安倍晋三の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(安倍晋三君) 北澤俊美議員にお答えをいたします。
私の叔父、西村正雄が書いた八年前の論文についてお尋ねがありました。
七年前、私は突然病のために総理大臣を辞し、国民の皆様に大きな御迷惑をお掛けをいたしました。あのときの大きな挫折は今も私の胸に深く刻み込まれています。叔父の言葉も、挫折を経験した今だからこそ理解できる部分もたくさんあると考えています。
自民党もまた、五年前の総選挙で歴史的な惨敗を喫し、三年三か月の厳しい野党生活を経験しました。私たちは、こうした過去を率直に反省し、教訓として心に刻みながら、様々な国民の声に謙虚に耳を傾け、国民が求める経済の再生を最優先に真摯な政権運営を行っております。
叔父が引用した貞観政要には、「古自り国を失うの主は、皆安きに居りて危うきを忘れ、理に処りて乱を忘るるを為す」という言葉もあります。今後とも、気を緩めることなく、緊張感を持って、激変する国際情勢など現実を見据えながら、日本の未来を切り開いていく覚悟であります。
積極的平和主義と新しい国家像についてのお尋ねがありました。
憲法を始め、教育、安全保障など、国の基本的な枠組みは変えられないと諦める精神を打ち捨て、私たち日本人が自らの手で国をつくり上げていく気概を持つ、こうした気持ちこそが新たな日本を切り開く原動力となると信じます。
戦後六十八年を経て、日本の社会も日本を取り巻く国際情勢も変わりました。こうした現実を踏まえ、日本の国の将来をどうするか、今こそ国民的議論を深めるべきであります。
我が国を取り巻く安全保障環境は一層厳しさを増しており、国境を越える新しい脅威も増大しています。このような状況の下では、もはやどの国も一国のみでは自国の平和と安全を守ることはできず、自国の平和と安全を守るためには、国際社会と協力して地域や世界の平和を確保していくことが不可欠であります。
このような認識の下に、我が国はこれまで以上に積極的に国際社会の平和と安定及び繁栄の確保に寄与していく、これが積極的平和主義であり、我が国の国家安全保障政策の基本理念であります。積極的平和主義に対しては、多数の国から、これを歓迎し支持するとの反応を得ており、国際協調主義の下で、日本はこれまで以上に積極的な役割を果たしてまいります。
安倍内閣のブレーンについてお尋ねがありました。
安倍内閣においては、補佐官などの任命についても、閣僚の任命と同じく、能力、経験、職務内容など様々な観点を検討し、総合的に判断し、適切に行ってきています。
戦後、我が国は、自由で民主的で、基本的人権や法の支配を尊ぶ国をつくり、六十八年にわたり平和国家として歩んでまいりました。その歩みは今後も決して変わることはありません。国際社会に対しても、その日本の決意をしっかりと発信してまいりたいと考えております。
集団的自衛権の問題に関するお尋ねがありました。
集団的自衛権等と憲法との関係については、現在、安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会において検討が行われており、まずはこの懇談会における議論を待ちたいと考えています。
その上で申し上げれば、懇談会では、そもそも憲法には個別的自衛権や集団的自衛権についての明文の規定はなく、個別的自衛権の行使についても、我が国政府は憲法解釈を固めることによって認められるとした経緯がある、そうであれば、個別的自衛権に加えて集団的自衛権の行使が認められるという判断も、政府が適切な形で新しい解釈を明らかにすることによって可能であり、憲法改正が必要だという指摘は当たらないという意見も表明されております。
政府としては、懇談会から報告書が提出された後に、内閣法制局の意見も踏まえつつ、与党とも相談の上、対応を検討した後、仮に憲法解釈の変更を行うこととなる場合には、閣議決定を行い、国会で御議論をいただくことを考えております。
さらに、仮に憲法解釈の変更が行われても、集団的自衛権を実際に行使するためには関連する一連の法律を改正する必要があり、国会で御議論をいただくこととなります。したがって、このような方法が法的安定性を損なうとは考えておりません。
残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
〔国務大臣岸田文雄君登壇、拍手〕