我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会

2015-07-03 衆議院 全361発言

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会議録情報#0
平成二十七年七月三日(金曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 浜田 靖一君
   理事 今津  寛君 理事 岩屋  毅君
   理事 江渡 聡徳君 理事 松本  純君
   理事 御法川信英君 理事 長妻  昭君
   理事 下地 幹郎君 理事 遠山 清彦君
      赤枝 恒雄君    秋本 真利君
      池田 道孝君    小田原 潔君
      小野寺五典君    大西 宏幸君
      大野敬太郎君    勝沼 栄明君
      金子万寿夫君    木原 誠二君
      木村 弥生君    小島 敏文君
      國場幸之助君    笹川 博義君
      白石  徹君    助田 重義君
      田野瀬太道君    中谷 真一君
      橋本 英教君    原田 義昭君
      平沢 勝栄君    古川  康君
      星野 剛士君    堀井  学君
      宮川 典子君    宮崎 謙介君
      宮崎 政久君    宮澤 博行君
      武藤 貴也君    盛山 正仁君
      山口  壯君    山田 賢司君
      若宮 健嗣君    枝野 幸男君
      緒方林太郎君    大串 博志君
      後藤 祐一君    辻元 清美君
      寺田  学君    長島 昭久君
      本村賢太郎君    青柳陽一郎君
      太田 和美君    柿沢 未途君
      篠原  豪君    丸山 穂高君
      吉田 豊史君    伊佐 進一君
      岡本 三成君    佐藤 茂樹君
      中川 康洋君    浜地 雅一君
      吉田 宣弘君    赤嶺 政賢君
      宮本  徹君
    …………………………………
   内閣総理大臣       安倍 晋三君
   外務大臣         岸田 文雄君
   防衛大臣
   国務大臣
   (安全保障法制担当)   中谷  元君
   国務大臣
   (内閣官房長官)     菅  義偉君
   内閣官房副長官      加藤 勝信君
   防衛大臣政務官
   兼内閣府大臣政務官    石川 博崇君
   政府特別補佐人
   (内閣法制局長官)    横畠 裕介君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  前田  哲君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  藤山 雄治君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  槌道 明宏君
   政府参考人
   (外務省総合外交政策局長)            平松 賢司君
   政府参考人
   (外務省北米局長)    冨田 浩司君
   政府参考人
   (外務省国際法局長)   秋葉 剛男君
   政府参考人
   (防衛省防衛政策局長)  黒江 哲郎君
   政府参考人
   (防衛省運用企画局長)  深山 延暁君
   政府参考人
   (防衛省地方協力局長)  中島 明彦君
   衆議院調査局我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別調査室長     齋藤久爾之君
    —————————————
委員の異動
七月三日
 辞任         補欠選任
  勝沼 栄明君     堀井  学君
  笹川 博義君     宮崎 謙介君
  白石  徹君     小島 敏文君
  武井 俊輔君     金子万寿夫君
  橋本 英教君     田野瀬太道君
  宮川 典子君     赤枝 恒雄君
  山田 賢司君     池田 道孝君
  緒方林太郎君     本村賢太郎君
  大串 博志君     枝野 幸男君
  青柳陽一郎君     柿沢 未途君
  太田 和美君     篠原  豪君
  伊佐 進一君     岡本 三成君
  佐藤 茂樹君     中川 康洋君
  浜地 雅一君     吉田 宣弘君
  志位 和夫君     宮本  徹君
同日
 辞任         補欠選任
  赤枝 恒雄君     宮川 典子君
  池田 道孝君     木村 弥生君
  金子万寿夫君     古川  康君
  小島 敏文君     白石  徹君
  田野瀬太道君     橋本 英教君
  堀井  学君     勝沼 栄明君
  宮崎 謙介君     助田 重義君
  枝野 幸男君     大串 博志君
  本村賢太郎君     緒方林太郎君
  柿沢 未途君     青柳陽一郎君
  篠原  豪君     吉田 豊史君
  岡本 三成君     伊佐 進一君
  中川 康洋君     佐藤 茂樹君
  吉田 宣弘君     浜地 雅一君
  宮本  徹君     志位 和夫君
同日
 辞任         補欠選任
  木村 弥生君     山田 賢司君
  助田 重義君     笹川 博義君
  古川  康君     秋本 真利君
  吉田 豊史君     太田 和美君
同日
 辞任         補欠選任
