市田忠義の発言 (本会議)
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○市田忠義君 私は、日本共産党を代表して、石原伸晃環境大臣の問責決議案に賛成する討論を行います。
中間貯蔵施設の建設をめぐっての石原環境大臣の最後は金目でしょという発言は、大臣が環境委員会で釈明した、被災者の皆様の心に寄り添ってどころか、全く正反対の被害者の気持ちを踏みにじる重大発言と言わなければなりません。
この大臣発言に対して、佐藤福島県知事は、避難している住民や県民がこの三年四か月の間どれほど苦しんできたかを本当に理解しているのか、住民のふるさとへの気持ちを全く顧みない発言だと述べています。建設候補地とされ、帰還困難区域が九六%を占める双葉町の伊澤町長も、本当に困る発言だ、補償や賠償など金が目当てだと誤解を招く、大熊町の渡辺町長も、とても受け入れられない問題発言だと怒りをあらわにしているのは当然のことであります。双葉町は昨年十一月、国に対して、原子力発電所事故からの復興という、前例のない取組の中で、多くの課題を抱え、困難な状況にありますと、厳しい現状を痛切に訴えていたのであります。さらに、福島県議会は、自民党を含む全会派の一致した意思として平出議長名で、住民の尊厳を踏みにじるものであり、到底容認できるものではない、大臣自らが真摯で誠意のある対応を住民に示すよう求めると、抗議文を石原大臣宛てに送っています。
石原大臣は、誤解を与えたことをわびると言いました。これは、自分の発言は正しいが、誤解をした者が悪いと言っているのと同じであります。しかし、皆さん、国民は誰も誤解はしていません。多くの国民は、大臣の発言が、原発事故に何の責任も痛みも感じない暴言であり、本音を述べたものだと正しく受け取っています。石原大臣の暴言に対して、十三万人を超える避難者を始め多くの国民が怒りの声を上げていることに、石原大臣自身はもちろんのこと、安倍政権全体が真摯に受け止めるべきだということをまず厳しく指摘しておきたいと思います。
問責決議案に賛成する第一の理由は、石原大臣の最後は金目でしょという発言が、福島第一原発事故を引き起こして住民や県民に苦しい避難生活を強いてきた国の反省と責任が全く感じられない重大な発言であり、単に誤解を招いたとして陳謝、撤回すれば済むというものではない、まさに環境大臣としての資格そのものが厳しく問われているからであります。
福島第一原発事故に何の責任もない福島県の住民が、苦しい避難生活を強いられ、その上に中間貯蔵施設建設の候補地にされています。石原大臣の発言は、このようにふるさとを追い出された住民、帰還したくても帰還できない住民の思いを逆なでするものであります。避難住民が用地の補償、生活再建、地域振興の具体的な金額や施策を求めるのは当然ではありませんか。それを金目当てだと言い張る発言は、大臣としてはもちろん、政治家としての資質も疑われるものであり、即刻辞任すべきであります。
第二の理由は、大臣は釈明の中で、被災者の皆さんの心に寄り添って丁寧に説明し、対応していく心構えや行動に何の変更もないと述べておられます。しかし、実際は、町や住民が中間貯蔵施設建設に同意しなければ具体的な金額や施策を明らかにしないという姿勢であり、到底被災者の心に寄り添って対応しているとは言えないからであります。
大臣も副大臣も政務官も、中間貯蔵施設の説明会には一度も出席はしていません。そればかりか、環境省は、住民説明会の中で、用地の補償、生活再建、地域振興の具体的な金額や施策についても住民には一切示してはいません。十四日の説明会終了後、伊澤双葉町長は、言葉は丁寧だが、町民が聞きたいことに対する答えになっていない、今後、国に具体的な回答を求めていくと述べ、渡辺大熊町長も、持ち帰ります、検討しますという回答が多く、こんな不誠実な対応ではかえって町民の間に不信感が募ると批判しておられます。
第三の理由は、石原大臣のこうした発言は、最終処分場の確保については国が責任を持って行うといいながら、最終処分先も決めないまま、住民の全てが生まれ育ったふるさとを追われたままの双葉町などに、中間貯蔵施設先にありきで押し付けようとする国の姿勢を露骨に示したものであり、到底容認できないからであります。
必死に帰還と町の復興に力を尽くしているところに、中間貯蔵施設の建設計画が持ち上がりました。町長や住民は、ふるさとの土地が取られてしまう、帰還したくとも帰還できなくなる、中間貯蔵施設によって町全体が分断され、復興、再興ができなくなってしまうなどの不安を訴えています。
ところが、国は、最終処分先も決めないまま、来年一月の搬入開始というスケジュールに合わせて二つの候補地に中間貯蔵施設の建設を無理やり押し付けようとしています。また、環境省は、中間貯蔵開始後三十年以内に福島県外で最終処分を完了する旨を日本環境安全事業株式会社法に規定したいとしています。しかし、これによって三十年以内が担保されているわけでは決してありません。PCB対策が専門で放射性物質対策のノウハウが全くない同会社では、何らの保障措置にならないことは明らかであります。
最終処分先を決めてから中間貯蔵施設の建設を提案するのが国の責任であります。中間貯蔵施設ありきの強行的な国の姿勢が、最後は金で解決すればいいという大臣の高慢な発言となって象徴的に現れているのであります。絶対に許されるものではありません。
第四の理由は、石原大臣発言が、福島第一原発事故の原因もいまだに明らかではなく、収束どころか、日々被害が広がっているにもかかわらず、原発を重要なベースロード電源と位置付けたエネルギー基本計画を閣議決定し、あくまでも再稼働させようとする安倍政権の姿勢と軌を一にしたものだからであります。
さきの原子力規制委員会委員の任命においても、安倍政権は、原発の再稼働を早める体制づくりのため、欠格要件に抵触する団体から資金提供を受けていた人物や、地震、断層が専門とは言えない人物を登用するなど、独立、中立、公正であるべき原子力規制機関の存在をゆがめる人事を強行いたしました。こうした安倍政権の再稼働ありきの態度が、石原大臣の中間貯蔵施設を金の力で強引に決着させようとする姿勢と結び付いているのであります。
以上述べたように、大臣としての資格に欠けるこの間の数々の言動は、石原大臣自身の責任にとどまらず、任命した安倍首相の責任も重大だと言わざるを得ません。
最後に、今年五月、福井地裁は、安倍政権の原発再稼働への暴走に待ったを掛ける画期的、歴史的な判決を下しました。憲法に保障された人格権、すなわち、国民の命と暮らしを守ること以上に大切なことはないという立場に立って、関西電力大飯原発三、四号機の運転差止めを命じるとともに、国民の命や安全よりもコストを優先する考え方をきっぱり退けた判決でした。これは国民の世論と運動が生み出した判決であり、安倍政権は、全国全ての原発の再稼働を断念し、即時原発ゼロの政治決断をすべきであります。
日本共産党は、安倍政権がこの判決の内容を重く受け止めるとともに、大臣としての資格に全く欠ける石原環境大臣の辞任を強く求めて、賛成討論を終わります。(拍手)