細谷雄一の発言 (安全保障委員会)
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○細谷参考人 中谷先生、貴重な御意見、ありがとうございました。
今先生がおっしゃったことに私は全面的に賛成をしております。
また、これは、今、日本の国際政治学者の間で、あるいは国際的に見てもかなり一般的に認識されていることでございまして、非常に若手の優秀な国際政治学者、研究者の方で三浦瑠麗さんという方が「シビリアンの戦争」という本を書いております。
この本の中で三浦さんがおっしゃっているのは、軍人が危険であって戦争を引っ張り、そしてシビリアンがそれをとめるという認識は間違いである、過去の事例を引いたときに、多くの場合に、実際に命をかけて戦場に行く軍人こそが戦争に対しては非常に慎重であって、現場を知らない、戦場を知らないシビリアンが、むしろ逆に戦争に進んでいった。三浦さんは、この本の中で、例えばイラク戦争についても述べておりまして、イラク戦争では、文官、この場合は文民と言った方がいいかもしれませんが、むしろ、例えばブッシュ政権の中で、実際に軍人ではない人、これは閣僚クラスであるとか、あるいはアメリカの国防省の中でもそうですけれども、むしろその中にイラク戦争に積極的な意見が強く、当時の中ではアメリカの軍の中でイラク戦争に対しては非常に慎重な声が強かったということは今既に明らかとなっています。
したがって、過去の事例を考えたときに、今先生がおっしゃられたように、文官が常に戦争に対して否定的で慎重であって、そして軍人が常に戦争をしたがるというのは、実際に戦場に行き、命をかけて戦うのが軍人である以上は、考え方を変えれば、軍人こそが現場の危険性、過酷さというものをよく知り、そして安易な軍事介入や軍事力の行使というものに対して慎重であるということが一般的に言われることだと思いますし、また同様に、過去の歴史を振り返っても、日本の中で自衛官の方が好んで戦争をしたがるというようなことは私の認識では一切ございません。
やはり自衛官の方々は、自衛隊が何ができるかということを良識を持って判断し、また、実際に自衛隊ができないこと、あるいは過酷な現場で戦闘に巻き込まれる可能性があるということに対しては極めて慎重であって、これは、言い方をかえれば、戦後の防衛大学校を初めとする日本の中での自衛隊に対する教育というものが非常にバランスがとれた良質なものであったのだろうと思います。それによって、戦前の日本と比べても、今の自衛隊あるいは自衛官の方々が、実際に戦争に行くということの危険性を熟知した上で、自衛隊の行動、運用というものを極めて慎重に考えているというふうに私も考えておりますし、その点では、今先生がおっしゃられたことに私は賛成しております。