  秋本 真利君     國場幸之助君
同日
 辞任         補欠選任
  國場幸之助君     武井 俊輔君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 公聴会開会承認要求に関する件
 政府参考人出頭要求に関する件
 我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律案(内閣提出第七二号)
 国際平和共同対処事態に際して我が国が実施する諸外国の軍隊等に対する協力支援活動等に関する法律案(内閣提出第七三号)
     ————◇—————
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浜田靖一#1
○浜田委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律案及び国際平和共同対処事態に際して我が国が実施する諸外国の軍隊等に対する協力支援活動等に関する法律案の両案を一括して議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 両案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官前田哲君、内閣官房内閣審議官藤山雄治君、内閣官房内閣審議官槌道明宏君、外務省総合外交政策局長平松賢司君、外務省北米局長冨田浩司君、防衛省防衛政策局長黒江哲郎君、防衛省運用企画局長深山延暁君、防衛省地方協力局長中島明彦君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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浜田靖一#2
○浜田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
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浜田靖一#3
○浜田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。木原誠二君。
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木原誠二#4
○木原(誠)委員 おはようございます。自由民主党、東京都の木原誠二です。
 きょうは、テレビ入り、国民の皆様に直接ごらんいただける機会でありますので、基本的な論点を中心にお伺いをしてまいりたいというふうに思います。
 その前に、一つ、総理に直接お伺いしたいことがございます。それは、北朝鮮についてでございます。
 あす七月四日で、北朝鮮が拉致問題に関する調査を開始してから一年、節目の日を迎えることになります。政府は、対話と圧力、そして行動対行動、そういう原則のもとに、これまで鋭意努力をいただいているというように思います。ただ、率直に申し上げて、交渉はやや停滞をしているかなという感もございます。
 北朝鮮との交渉について、現状どうなっているか、そして、今後どのように取り組んでいかれるのか、総理にまずお伺いをいたします。
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安倍晋三#5
○安倍内閣総理大臣 北朝鮮が特別調査委員会を立ち上げ、拉致被害者の調査を開始して以来、あすでちょうど一年を迎えることになります。我が国は、昨年五月のストックホルム合意を誠実に履行してきています。調査について、日朝間に合意された具体的な期間があるわけではございませんが、調査開始から一年が経過する今もなお、拉致被害者の帰国が実現していないことはまことに遺憾であります。
 本件については、北京の大使館ルートで働きかけを行ってきたところでありますが、今般、先方より、全ての日本人に関する包括的調査を誠実に行ってきているが、いましばらく時間がかかる旨の連絡がありました。
 政府としては、遺憾ではありますが、北朝鮮からの具体的な動きを早急に引き出すべく働きかけを強化することとし、外務大臣と拉致問題担当大臣、山谷大臣にこの旨を指示いたしました。その結果も見きわめつつ、日本政府としての今後の対応を判断していく考えであります。
 政府としては、引き続き、対話と圧力、そして行動対行動の原則を貫き、全ての拉致被害者の帰国を実現すべく、全力を尽くしていく考えでございます。
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木原誠二#6
○木原(誠)委員 ありがとうございました。直接この法案と関係あるわけではありませんが、しかし、明々白々に、私どもの同志が、同胞が、自由そして幸福追求の権利を侵害され、そして今もされている事案でありますので、ぜひ総理には引き続きリーダーシップを発揮していただければというふうに思います。
 さて、法案についてでありますが、まず、最初の資料一をごらんいただければというふうに思います。これは、憲法学の大家、巨星と言ってもいいかというふうに思います、芦部信喜先生が書かれた教科書であります。私自身も、一九九三年に法学部を卒業するまで、この憲法のバイブルをずっと読んでおりました。恐らく、当時、多くの学生が、そして今なお、法学を学ぶ学生が読む基本中の基本の書であろうというふうに思います。
