玉木雄一郎の発言 (外務委員会)

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○玉木委員 直接の担当ではないので、仄聞でお答えしにくいんだと思いますけれども。ただ、試算は、私は出すことはいいと思いますので、それを早く出していただきたいなと思っております。
 その意味で、日豪EPAについて話を戻しますけれども、午前中の審議の中でも、日豪に限らずEPAについて試算したことはない、これからも出す予定はないということなんですが、私は、これはやはり出すべきだと思いますよ。
 というのは、今お手元に資料を配っていますけれども、今からさかのぼること十年前でありますけれども、日豪貿易経済枠組みに基づく共同研究ということが行われております。ここに書きましたけれども、二〇〇三年七月、当時の小泉総理とハワード首相との間で署名された日豪貿易経済枠組みに基づき両国で共同研究をするということで実施をしております。
 この実施した中身なんですけれども、私が先ほど申し上げたような、いわゆるGTAPモデルを回しておりまして、主な試算の内容は下に書いています。全体として両国のGDPと二国間貿易は増加をする。ここに書いていますが、特に増加率はオーストラリアの方が大きいとなっているんですね。二〇二〇年、オリンピックの開催される年の試算として出ていますけれども、オーストラリアで〇・六六から一・七九、中央値でいうと一・二二五です、ふえる。それに対して、日本が〇・〇三から〇・一三、中央値でいうと〇・〇八、一%に満たない数字がふえるということであります。
 これは、試算するときによくあるんですけれども、全ての関税が一気になくなった場合の仮定、かなり大胆な仮定を置いてやるとこうなるということなんですが、ただ、そういう前提でもきちんと、これは右にちょっと英語の簡単な省略版を書いていますけれども、セクトリアル・インパクツ・イン・ジャパンと書いていますから、セクター別のインパクトは一応出しているんです。これを二〇〇五年に出した上で、二〇〇六年の衆参の農林水産委員会の決議につながっていくんです。
 次のページを見てください。
 こういうことがあるので、これは今の西川大臣が委員長だったときの決議でありますけれども、一番上の段の後半に、小さい字なんですが、こういうふうに書いています。「一方、」以下です。「日豪間の」とありまして三行目、「日豪間のEPAによって、国内の農林水産業を中心に大きな悪影響が及び、我が国農林水産業・農山漁村の有する多面的機能が損なわれるおそれがあるとともに、現在進めている我が国農林水産業の構造改革の取組に支障が生じるとの強い懸念がある。」ということですね。
 こういうことを、ある種、試算に基づいて決議に至っているわけでありますけれども、なぜかというと、資料一に戻っていただきたいんですが、この計算をすると、日豪の多くの産業分野で輸出、生産、雇用が増加するものの、日本の農業分野では生産が大幅に減少、もっと大事なのは、農業及び食料分野で雇用が大幅に減少するというふうになっております。
 ちなみに、一〇〇%関税を撤廃した場合には、労働市場への影響として、グレーンズということですから、穀物系は三〇%、実は雇用が悪化するという試算。デアリープロダクツですから、乳製品については一四・九%雇用が悪化するということが試算で出ているわけですね。こういうことがあるので、今で言う重要五項目についての決議が決まったわけです。
 それで、問題です。こういう試算を十年前に出してあるわけでありますけれども、今いよいよこの条約の批准、これは我々の国民生活に大きな影響を与えます。プラスもあればマイナスもある。
 それを立法府にいる人間として、私も今の時点で、本当にイエスと言っていいのかどうか、いまだにわかりません、正直言うと。この中に座っておられる方で、確信を持ってこれがいいのか。自由貿易が一般にいいということは誰でもわかります。でも、この内容が本当に我が国にとってプラスのインパクト、あるいは国益にとって少なくともプラスになるのかという確証を持って、この条約に対してイエスと言えるかどうか。このことが、一人一人の、これは与野党を問いません、国会議員に問われていると思っています。
 その意味では、私は情報が欲しい。その意味で、二〇〇五年に行ったものと同じような試算をやはり出すべきだと思います。幾つかの関税の引き下げについての率やペース、例えば米については除外にすることが決まっていますから、それは心配ないというようなことを全て入れた上で、やはり試算を出すべきだ、少なくとも二〇〇五年に行ったようなモデルを使って出すべきだと考えますけれども、いかがでしょうか。

発言情報

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発言者: 玉木雄一郎

speaker_id: 29596

日付: 2014-10-29

院: 衆議院

会議名: 外務委員会