塩崎恭久の発言 (予算委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○国務大臣(塩崎恭久君) 藤川先生、ありがとうございます。
 若干長めになりますことをお許しをいただきたいと思います。
 今先生御指摘のとおり、年金積立金の管理運用というのは、年金を本当に約束どおり受け取れるかどうかという大変大切な問題でございます。我が国の公的年金制度の下では、いわゆる給付と負担の関係につきまして五年に一度財政検証というのを行うこととなっておりまして、本年六月に最新の検証結果が出ました。年金積立金の運用目標については、長期的に見て賃金上昇率プラス一・七%という利回りが示されたところでございまして、国民の皆様方にお約束した年金の受取に向けて長期的にこの目標を確保することが大変大事だということでございます。
 その大前提といたしまして、今アベノミクスによってデフレから脱却しつつあって、物価や名目賃金が高まる局面にございます。原則として、年金給付は物価とか賃金に連動することから、従来の債券中心の運用でありますと必要な積立金額を確保することが難しくなるため、新しい運用方法を打ち立てなければならないということになります。
 その際、国債は安全で株は危ないという見方は確かにありますけれども、実は国債を含めてどんな資産もリスクというのがあります。特に、経済がデフレから脱却をして緩やかなインフレ状態になる場合は金利の上昇というのが想定されて、仮にGPIFの運用資産約百三十兆円を全額国内債券で運用したとすると、一%の金利上昇で実は約十兆円の評価損が発生するということになります。したがって、どうやってリスクを最小化するかというのが最も大事になります。
 藤川先生のパネル、今掲げていただいておりますけれども、左下に分散投資でリスクを最小化というふうに書いてございますけれども、分散投資とは、収益率が違う動きをする資産を組み合わせて運用をすることで、一つの資産で損をしても他の資産で補うことができるということであります。したがって、長期的に見たときに、一つの資産中心で運用するよりも、つまり国債中心でいくというよりも、波を打ち消し合って、リスクを相殺をして、年々の収益のぶれが少なくなるように、つまり分散投資を行うことでリスクがより少ない運用が可能となるということでございます。
 藤川先生のパネルにありますとおり、海外の事例を見てみますと、カナダ、スウェーデンなどでは債券の比率は大体二、三割となっておりまして、まさに分散投資でリスク管理を行うことが運用のグローバルスタンダードでございます。
 先生御配付の資料、分厚い方の資料には最後に新聞報道が付いておりまして、アメリカの大統領経済諮問委員会の委員長を務められたフェルドシュタイン教授もそうした分散投資を進めることについて、日本がですね、御評価をいただいております。
 なお、そこで触れられておりますけれども、米国の年金資産は一〇〇%国債で運用しているという誤解がありまして、これはしかし交付国債のような形で保有をしているもので、フェルドシュタイン教授はこう言っております。米国の社会保障基金は、つまり年金であります、区分勘定のようなものであって、実際に資産の運用に携わっているGPIFとは性格が異なる。つまり、市場運用しているGPIFとアメリカの場合の交付国債的に国債を持っているのとは意味が違うということをおっしゃっているわけであります。
 るる申し上げましたけれども、厚生年金保険法によって、年金資金運用は専ら被保険者の利益のために安全かつ効率的に行うことになっております。国民の皆様にお約束をした年金を確保するという厚生労働大臣に与えられた私の責任を果たすために、アベノミクスの新しい経済の下で、分散投資によってリスクを最小化しながら必要利回りを確保するという考え方の下で、GPIFの専門家に議論を行っていただいて決定をしたというものでございまして、国民の皆様方の御理解を賜りたいというふうに思います。

発言情報

speech_id: 118715261X00320141104_025

発言者: 塩崎恭久

speaker_id: 34685

日付: 2014-11-04

院: 参議院

会議名: 予算委員会