 これは戦力の不保持についての文章でありますけれども、この真ん中の線を引いてあるところをごらんいただきますと、「憲法で保持を禁止されている「戦力」とは何かについて、学説は一般に厳格に解釈しているが、政府はそれをゆるやかに解する立場をとる。」。そして、その後、「通説は、」と言って通説のことを説明した上で、一番最後をごらんいただければと思いますが、「現在の自衛隊は、」「九条二項の「戦力」に該当すると言わざるをえないであろう。」こういうことであります。つまり、自衛隊は違憲であるということをこの時点でお述べになっておられるわけであります。
 一九九三年といいますと、自衛隊が発足してもう既に四十年、前年にはPKO法が成立をしている。そして、その翌年には、日本社会党が自衛隊を合憲だ、そういう時代状況であります。そして、その後さらに二十年たって、今なおこういうことでございます。
 私は、憲法学者の責任はまさにここにある、憲法学者の皆さんの矜持はここにある、それでいいんだろうというふうに思います。それが憲法学者の皆さんの仕事であるし、責任であろうというふうに思います。そういう意味でいいますと、先日の憲法審査会で、大変高名な三人の憲法学者の皆さんが違憲だとおっしゃったことは、これは想定の範囲内というか当然のことだろうというふうに思います。
 しかし、我々政治を預かる者は、そして政治に向き合う者は、そういう中にあっても、国民の生命財産をどうやって守っていくのか、そのことに真剣に向き合っていかなければいけない。だからこそ、最高裁も、砂川判決、いろいろなところで引用されますが、砂川判決の中で統治行為論というものを持ち出している、そういうことであろうというふうに思います。
 二枚目の資料をまたごらんいただければと思います。
 では、そういう今の政治家、そして政治の状況はどうかというと、幾つかきょうも御紹介をしたいと思いますが、民主党の岡田克也代表が、例えば、これは十年前ですが、読売新聞での座談会の中で、資料を見ていただければ六行目になりますけれども、こうおっしゃっております。「今の憲法は、すべての集団的自衛権の行使を認めていないとは言い切っておらず、」こういうことをおっしゃっております。
 また、直近におきましても、これは二〇一四年のダイヤモンド・オンラインの中でのインタビューでありますけれども、下から三行目になりますが、こういうこともおっしゃっております。「共産党や社民党のように全く認めないのかというと、本当に必要性があるのであれば、それは憲法の大枠と矛盾しない範囲で、認めることもあるべきだ」と。
 ただ、岡田先生は、大変御見識を持っておられまして、極めて限定的だ、例外的なんだということもしっかりおっしゃっていただいております。
 また、維新の党は、マニフェストの中で、「自国への攻撃か他国への攻撃かを問わず、」「現行憲法下で可能な「自衛権」行使のあり方を具体化し、必要な法整備をする。」こうおっしゃっているわけであります。
 総理にお伺いしたいのは、私は今、ほぼ、多くの政党の中で、安全保障環境の厳しさが共有をされ、そして何らかの形でこの自衛権の概念について整理をしなければいけないということの共通の認識はあるんだろうというふうに思います。
 そこで、総理には、政治家として、この憲法の問題にどう向き合っていくかということと、そして、こういう状況の中で、国会審議に何を、どういう期待をされるか、そういうことについてお伺いをしたいと思います。
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安倍晋三#7
○安倍内閣総理大臣 御指摘のように、政治家に期待される役割あるいは責任は、憲法学者の役割とは別であろう、このように思います。
 我が国を取り巻く国際情勢は、日々変わっていく、年々大きく変わっていくわけでありまして、そうした情勢をしっかりと分析しながら、それに備えていく、国民の命や領土、領海、領空、幸せな暮らしを守っていくという責任が常に政治家には課されているわけであります。
 砂川判決の言う必要な自衛の措置とは何か、どこまでが認められているのか、どこまでを認めなければ国民の命を守り抜くことはできないのではないかということを考え抜かなければいけないわけでありまして、現実に必要な安全保障政策を講じていく、これこそが政治家に課せられた大きな使命であろうと思います。
 もちろん、繰り返しになりますが、これは砂川判決で示された法理を超えてはならないわけでありますし、その中で構築した、私たちは、四十七年の政府見解の基本的な原理は生かしつつ、まさに必要な自衛のための措置とは何かを考え抜いた結果、この大きく変わった国際環境の中において、我々は今回の安保法制を法制として整備していく必要がある、こう考えたわけでございます。
 今回も、もちろん、PKO法案のときもそうでした、あるいは自衛隊を設立した当初もそうでございましたが、憲法学界、憲法学者の方々から厳しい御意見もいただいております。そうした御意見も真摯に受けとめながら、しかし、私たちは黙々と、国民の命を守るための責務を果たしていきたい。しかし同時に、国民の皆様のさらに幅広い御支持をいただくためにも、誠実に、丁寧に議論を進めていきたいと考えております。
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木原誠二#8
○木原(誠)委員 ありがとうございました。
 それでは、幾つか論点に入っていきたいというふうに思いますが、今回の法案は、日本そして国際社会の平和と安全を守るための法案だ、そういうことで提案をされているわけでありますが、残念ながら、戦争法案だ、そういうような御批判もあるわけであります。
 私は、その原因の一つが、次の資料に行っていただきたいと思いますが、限定的ということの意味が必ずしも正確に伝わっていないのではないかな、こんな思いを持っております。
