安倍晋三の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(安倍晋三君) 井上哲士議員にお答えをいたします。
 国家安全保障戦略と集団的自衛権に関するお尋ねがありました。
 集団的自衛権等と憲法との関係については、現在、安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会において検討が行われており、まずはこの懇談会における議論を待ちたいと考えます。
 いずれにせよ、我が国は、専守防衛に徹し、他国に脅威を与えるような軍事大国にならないとの基本方針を堅持してきました。国家安全保障戦略にも明記しているとおり、このような平和国家としての歩みは引き続き堅持していきます。
 集団的自衛権に関するお尋ねがありました。
 昭和三十四年のいわゆる砂川事件に関する最高裁判所判決は、憲法第九条の規定によって我が国が主権国として持つ固有の自衛権は何ら否定されたものではなく、我が国が自国の平和と安全を維持しその存立を全うするために必要な自衛のための措置をとり得ることは、国家固有の権能の行使として当然であるということを明白に認めたものであり、政府としてもこのような見解を従来から取ってきたところであります。
 集団的自衛権等と憲法との関係については、現在、安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会において検討が行われており、まずはこの懇談会における議論を待ちたいと考えます。
 政府としては、懇談会から報告書が提出された後に、内閣法制局の意見も踏まえつつ、与党とも相談の上、対応を検討した後、仮に憲法解釈の変更を行うこととなる場合には、閣議決定を行い、国会で御議論いただくことと考えております。
 水陸機動団と島嶼防衛についてお尋ねがありました。
 数多くの島嶼を有する我が国にとって、島嶼防衛態勢の強化は極めて重要な課題であり、新防衛大綱、中期防においては、万が一島嶼への侵攻があった場合の対処に不可欠な水陸両用作戦能力を有する水陸機動団を創設することとしています。
 この水陸機動団の創設を含め、島嶼防衛のための施策は、安全保障環境が一層厳しさを増す中、あくまでも我が国防衛を目的とするものであり、敵地に攻め込む殴り込み部隊であるとか、軍事的緊張をもたらすといった御指摘は当たりません。
 敵基地攻撃能力の保有についてお尋ねがありました。
 新防衛大綱においては、弾道ミサイル攻撃への対応について、北朝鮮の弾道ミサイル能力の向上を踏まえ、我が国の対処能力の総合的な向上を図ることとしております。
 弾道ミサイルの発射手段等に対する対応能力の在り方についても、日米間の適切な役割分担に基づき、日米同盟全体の抑止力の強化のため、我が国自身の抑止・対処能力の強化を図るよう、様々な観点から検討を行った上で、必要な措置を講じてまいります。
 こうした検討は、専守防衛の範囲内で、国民の生命、財産を守るために行うものであり、もとより憲法に反するものではなく、また、軍事的緊張を高める危険な検討であるとの御指摘は当たりません。
 グレーゾーン事態についてお尋ねがありました。
 新防衛大綱におけるグレーゾーンの事態とは、純然たる平時でも有事でもない事態を端的に表現したものです。
 安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会においては、我が国に対する武力攻撃に至らない侵害に対し、警察や海上保安庁だけでは速やかに対応することが困難な場合、自衛隊が十分な権限でタイムリーに対応できるのかといった観点から、法整備において埋めるべき隙間がないのかといったことについて議論が行われています。
 具体的には、例えば、我が国領海内において、外国潜水艦が水中に潜ったまま航行し、退去の要求に応じず徘回を継続する場合などに際して、どのような実力の行使が可能か、国際法の考え方も踏まえつつ検討する必要があるのではないかといった議論が行われております。このような事例は、我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中においては想定され得る事態であると考えています。
 これらの検討は、いずれも、国民の生命を守り、我が国の平和と安全を確保するためにはいかにすべきかといった観点から行われているものであります。
 話合いによる問題の解決及び中国、韓国との関係についてお尋ねがありました。
 周辺国との様々な問題や課題を話合いを通じて平和的、外交的に解決すべきことは言うまでもありません。
 韓国の朴槿恵大統領とは、先般のハーグでの日米韓首脳会談で初めて会談することができました。これを第一歩として、未来志向の日韓関係に向けて、互いに努力していくことが重要であります。
 日中関係は引き続き厳しい状況にありますが、困難な課題であるからこそ、前提条件を付することなく率直に話し合うべきです。戦略的互恵関係の原点に立ち戻り、大局的な見地から、関係の発展に互いに努力することが重要であります。私の対話のドアは常にオープンであり、中国にも同様の対応を望んでいるところでございます。
 防衛装備移転三原則の基本理念に関するお尋ねがありました。
 従来の武器輸出三原則等は、国連憲章を遵守するとの平和国家としての基本理念に基づくものであります。新たな原則にも明記しているとおり、我が国として、国連憲章を遵守するとの平和国家としての基本理念と、これまでの平和国家としての歩みを引き続き堅持することには変わりはありません。
 防衛装備移転三原則の下で移転が禁止される国等に関するお尋ねがありました。
 移転を禁止する場合を明確化している第一原則の下、現時点で移転が禁止される国や地域としては、国連安保理決議で武器等の移転が禁止されている北朝鮮、イラン、イラク、ソマリア、リベリア、コンゴ民主共和国、スーダン、コートジボワール、レバノン、エリトリア、リビア及び中央アフリカが挙げられます。
 御指摘の国際紛争のおそれのある国については、最終的に国際紛争に至るまでの経緯は千差万別であり、おそれについての明確な判断や定義は困難であることから、移転を禁止する場合の明確化を掲げる第一原則に明記はしておりません。
 ただし、第一原則で移転が禁止される場合に当たらないことをもって直ちに移転が可能となるわけではなく、第二原則の下、移転を認め得る場合には、平和貢献・国際協力の積極的な推進又は我が国の安全保障の観点から積極的意義のある場合等に限定されます。また、移転を認め得る場合であっても、移転先の適切性や安全保障上の懸念の程度を厳格に審査し、さらに、第三原則の下、目的外使用や第三国移転についても適正な管理を確保していくこととなります。
 特定の国等への移転については、このような三原則の下で個別具体的に判断することとなりますが、我が国として、国連憲章を遵守するとの平和国家としての基本理念と、これまでの平和国家としての歩みを引き続き堅持することに変わりはなく、これまで同様、厳正かつ慎重に対処する方針です。
 防衛装備移転三原則策定の意図や日本が果たしてきた役割等への影響についてお尋ねがありました。
 新たな防衛装備移転三原則は、国連憲章を遵守するとの平和国家としての基本理念と、これまでの平和国家としての歩みを引き続き堅持し、また、武器輸出三原則等がこれまで果たしてきた役割に十分配意した上で、防衛装備の海外移転に係る具体的基準や手続、歯止めを今まで以上に明確化し、内外に透明性を持った形で明らかにしたものです。
 したがって、積極的に武器輸出する方針に転換したというものではなく、これまで同様、厳正かつ慎重に対処する方針です。このため、武器輸出で成長する国を目指すといった御指摘は全く当たりません。
 また、我が国は、国際平和協力や小型武器を含む軍縮・不拡散の分野において、これまで同様、主導的な役割を果たしてまいります。(拍手)

発言情報

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発言者: 安倍晋三

speaker_id: 26067

日付: 2014-04-04

院: 参議院

会議名: 本会議