す政策がいかにあるべきか、甘利経済財政担当大臣に伺います。
 最後に、我が国が目指すべきものは、地域が自立的な税財政の下に多様性を発揮し、そして地域の人々が全て安心して暮らせるサービスを受けることができる地域社会であることを申し上げまして、質問を終わらさせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣新藤義孝君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 118615254X00820140312_015

発言者: 藤末健三

speaker_id: 22845

日付: 2014-03-12

院: 参議院

会議名: 本会議