 資料の三をごらんいただければというふうに思いますが、私は、限定的ということの意味は二つあるんだろうというふうに思います。一つは、適用場面、つまり、どういう場面で自衛権が行使されるか。このことは後ほど御質問させていただきたいと思います。もう一つ、そういう適用になった場合に、どういう適用手段をとっていくかという意味での限定的ということがあろうか、このように思っております。
 そもそも自衛隊は、憲法九条、この精神から、まさに純粋防衛のための武力行使活動しかできないということになっております。つまり、もう少し平たく言えば、敵地に行って、そして相手をせん滅する、あるいは占領する、いわゆる侵略的な活動あるいは攻撃的な目的というものはとり得ない、こういうことであります。
 まず最初に中谷大臣に確認をしたいと思いますが、今回、いわゆる限定的な集団的自衛権というものを認めたとしても、自衛隊のいわゆる限定的な役割ということはあくまで防衛的な役割に終始する、そのことは変わりないと端的に一言でお答えいただければと思います。
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中谷元#9
○中谷国務大臣 そのとおりでございます。我が国を防衛するということが第一義的な自衛隊の目的でございます。
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木原誠二#10
○木原(誠)委員 その意味で、総理は、また政府は、たびたび、限定的な集団的自衛権を認めたとしても、かつての湾岸戦争やあるいはイラク戦争のような戦争に参加することはないんだ、こういうことを繰り返しお述べいただいておりますが、これは政策的判断ではなくて、まさに憲法九条、そして自衛隊の持つ限定的な役割、そこからくる論理的結論である、そういう理解でよいか、総理に改めて確認をしたいと思います。
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安倍晋三#11
○安倍内閣総理大臣 御指摘のとおり、武力行使を目的として、かつての湾岸戦争やイラク戦争での戦闘に参加することは、これは政策判断ではなく、憲法上許されないと解しております。
 従来から、武力行使の目的を持って武装した部隊を他国の領土、領海、領空へ派遣するいわゆる海外派兵は、一般に自衛のための必要最小限度を超えるものであって憲法上許されないと解してきているわけであります。
 このような従来からの考え方は、新しい、この新三要件のもと、集団的自衛権を行使する場合であっても全く変わりはありません。これは新三要件から論理的、必然的に導かれるものでありまして、自衛隊が武力行使を目的として、かつての湾岸戦争やイラク戦争での戦闘、すなわち、一般の方々が思い浮かべるような、敵を撃破するための大規模な空爆や砲撃を加えたり、敵地に攻め入るような行為に参加することは、自衛のための必要最小限度を超える、よって、憲法上許されない、我々は明確にそう判断をしております。
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木原誠二#12
○木原(誠)委員 ありがとうございました。
 まさに今の総理の答弁のとおりだと思います。私たちは、憲法の最も重要な精神である、侵略行為はしないんだ、これがまさに、私たちがさきの戦争で三百万人以上の同胞を失った、そこからの反省でもあり、また教訓でもあるんだと思います。そのことは今回全く変わっていないということであろうというふうに思います。
 そこで、限定的のもう一つの意味、適用の問題について少し伺っていきたいというふうに思います。つまり、どういう場面に限定的な集団的自衛権は必要とされ、また適用されるのかということであります。
 与党協議においては、八つの事例、つまり、邦人を輸送中の米艦の防護であるとか、アメリカに向けられている弾道ミサイルに対する対応であるとかいった八つの事例が紹介をされて、検討をされております。
 きょうは、その中で、この委員会でも累次にわたって議論がなされております米艦防護の事例を取り上げたいというふうに思います。資料の四でございます。
 非常に簡単に申し上げますと、日本周辺で有事が発生をし、公海上でそれに対応して、日本を防衛する米国艦船が攻撃を受けた、そのまま放置すれば次は日本にも攻撃が及んでくる蓋然性が極めて高い、すなわち、日本に直接武力攻撃が行われたと同じような深刻で重大な危害が発生することが明白である、こういう事態でございます。
 こういう事態に、我が国は、米艦、この米国艦船を助ける行動ができるのかどうか、現状で。このことについて、防衛大臣、まず一言お願いをいたします。
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中谷元#13
○中谷国務大臣 現状におきましては、個別的自衛権のみ我が国の憲法で容認されているわけでございまして、我が国に対する武力攻撃が発生しない限り、米艦、他国の艦艇等を防衛するということはできないということでございます。
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木原誠二#14
○木原(誠)委員 ありがとうございます。
 今おっしゃったこと、つまり、我が国にまだ攻撃が発生をしない段階では対応はできない、こういうことであります。
 ところで、この委員会では、そういう政府の立場に対して二つの異なる立場が披露されています。
