小林節の発言 (我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会)

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○小林参考人 お手元にレジュメがあると思いますが、これに沿ってお話し申し上げます。
 まず、結論を明確に申し上げておきます。この戦争法案は、憲法に違反し、政策としても愚かであり、廃案にすべきであると考えます。
 一、長い議論を見ておりましたが、海外派兵を合憲とする政府側の根拠が大体見えてきたような、ようやく見えてきたような気がいたします。
 これは、国際法上、独立主権国家として自衛権を持っている、それは個別と集団が含まれている、それをどう行使するかの国内法上の制約として、憲法は、砂川判決にもあるように、自国を守るために必要最小限のことはできるとしている。そうすると、必要最小限の判断が国際情勢によるということで、つまるところ、これは程度問題、政府がどう判断するかでできるんだという、ある意味、事実上無限定の判断基準になってきているような気がいたします。そういう、程度、量の問題だけに矮小化されてしまっているような気がいたします。
 ただ、憲法には九条の二項もございまして、七十六条の二項もございまして、我が国は、やはり敗戦の反省と、それから、仮に押しつけられたのであれ何であれ、世界の意向がありまして、軍隊の保持と交戦権の行使が明文で禁じられております。それから七十六条の二項で、軍法会議も持てない。
 自衛隊発足時、警察予備隊という、正直に、名前が警察とありまして、第二警察、通常の警察の実力を超える危険が来たときに押し返す第二警察としてつくられております。ですから、いまだに法体系は警察法の体系で、警察比例の原則という、諸国の軍隊ではあり得ない縛りがかかっております。でありますから、警察を外に出して使おうにも、これは軍隊でないわけですから、反対側から見れば、それは海賊や山賊になってしまいますし、仮に免責したとしても、非常に働きにくい状態になるわけであります。
 もちろん、私はもともと、だからといって、憲法を守って国が滅んでいいとは全く思っておりません。この委員会でありましたと思いますが、かつて長島昭久代議士が質問しておられましたけれども、そんなに急ぐ急ぐとおっしゃるのであるならば憲法改正なしで、憲法破壊というよりも、むしろ簡単な、領域警備法を、これは単に法律でありますから、おつくりになって、海上保安庁と自衛隊の出動のタイムギャップをなくす。これはもちろん運用でも可能なはずでありますけれども。
 それから、武器の使用基準がよく問題になりますが、これは大臣訓令で、まあ通達の類いでありますが、決まっている以上、政権を持っている方たちが心配であればそれを変えればいいわけでありまして、何も憲法に触れるようなことをする理由はないと私は思います。
 その上で、我が国伝統の専守防衛に、ODAとか国連の財政支援とか、PKO、これは警察支援でありますし、それから災害派遣、これは消防支援でありますが、こういうことを重ねていくことが、戦場だったところの後に行った場合、日本の自衛隊は引き金を引かないという信用で、危険を招かないという実績がありますから、今度それを取り払ってしまうと、引き金を引く軍隊としての扱いを受けます。でありますから、我々のこの専守防衛の伝統プラスその他の国際支援を重ねていくことこそが、緊急に大変であるならば、我が国をより安全にする手法であると私は考えます。
 今回提案されておりますように、海外派兵を認めて、集団的自衛権の一部行使と、それから他国軍の後方支援という名の後方からの戦争参加を認めますと、その結果、味方の敵が自動的に敵になりますから、我々が一部イスラムグループの敵になるわけであります。そうすると、ニューヨークやワシントンDCやロンドンやパリやマドリッドで、全部キリスト教国ですけれども、起きたテロと同じものがこの東京で起きることは極めて自然なことになってしまう。大変大きなリスクをしょうことになります。
 それから、御存じのとおり、アメリカは今、年に一、二回、公務員の給与が遅配したりするわけでありますが、何のことはない、アメリカは、第二次大戦後には世界最大の富を積んだ国が、結局、戦争経済垂れ流しで、今、戦費破産状態にあります。それで、私も、アメリカの責任ある方から直接何度も聞かれたことがありますけれども、日本が世界の警察を手伝ってくれると助かる。それは、向こうの事情はそうだと思います。我々は、アメリカに続いて戦費破産の二の舞をこうむることになります。
 したがって、最初に、愚かな政策と申し上げたわけであります。単なる憲法論理でだめだからだめと申し上げているつもりはありません。
 首相の口癖が、過去一年間聞き飽きるほど聞かされましたが、丁寧に説明する。その言葉だけはクリアに入ってくるんですが、その後一度も丁寧に説明された記憶はありません。一生懸命聞いておりますけれども、丁寧に説明された記憶はありません。何か、紋切り型の決まり切ったお返事か、あとはレッテル張りと逆切ればかりであります。
 どうしてそうなるかを考えますと、やはり、この法案自体に無理があるから、私は、説明する当局も御苦労なすっているんだなと思いました。だからこそ、幾ら時間を重ねて同じことをおっしゃっても、主権者国民が理解できた、今、このまま先へ進んでいいという世論調査の結果は、立場の違いのあるメディア全てで同じ結論が出ております。
 それから、最近、首相が、国際情勢に目をつぶって従来の憲法解釈に固執するのは政治家としての責任放棄だと述べたことが報道によって知らされました。もちろん、それは、合憲で妥当な政策があるのにほっておけば、それは無責任です。だけれども、それを見えない、聞こえないようにして、野党はそれを指摘しているわけですけれども、やみくもに憲法を踏み越えて、違憲な、そして計算の合わない海外派兵に突き進む姿勢、これは、首相がよく国際社会でおっしゃる、法治主義とか法の支配に反した人治主義、これは中世の話でありますけれども、あるいは独裁政治、英語にするとアベノティラニーになるわけですけれども、アベノティラニーに向かう宣言をしているに等しいと思います。
 短いですけれども、以上でございます。(拍手)

発言情報

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発言者: 小林節

speaker_id: 20442

日付: 2015-06-22

院: 衆議院

会議名: 我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会