長島昭久の発言 (我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○長島(昭)委員 私は、国民は二つの不安を抱えているというふうに思っているんですね。
 一つは、今、総理は、幅広い内容だ、複雑な内容だ、こうおっしゃいましたけれども、私たちから見ても、非常に手を広げ過ぎている。思い切り手を広げて、あれもやれる、これもやれるようにしよう、そういうところがありますので、国民の皆さんの中には、これは憲法上大丈夫なのかということから始まって、歯どめはきいているのか、あるいは、自分たちが意図していない戦乱に巻き込まれていく可能性があるんじゃないか、こういうやはり不安を抱えておられるんですね。
 私も以前、この委員会でお話をさせていただいたことがありましたけれども、私も毎週末、国政報告タウンミーティングをやって、いろいろな方のお話を伺って、なるほどな、こういうところに皆さんひっかかっておられるんだなということを感じたので、きょうは総理とぜひ共有させていただきたいと思っているんです。
 やはり七十年前の記憶というのは国民の皆さんの間に非常に深いものがあると思います。それはどういう記憶かというと、政府から正確な情報を知らされずに、とんでもないところに連れていかれてしまったという、国民の皆さんからするとですよ、そういうやはりトラウマのようなものがあるんですね、現にある。
 結果としては、三百十万人の同胞の命が失われてしまったわけです。二千万人以上のアジアの人々に損害を与えたわけです。国土は荒廃し、そして経済も完全に崩壊をしてしまったわけですね。
 そして、外地で亡くなられた方、これは戦闘で亡くなられた方ももちろん多いわけでありますが、その六割、七割近く、百四十万人の方が餓死で亡くなっているんですね。つまりは、補給や兵たんをほとんど考えずに、手を広げるだけ広げた結果がこの悲惨な敗戦だったわけです。そして、最終盤には四千人以上の若い命が特攻によって失われていった。
 これは深い傷となって、国民の皆さん、私たちは別に体験していませんけれども、私たちの祖父、祖母、あるいは親の世代からこういうことを語り継がれていますので、私は、やはり国民の皆さんの間に、安保法制ということになるとこういうふうに心理的に構えてしまうところがある、何とも言えない、不安を払拭できない、そういう思いがあるんですね。戦前と戦後は政治体制が違うといっても、これはなかなか国民の皆さんの深層心理には届かない、このように思っているんです。
 そこで、私たち民主党は、既に四月の二十八日、連休に入る前に、党内かんかんがくがくの議論をした末に、これは、日本を中心に、武力攻撃予測事態、周辺事態、そこから先のケース、こういうふうに広がっていくわけですけれども、私たちは、近くは現実的に対応しよう、先ほど長妻委員からも紹介がありましたけれども、我が国の領域についての警備はしっかりやろう、そして周辺における有事に対してはしっかり対応していこう、そのかわり、人道的な問題についてもこれも積極的にやっていこう。ただ、世界じゅうどこでも何でもできるような、そういうニュアンスのある今回の政府案に対して……(発言する者あり)そういう部分については抑制的に取り組んでいこうではないか、こういう姿勢を鮮明にしたわけです。
 そんなことないよと今やじがありましたけれども、後方支援も世界じゅうでできる、集団的自衛権の行使についてもホルムズ海峡まで総理は挙げて説明をされている、地理的限界はありませんね。そして、平時の武器等防護、これも世界じゅうの国と世界じゅうの地域でやれる。こうやって一つ一つ点検していくと、やはり国民の皆さんから見ると、ちょっと手を広げ過ぎているのではないか、こういう思いが強いんだろうと思うんです。
 したがって、こういう根強い敗戦のトラウマというものを乗り越えるためには、私は、総理が胸襟を開いて、急がないで、慎重な審議、そして丁寧な説明を繰り返していただくことによって、ましていわんや足元からいろいろな不規則発言や不協和音が出ないようにしっかり配慮していただきながら、国民の皆さんに理解をしていただけるような環境をぜひつくっていただきたい、こういうふうに思います。これが不安の第一点です。
 事は単純ではありません。国民の皆さんが抱いている不安はこれだけではないんですね。もう一つ私は不安があると思っています。
 それは何かというと、北朝鮮の核・ミサイルの脅威、あるいは中国の軍備増強、海洋進出、こういった、言ってみれば物騒な動きが我が国を取り巻く環境の中で起こっている。これに対して何もしないわけにはいかないというのも、国民の皆さん、よく感じておられるんです。
 だから、私たちは、この法案にただやみくもに反対するだけではだめだ、私たち自身が、この変化する安全保障環境の中でどうあるべきなのかということを、政府に入っている入っていないにかかわらず与野党でしっかり考えていく、そういう議論をきちんと展開していく必要があるんだろうというふうに思っています。
 したがいまして、この二つの不安にバランスよく応えるようなそういう解をこの審議を通じて生み出していく必要があるんだろう、私はこのように思っているんです。
 そのためには、総理、やはり時間が必要なんです。何十時間か来たからぱあんと審議を打ち切って、そして、はい、参議院に送る、こういうことがないように、総理、ぜひお願いをしたいというふうに思っています。
 総理、改めてお伺いしたいと思いますが、まだ審議が尽くされていない、国民の皆さんの理解も納得もなかなか得られない、そういう中でこの衆議院の審議を打ち切って、そして採決をして参議院に送るなどということのないように、ぜひこの場で国民の皆さんに向かって総理の御決意を語っていただきたいと思います。

発言情報

speech_id: 118903929X01720150703_224

発言者: 長島昭久

speaker_id: 29241

日付: 2015-07-03

院: 衆議院

会議名: 我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会