 一つは、そもそもこうした事例、八事例というのは非現実的で、なかなか想定できない事態なんだ、そういう立場であります。
 ただ、私たちはやはり、三・一一、福島の原発のこともそうであります、想定外ということは許されないし、とりわけ安全保障においては想定外ということは許されないということだと思いますので、政府・与党としてはこの立場はとれない、こういうことであろうと思います。
 もう一つが、これは民主党の委員の先生方がたびたび御議論をいただいていることでありますが、この事例も個別的自衛権で対応できるのではないかという考え方であります。つまり、個別的自衛権も、着手という概念があります。その着手という概念を少し、拡大すると言うとちょっとお叱りを受けるかもしれません、整理をする、こういうことで対応できるのではないかと。
 現実には、ここの事例は非常にグレーで、境界が曖昧なところであることは確かであろうというふうに思いますが、他方で、まだ我が国に攻撃が発生をしていないということは明々白々でもあろうと思います。
 そういう中で、私は、恐らく、与党協議の中でも、あるいは政府の中でも、さあ、集団的自衛権を限定的に認めるのか、あるいは個別的自衛権を少し拡大するのか、御議論はあったというふうに思いますが、政府として、集団的自衛権を限定的に容認する、そういう結論を導いたその理由を外務大臣に御説明いただければというふうに思います。
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岸田文雄#15
○岸田国務大臣 まず、国際法上、個別的自衛権と集団的自衛権、これは、自国に対する武力攻撃に対処するものであるかどうか、この点におきまして明確に区別をされています。こうした考え方は国際法上確立をされています。
 そして、国連憲章五十一条に明記されております集団的自衛権を援用して対処する場合に、個別的自衛権の概念を我が国が独自に解釈して対処するということになりますと、我が国に対する武力攻撃が発生していない段階で武力行使を行うということにもなりかねません。要は、国際法違反になりかねない、こうしたことであります。
 さらに、我が国がこのような形で、結果として我が国に対する武力攻撃が発生していない段階での個別的自衛権の行使を認めるとしたならば、これは他国に対しても同様の主張を行うことを認めざるを得ない、こういったことにもなります。
 そもそも、国連憲章が五十一条において、武力攻撃が発生した場合に限り個別的、集団的自衛権の行使を認めた理由の一つは、各国が曖昧な基準によりこれを行使する可能性を排除する、こうした趣旨であったと理解をしています。
 そして、昨年五月、安保法制懇の報告書が提出されました。この報告書の中においても、「各国が独自に個別的自衛権の「拡張」を主張すれば、国際法に基づかない各国独自の「正義」が横行することとなり、これは実質的にも危険な考えである。」こうした指摘もされているところであります。
 このように、国際法上確立されている集団的自衛権を援用できる状況にもかかわらず、論争のある武力攻撃発生前の先制的な自衛権を援用する意義はないと考えます。我が国は、進んでこのような国連憲章の趣旨に反する、あるいは個別的、集団的自衛権の濫用のおそれを惹起することはすべきではないと考えます。
 こういった考えから、今般、個別的自衛権の解釈の拡張ではなくして、限定的な集団的自衛権の行使を容認する、こうした考え方をとった次第であります。
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木原誠二#16
○木原(誠)委員 極めて明確に御答弁いただきまして、ありがとうございます。
 私の言葉で言えば、これを認めると、世界は弱肉強食の世界に入っていく、つまり、各国がそれぞれ個別的自衛権を拡大するという道をとっていくと、それは強い者が勝つに決まっている、そういう時代に入っていくということであろうと思います。
 この委員会の中でも、個別的自衛権はよくて集団的自衛権は悪い、個別的自衛権だと拡大しなくて集団的自衛権だと拡大する、こういった議論が見受けられますが、実は、個別的自衛権でも、自分の観光客が他国にいて、その観光客にテロ行為があった、それでも個別自衛権を発動するという国もあります。大使館を攻撃されて、占領されて、やはり個別的自衛権だという国もあります。いろいろなケースがあるというふうに思います。
 ただ、これで、まさに大臣がおっしゃっていただいたのは、そういう個別的自衛権の拡大解釈が横行しないように、まさに集団的自衛権という概念を入れていただいて、まさに安保面での国際協調主義というのをとっていただいたんだろう、私はこう思っております。
 そういう意味でいいますと、私たちは憲法の前文に国際協調主義というものを掲げているわけでありまして、私は、この日本国憲法がおよそ集団的自衛権とは相入れないものなのだということはないんだろう、こう思っております。
 資料の二をもう一回出していただければと思いますが、先ほど資料の二で岡田代表の言葉を引かせていただいたのは、あの中に「今の憲法は、すべての集団的自衛権の行使を認めていないとは言い切っておらず、」というのはまさにそういうことであって、私は、そのことは共有された考えではないかな、こんなふうに思っております。
 そして、大臣にはもう一つ大切なことを言っていただきました。つまり、日本が個別的自衛権の拡大を自由に解釈すると、それは他国に口実を与えるんだと。
