丸山和也の発言 (憲法審査会)
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○丸山和也君 自由民主党の丸山和也です。
これまで、当憲法審査会において、現行憲法について各党の委員の方から意見表明、真摯な議論がなされてきたことは大変有意義なことであったと敬意を表しております。
現行憲法には、尊重、承継しなければならない基本的人権の尊重、平和主義、国民主権などの基本原理があります。同時に、日本国憲法制定の経緯、その後の時代の変遷とともに生じる現実との乖離から解釈では乗り切れない限界など、様々な現行憲法の矛盾が指摘されております。
そのために、我が自民党は、平成二十四年に日本国憲法改正草案を策定、提案しております。また、本年六月十三日には参議院本会議において憲法改正国民投票法改正案が成立し、六月二十日に公布、施行されました。憲法改正実施のための手続法が整備されたことになります。現在、憲法改正国民投票法改正案を提出した政党間で公職選挙法の選挙権年齢を十八歳に引き下げる議論がなされていると承知しておりますが、今後、できるだけ速やかに憲法改正の議論も行うべきと考えております。
以下、自民党の日本国憲法改正草案の主要なポイント及び今後の憲法議論の方向性について述べさせていただきたいと思います。
まず、前文であります。
現行憲法前文については、全体がかなり翻訳調であり、その原案がアメリカの憲法やマッカーサー・ノートなど、占領時代に西洋の思想哲学的文章から取り入れられたと見られる文章がたくさん並んでおります。自国の安全保障については、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。」と記載されております。これはまさに、ある意味ではユートピア的思想、ある意味では他力本願的発想による自衛権の放棄にほかなりません。現行憲法の前文を全面的に書き換え、国民主権、基本的人権の尊重、平和主義の三原則を継承しつつも、日本国の歴史や文化、国や郷土を自ら守るという気概を示した分かりやすいものに述べなければならないと考えております。
具体的に幾つかの点を指摘します。
第一章、天皇でありますけれども、第一条の天皇については、現行憲法では象徴と定義されておりますけれども、我が国の天皇制は既に国民から強く支持されておりますが、国際的に見ますと、やはり象徴というのは非常に分かりにくく、天皇が元首であるということを明記する必要があると考えております。
次に、安全保障であります。第九条については、現行憲法には、先ほど言いましたように、独立国としての自衛権の記述がなく、自衛隊の位置付けも規定されておりません。草案では、平和主義を継承するとともに、自衛権を明記し、国防軍の保持を規定いたしました。
第三章、国民の権利、義務。自民党改正案では、自由及び権利には責任及び義務が伴うことを自覚し、常に公益及び公の秩序に反してはならないと規定しました。これは、やや現行憲法が権利に偏重しているという意見からこのようになったものでありますけれども、私の個人的意見はやや違いまして、必ずしも権利に偏重しているとは個人的には思っておりません。むしろ、日本は個人が強い権利を主張することによって強い個人が成立し、強い国家が成立していくという考え方を持っておりますけれども、自民党の多数意見ではこういうことになりました。
また、家族の尊重、家族は互いに助け合うべきことを規定しましたが、さらに環境の保全の責務、犯罪被害者等への配慮など、新しい人権規定を設けました。
さらに、国会の章では、選挙に関する条項に、選挙区は、人口を基本とし、行政区画、地勢等を総合的に勘案して定めなければならないと明記しました。
第五章、内閣の章では、内閣総理大臣の専権事項として、衆議院の解散決定権、各行政部の指揮監督権、国防軍の最高指揮権を明記しております。
それから、時間の関係でややはしょりますが、司法の章、裁判官の報酬の減額を規定しました。
地方自治の章では、地方自治の本旨を明らかにするとともに、国及び地方自治体の協力関係の規定などを明示しております。また、外国人に地方参政権を認めないということを明記することにしました。
特に、次に第九章、緊急事態、これは重要でありまして、現行憲法にはない章として新たに緊急事態の章を設け、外部からの武力攻撃、地震等による大規模な自然災害等の法律で定める緊急事態において、内閣総理大臣に一時的に緊急事態に対処する権限を付与する規定を盛り込みました。
十章、改正、これも重要であります。憲法改正手続について、現行の衆参それぞれの三分の二以上の発議要件は余りにも厳格で、国民の憲法改正への意思を表明する機会を狭める結果となっているので過半数ということに緩和いたしました。
最高法規の章では、国民の憲法尊重義務を規定しています。
以上がそれぞれの項目の説明でありますが、今後の方向性については、憲法全体について見直しを行った上で、発議要件が各議院の三分の二以上であることや、国会法で憲法改正の発議は項目ごとに個別に行うと定められていることから、各党間でおおむね了解を得られた事項から個別テーマごとに国民投票にかけていくことになると考えております。
現在、公職選挙法の選挙権年齢を十八歳に引き下げる議論がなされていますが、早急に結論を出すとともに、速やかに憲法改正原案の議論に入るべきだと考えます。憲法改正を国民の意思でできることを国民に実感してもらうためにも、各党で憲法改正への一致点を見出し、憲法改正原案を作成しなければならないと考えます。
まず、そのための第一歩として、国会あるいは各党でどのようなテーマで集中的に議論すべきか、その絞り込みを行うことから始めるべきだと考えております。国会が憲法改正案を提示し、しっかり国民に説明し、改正の手続を踏んでその承認を得ることがまさに国民主権の精神を具体的に体現するものであると考えられます。
憲法は国民の手で今の日本にふさわしい内容としなければなりませんので、自民党はこれからも堂々と憲法改正を実現していくために、国民各層の理解を得ながらも、全力で取り組む覚悟でございます。
以上であります。ありがとうございました。