2015-05-28
衆議院
長島昭久
我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会
長島昭久の発言 (我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会)
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○長島(昭)委員 私は、率直に言って、総理、ちょっと手を広げ過ぎたんじゃないかと思うんですよ。
私、湾岸戦争以来ずっと、外務省の皆さん、防衛省の皆さん、頑張ってこられた経緯を多少存じ上げておりますから、気持ちはわかるんですけれども、湾岸戦争以来の宿題を安倍さんの支持が高いうちに一気にやってしまおう、そういうところがちょっと見受けられる。もう少し、本来喫緊に取り組むべき課題にフォーカスした総理の説明、あるいは法案の出し方をしないと、こんなにごった煮の、ごっちゃごちゃの法案を出されても、我々もなかなか議論しにくいし、国民の皆さんの理解は深まらないと思うんですね。
ちょっと、一つパネルを出していただきたい。
総理は繰り返しおっしゃっています、安全保障環境が変化した。大きく四つおっしゃっています。
一つは、東アジアにおけるパワーバランスが崩れている、崩れかけている、これに対して対応しなきゃいけない。もう一つは、北朝鮮のミサイル、何百発もある、日本に向けられている、核の開発も進んでいる。そして三番目は、最近、南シナ海で、世界的に懸念が広がっている中国による海洋進出。そして四番目に、テロ、国境を越えるテロやサイバーや宇宙空間の脅威。
こういう四つを総理はおっしゃっているんですけれども、二つに分けることができるんですね。
最初の三つ、最初の三つは、まさに総理がおっしゃっているように、日本とアメリカが共同の抑止力、拡大抑止力と言ってもいいかもしれません、日本は日本の国だけを守っているだけではもうだめなんですね、シーレーンも安全を確保していかなきゃいけない、周辺の事態にもきちっと適応できるようにしておかなきゃいけない、地域の安定をアメリカと一緒に高めていかなきゃいけない、こういうことを通じて、恐らく、一、二、三番目の変化には対応できると思うんです。
では、テロや宇宙やサイバーはどうか。
今回の法案で出されているのは、どこでも地球上で脅威が起こるから、後方支援がやりやすいようにしよう。でも、それは処方箋じゃないですよね。テロに対する抑止力にならないですよね。テロは別のやり方で封じ込めなきゃならない、そういう問題ですね。
ですから、これを、日本を中心とする、今皆さんがごらんになっている、世界の中でもホットスポットが集中しているエリアなんですよ、このアジア太平洋地域というのは。この地域における日本の貢献、存在感、こういうものをサポートするような法案なら、恐らく多くの野党の皆さんもこれは支持できる、そういう内容になると思うんです。それが、いきなりホルムズ海峡の話とか、あるいはイラク戦争がどうだとかアフガン戦争がどうだとか、こういう話になると、そこから先は国民はなかなかついていけなくなるんです。
もちろん、一国平和主義でいいとは思いません。それをやらなくて済むと申し上げるつもりはありません。しかし、ここはやはり、我が国の平和と安全に直結するのかしないのか、こういうところからもう少し法案をフォーカスしていく私は必要があろうかと思います。
そういう意味では、もう一回法案をつくり直した方が私はいいというふうに思うんですが、これは一回出されてしまいましたから、これを我々は審議するしかない。できる限り修正も求めていきたい、このように思いますので、ぜひ政府の皆さんは、その辺のところは広い視野でしっかり取り組んでいただきたい、このように思うんです。
さてそこで、私たちは、こういう国際情勢、まさにホットスポットが集中する日本の周り、こういう情勢を踏まえて何をすべきか。一つは領域警備ですね。尖閣の問題を初めとして、日本の領域が侵されつつあるわけです。これにどう的確に対応するか。それから、国防ですね。日本の防衛、これも大事。そして、周辺で有事が起こったときにどう適切に対応するか、これも大事。そして、加えて言うならば、地域を安定化させるために日本とアメリカとの間でどういう協力関係を築いていくか、これがガイドラインを改めた、私は大きな目標なんだろうというふうに思っています。
さあ、そういう中で、きょうはメーンで私がお伺いしたいのは領域警備。今まで一度も、この委員会でもその話題は出てきませんでした。自由民主党が平成二十四年の総選挙の際に法制化を国民の皆さんにお約束をした、その法律です。この法制度を今回の十一本出ているこの法案の中に見つけることはできませんでした。私は、非常に残念に考えています。残念に思っています。
我々の民主党の案は、これから、後ほど詳しく説明をさせていただきたいと思いますが、端的に言って、現行法制度では領域警備に対する対応は不十分だ、このように考えています。解散のために廃案になりましたけれども、去年の暮れに、私どもは一度衆議院に法案を提出しておりますが、今国会で、できれば、下地さんを初めとして維新の党の皆さんの御理解をいただいて一緒に共同提案をしていきたい、このように思っております。
昨年の閣議決定、皆さんお手元の二ページ目を見ていただきたいと思いますが、昨年七月の閣議決定、こう書かれています。後半のところ、赤にしました。「治安出動や海上における警備行動を発令するための関連規定の適用関係についてあらかじめ十分に検討し、関係機関において共通の認識を確立しておくとともに、手続を経ている間に、不法行為による被害が拡大することがないよう、状況に応じた早期の下令や手続の迅速化のための方策について具体的に検討することとする。」。新しい法制度をつくろうということは書いてありません。
これは私、この文言、見覚えがあるなと思ったんです、この文言。法制度によらないで運用の改善で何とかしちゃおうという。
もう一枚めくってください。
今から十四年前の十一月の閣議決定です、これは不審船についての閣議決定。一番目、「関係省庁は、日頃より連携を密にし、不審船に係る情報の収集、交換に努める」「不審船事案発生時の迅速な連絡体制及び対応体制を整備する。」二番目、「必要に応じて内閣総理大臣が主宰する関係閣僚会議を開催し、基本的対処方針その他の対処に係る重要事項について協議する。」三番目、「迅速な閣議手続」「電話等により各国務大臣の了解を得て閣議決定を行う。」どこかで聞いたことがある。
今回も、領域警備については、総理、政府は、電話閣議だけですね、決めたことは。あとは、十四年前からずっと言い続けている、この連絡体制の強化、関係省庁の相互連絡を密にする、これだけですよ。これで本当に足りるんでしょうか。
もう一枚めくってください。四ページ目。
これは、武力攻撃事態対処法の中に書かれている。第二十四条、緊急対処事態その他の緊急事態への対処のための措置、ここにも同じようなことが書かれているんです。緊急事態に的確かつ迅速に対処する、そして、次に掲げる措置その他の必要な措置を速やかに講ずる、最後の三番目、警察、海上保安庁と自衛隊の連携の強化。ずっと言ってきているんですよ。だけれども、体制は変わらないんです。
だから、もう一枚めくってください、総理が肝いりでつくった有識者懇談会、安全保障法制に関する懇談会、足かけ六年議論をずっとして、安全保障法制の見直しに関して現状の問題点を全部洗い出したその報告書。
六ページ目を見てください、一番最後の段落。るる説明した上で、「上記の例にもみられるように、武力攻撃に至らない侵害への対応について、現代の国際社会では、その必要性が高まってきており、各種の事態に応じた均衡のとれた実力の行使も含む切れ目のない対応を可能とする法制度について、国際法上許容される範囲で、その中で充実させていく必要がある。」法整備とはっきり言っているんです。「また、法整備にとどまらず、それに基づく自衛隊の運用や訓練も整備していかなければならない。」
総理、なぜ法制度を整備されなかったんでしょうか。