 今世界で起こっていることは、中国ですね。中国は、排他的経済水域、本来ならば、国際法上の概念であれば、これは純粋経済的な水域でありますが、中国は今これを安全保障にも適用しようということをしています。中国は、防空識別圏、防空識別圏について私たちの尖閣の上にもこれを設定し、さらに何をしているか。民間の航空機にもフライトの計画を当初出させようとした。つまり、国際法の秩序に真っ向から挑戦をする国もあるわけですね。私は、そういう国にやはり口実を与えるきっかけにもなりかねないというふうに思います。
 そういう意味で、ここは明々白々ですから、まだ私たちに武力攻撃が発生していない段階で個別的自衛権を行使するということはできないんだ、そしてそれは、私たちはやはり国際法にのっとって限定的な集団的自衛権を認めていくのだ、ぜひそのことを明確にしておきたい、このように思っております。
 そこで、今、中国のことを少し申し上げました。今この議論をしている背景は最大、何か。さまざまな安保情勢の変化というものをこの委員会の中でも議論をしてまいりました。北朝鮮のミサイルの問題、あるいは国境を越えて動くテロの問題、あるいは大陸弾道ミサイルの問題、さまざまなことを議論してきましたが、私は、やはり今最大の懸念は中国であろうと思います。政府はなかなかおっしゃれないと思いますので、私の方から申し上げます。
 この資料を見ていただくとおり、当初の冷戦期と違うのは、今まさに私たちがいるアジアがホットスポットになっていて、そして、東シナ海、南シナ海でまさに中国が活動を活発化させている。そして、もう一つ大きな点は、先ほど申し上げたように、中国は国際法の秩序、考え方そのものにチャレンジをしてきている、こういうことであります。そういう状況の中で、私たちはこの平和安全法制をしっかり考えていかなければいけない、こういうことであろうと思います。
 ただ、このことを今論じる時間はありませんので、国民の皆さんがそういう状況の中で一番心配していることは、今回の法案が、中国との間で日本が力対力の対決に踏み込んでいくのではないか、そういう漠然とした不安を国民の皆さんは持っているんだというふうに思います。
 私は、そうではないんだというふうに思います。この平和安全法制というものはあくまでも備えであって、備えというのは動員しないのが一番ベストである、高村副総裁の言葉をかりれば、伝家の宝刀は抜かない宝刀が一番いいんだ、こういうことであります。抜かないようにするためにはどうするのか。私は、やはり外交だと思います、外交努力だというふうに思います。
 総理は、最も外交に力を入れてきた政権であろうと思います。最後に、この法案が発動されることがないように、今後どういうふうに総理として外交努力をされていくか、そのことをお伺いして、質問を終わりにしたいと思います。
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安倍晋三#17
○安倍内閣総理大臣 もちろん、この法案が特定の国を想定しているものではございませんが、日本をめぐる安全保障環境は厳しさを増しているのは事実でございまして、中国においても、この二十何年間の間、軍事費を四十一倍にしてきているという現実がございますし、この十年間でスクランブルの回数は、これは中国を対象とするものだけではもちろんありませんが、七倍にふえているのも事実でございます。
 そういう中におきまして、まずは外交努力によって紛争を抑止していく、未然に防いでいく。今回の法制もその一環ではございますが、特に、私も、また日本として主張していることは、いかなる紛争も、武力や威嚇ではなく国際法に基づいて平和的に解決すべきものである。この原則については、昨年のシャングリラ会合で三原則として提唱し、多くの国々から強い支持をいただいたところでございまして、今や各国も、この考え方を掲げながら、こういう地域にしていこうということでお互いに協力をし合っているわけでございます。
 今後とも、平和を維持し、そして繁栄を各国とともに享受できるような、そういう努力を積み重ねていきたい、このように考えております。
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木原誠二#18
○木原(誠)委員 ありがとうございました。終わります。
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浜田靖一#19
○浜田委員長 次に、佐藤茂樹君。
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佐藤茂樹#20
○佐藤(茂)委員 公明党の佐藤茂樹でございます。
 きょうは、安倍総理を中心に、新三要件と今回の存立危機事態の典型例につきまして御議論をさせていただきたいと思います。
 私どもは、日本を取り巻く安全保障環境が厳しさを増す中で、国民の命と平和な暮らしを守るために自衛の措置がどこまで認められるのか、またその限界はどこにあるのかということを突き詰めて議論いたしました結果、昨年七月一日の閣議決定で、憲法第九条のもとで許される自衛の措置発動の新三要件というものが定められまして、公明党は、この新三要件というものを法律上も明確に規定するようにしっかりと主張しまして、今回の法整備の中で、法案の中に明記をされたと考えております。
 実は最近、当委員会の議論の中で、この新三要件というものも含めて不明確な基準ではないのか、あるいは、存立危機事態というのはどういうものなんだ、曖昧なんだ、政府に白紙委任するようなものではないのか、そういう御批判がマスコミや一部野党の中にあるわけでございます。
