小川敏夫の発言 (本会議)

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○小川敏夫君 私は、ただいま議題となりました会社法の一部を改正する法律案等に対して、反対の立場で討論いたします。
 本法案は、社外取締役の導入の促進等、多岐にわたる改正事項に及ぶものであります。
 次に述べる特別支配株主による株式等売渡し請求制度の創設を除いては賛成し得るものと考えておりますが、同売渡し請求については、当院における審議におきまして許容し難い欠陥があることが明らかとなりましたので、結論として本法案に反対するものであります。
 同法案の問題点について述べる前に指摘しなければならないことは、質疑に先立って法務省が行った我が党ら議員に対する法案説明において、同売渡し請求制度の新設を除外した法案説明資料を作成して配付した上、同売渡し請求制度の新設について何も説明しなかったことであります。
 このような不当な説明によって、同売渡し請求制度に関する質疑が行われず、あるいは充実した質疑が行えないおそれを生じさせたものであります。これは国会を軽視するも甚だしい行為であると言わざるを得ません。法務省に対して、その経過を調査して責任の所在を明確にし、かかる行為が二度と行われることのないよう猛省することを求めるものであります。
 同売渡し請求制度は、売渡し株主の財産権である株式をその意に反して奪うものでありますから、その制度の導入に当たっては、合目的性と売渡し株主に対する正当な対価が確実に支払われる仕組みを備えなければならないことは当然至極であります。
 しかし、合目的性について、法務省は、企業の長期的経営戦略を容易にするなどといった抽象的な説明をするのみであって、人の財産権を強制的に取得することを正当化する合目的性としては甚だ脆弱であって、具体性に欠けた説明しかしておりません。
 また、そもそも、法文上は、いかなる目的であっても、あるいは何らの理由を持たずとも、特別支配株主に該当しさえすれば少数株主に対して売渡し請求を行うことができるものとなっております。これでは、人の財産権をその意に反して奪うことを正当化できる根拠に欠けていると言わざるを得ず、憲法で保障する財産権の侵害に当たることさえ考えられるものであります。
 また、売渡し株主が受けるべき対価について、正当な対価が確実に支払われることが絶対に必要でありますが、本法案では、代金の支払が未了のまま売渡し株主の株式が強制的に特別支配株主に移転することとなっており、売渡し株主の同時履行の抗弁権が奪われています。そして、その後の履行を確保する十分な手だてが講じられていません。
 本法案では、売渡し株主に、手続が違法である場合や、売渡価格に異議がある場合などに裁判手続を申し立てられるとの制度が設けられております。しかし、そうした手続が裁判所に申し立てられても、代金が支払未了のまま特別支配株主に移転してしまうことに変わりはなく、これでは、売渡し株主が株式を取られた後に、裁判の結果が出るまでの間に株式を取得した特別支配株主が破綻してしまえば、売渡し代金の支払は確保されません。さらには、特別支配株主が悪意を有して、内心、逃亡、隠匿などを予定して行う場合などには、売渡し株主の被害を防止することは困難であります。
 売渡し請求手続は、企業やその支配株主の利益や便宜を優先して特別支配株主に少数株主の株式を強制的に取得することを認めた制度でありながら、株式を取られる売渡し株主が代金の支払を受けられないリスクを一方的に負わせられ、これを防止する事務は売渡し株主の負担とされ、なおかつ十分な防止効果を期待できないというのが本法案における制度の仕組みであり、著しく公平、妥当性を欠いたものであります。この売渡し請求制度が実施された後、株式を取られながら代金を受け取れない被害者が間違いなく現れるでしょう。
 よって、このような欠陥条項を含んだ本法案に対しては反対せざるを得ないのでありますから、反対いたします。
 以上で討論を終わります。(拍手)

発言情報

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発言者: 小川敏夫

speaker_id: 21676

日付: 2014-06-20

院: 参議院

会議名: 本会議