 もう同僚議員がこの新三要件等についてはこの委員会でも詳しく説明をしたことがありますので、きょうは簡単に、どういうことになっているのかということだけ例に挙げさせていただきますと、例えば新三要件の第一要件の中に、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合、これを存立危機事態と定義するわけでございますけれども、その判断基準は何なのかということになると、既に総理や内閣法制局長官が昨年の七月以降一貫して答弁されているんですけれども、この丸二つ目でございますが、事態の個別的な状況に即して、大きく五つの要素を挙げておられるわけであります。
 一番目に、主に攻撃国の意思、能力、二番目に、事態の発生場所、三番目に、その規模、態様、推移などの要素を総合的に考慮し、そして四番目に、我が国に戦禍が及ぶ蓋然性、五番目に、国民がこうむることとなる犠牲の深刻性、重大性などから客観的、合理的に判断すると答弁されております。
 これは、当委員会でもほかのテーマで、例えば武力行使の一体化、その判断要素の大森四要素という、当時の内閣法制局長官の名前をとってそういうことが言われておりますが、同じように、こういう要素を考慮して総合的に判断するんだ、そういうことが言われて、当時私も議論しておりましたけれども、それが今、十五年以上たっても、そのときに答弁された要素というものがしっかりと現実に当てはまるのかどうかということが議論されるわけでありまして、この存立危機事態についても、こういう判断要素というものをしっかりとここで示しておくということが大事だと思います。
 一番目に、その上で、そういう判断要素を考慮しながら、判断基準というのは何なのか。それは、そのままでは、そのままではというのは、その状況のもと、武力を用いた対処をしなければ、国民に我が国が武力攻撃を受けた場合と同様な深刻、重大な被害が及ぶことが明らかな状況であるということが判断基準となって、武力の行使をしなければいけないんだということが明確に判断基準として示されているわけでありまして、私どもは、そういう、一部野党や、あるいはマスコミの皆さんが批判しているような、白紙委任であるとか、あるいは基準が不明確であるという批判は当たらない、そのように考えますけれども、総理はどのようにそういう御批判に対して考えておられるのか、御答弁をいただきたいと思います。
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安倍晋三#21
○安倍内閣総理大臣 我が国が武力の行使を用い得るのは、今そこで御紹介をいただいている新三要件を満たす場合に限られますが、委員御指摘のとおり、これは憲法上の明確かつ厳格な歯どめになっております。今般の法整備において、過不足なく明確に書き込まれています。
 新三要件は国際的に見ても他に例のない極めて厳しい基準であるのは、もう委員御承知のとおりであります。その時々の内閣が恣意的にこれを解釈できるものではありません。
 さらに、実際の武力行使を行うために自衛隊に防衛出動を命じる際には、これまで同様、原則として事前の国会承認を求めることが法律上明記されており、政府が判断するのみならず、国会の御判断もいただき、民主主義国家として慎重の上にも慎重を期して判断されることになるわけであります。
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佐藤茂樹#22
○佐藤(茂)委員 今総理が答弁されましたように、きょう、質問はもう時間の関係で飛ばしますけれども、武力攻撃事態対処法の第九条が今回改正されまして、国会の承認にこの対処基本方針というものはかけなければいけないわけでございますが、その中に、新たに、事態の経緯、どういう事態の経緯を見て、そういう例えば存立危機事態の認定に至るのかということもきちっと国会で御審議いただく、そのことによって国民の皆さんにも明確にさせる、そういうこともあるわけでありまして、私は、そういう国会のチェック機能というものをきちっと考慮した、そういう法整備になっているというように申し上げておきたいと思います。
 私は先週、またその前の党首討論を聞いておりまして、総理がみずから少し踏み込んだ説明をされて、存立危機事態の典型例というものはどういうものなのかということを、具体的なケースを示してわかりやすく説明しようとされたことというのは私は評価をしたいと思うわけでございます。
 資料の四番目でございます。六月二十六日の委員会で安倍総理が答弁されたことを踏まえまして、もう少し肉づけを私なりにさせていただいて説明させていただきたいと思います。
 そのときに総理も言われていたんですが、我が国近隣において武力紛争が差し迫っている状況で、米軍も、事態の拡大を抑制し、その収拾を図るために活動している。我が国も重要影響事態法のもとで対応措置を行っていたが、ここからがパネルに関係あるんですが、状況がさらに悪化し、ある国、例えばこれは今B国というようにしておるんですが、その国に駐留する、我が国と密接な関係にある他国、例えば米国、このB国と米国に対して、ある国、A国の武力攻撃が発生をした。さらに、その時点ではまだ、日本列島を描いていますが、我が国に対しては武力攻撃が発生したことは認定されないものの、攻撃国A国は、我が国をも射程に捉える、相当数、例えば何百発もの弾道ミサイルを保有しておりまして、東京を火の海にしてやる等の言動などから、我が国に対する武力攻撃の発生が差し迫っている状況にある。戦闘が急速に拡大しつつあり、さらに弾道ミサイル発射の兆候があるので、米国のイージス艦及び我が国の艦艇もそれぞれ警戒に当たっている。そういう状況でございます。
 イージス艦というのは、もう少し技術が発展すれば変わるらしいんですけれども、弾道ミサイル対処を行っている場合にはそちらに、探知するために相当能力が集中いたしますので、航空機であるとかあるいは対艦ミサイルから自艦、自分の艦船を防御する、そういう能力というのは相対的に低下すると言われております。
 ですから、このような状況下で、アメリカの方から我が国に対して、これは右の矢印でございますが、アメリカの艦船の防護を要請してきた。
 攻撃国A国の武力攻撃を早急にとめなければ、次は近隣に所在する米国の同盟国である我が国にも武力攻撃が行われかねない状況にある。すなわち、当該攻撃国A国の弾道ミサイル攻撃から我が国を守り、これに反撃する能力を持つ同盟国であるアメリカの艦艇への武力攻撃を早急にとめずに、我が国に対する武力攻撃の発生を待って対処するのでは、弾道ミサイルによる第一撃によって取り返しのつかない甚大な被害をこうむることになるのは明らかな危険がある。そういう、こうむる危険性がある、そういうことを総理は提示されたわけでございます。
 私は、少し、弾道ミサイルとかアメリカ政府からの要望とか、そのとき総理が言われなかったことまで含めて入れさせていただいたわけでございますが、このような場合に存立危機事態の設定があり得る、そういう答弁だというふうに私は捉えているんですけれども、総理、それでよろしいでしょうか。
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安倍晋三#23
○安倍内閣総理大臣 基本的には、存立危機事態は、生起した個別具体的な事態に即して、新三要件を満たすか否かを総合的に判断する必要がありますが、今御指摘いただいたような事例につきましては、存立危機事態に認定され得るものと考えるわけであります。
 六月二十六日の岡田委員に対しての答弁は、基本的に、個別の事態事態についてこれはどうかということについては、これはあえてそれほど詳しく解説をするべきではない。つまり、我々が、どうなればどう対応するという、私たちの国民を守るための手のうちをさらすことになるわけでございますから、基本的にはそれを個々について一々することはいたしませんが、しかし、国民的な理解を深めていくために、あえてわかりやすい一例だけを挙げさせていただいたわけでございます。
 それは、米国の艦艇が実際にミサイル攻撃を受けることとなる段階というのは、存立危機事態と認定される確度が相当高いことから、存立危機事態をわかりやすく説明するための一例としてあえて申し上げたところでございます。
 その際にも申し上げているわけでございますが、存立危機事態となるのは、米艦、艦艇がミサイル攻撃を受ける場合に限られるものではございませんが、今委員が挙げられた、また、私の説明に少しさらに加えて説明をしていただいた、それは、最初に申し上げましたように、存立危機事態となり得る、このように考えます。
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佐藤茂樹#24
○佐藤(茂)委員 それで、一週間前の岡田民主党代表とのやりとりの中で少し気になったのが、存立危機事態を認定するタイミングについてやりとりをされました。そのやりとりを受けて、武力攻撃事態の切迫事態の認定の後に存立危機事態が認定される、つまり切迫事態にならないと存立危機事態にはならないという印象を持たれた方もいるようでございます。
 しかし、両者はそれぞれ異なる観点から状況を評価するものであるので、私は必ずしもそのように限られないと理解しておりますけれども、武力攻撃事態の切迫事態と存立危機事態との関係について、安倍総理に改めて整理して答弁をいただきたいと思います。
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安倍晋三#25
○安倍内閣総理大臣 委員の御指摘は、六月二十六日の岡田委員との質疑を踏まえたものと考えられますが、当該やりとりは、どのような状況になると存立危機事態と認定されるのかということをわかりやすく説明する中で、あえて一例として、事態の流れを順に追いつつ、切迫事態の段階ではいまだ個別的自衛権は行使できないという比較をするためにそういう例を挙げたわけでございまして、その中で御説明をいたしました。
 その上で、武力攻撃事態と存立危機事態はそれぞれ異なる要件に基づくものでありますから、存立危機事態は必ず切迫事態の後に生じるという関係にあるものではない、こういうふうに認識をしているところでございます。
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佐藤茂樹#26
○佐藤(茂)委員 そこで、もう一点の論点でございますけれども、個別的自衛権の行使として米艦防護が許されるケースというのはどういうものなのかということについて、資料五、六を用意させていただきました。
 これは、同じ、当時の平成十五年から十六年の秋山内閣法制局長官の答弁でございますけれども、私は、過去のそれまでの内閣法制局の答弁も見ましたときに、大きく、事例としては二つぐらいに分かれるのではないかと思っております。
 一つは、資料五の方でございますけれども、我が国が個別的自衛権を発動して公海上にある米艦を防護することがあり得る事例として過去に内閣法制局長官が答弁しているのは、この資料五のように、我が国に対する武力攻撃が発生して、アメリカと共同対処中である場合と、資料六の答弁のように、武力攻撃はまだ発生していないんだけれども、当該米艦に対する反撃が我が国に対する武力攻撃の着手であると認められる場合も状況によってはある、こういう二つの事例のみではないかと思うんですが、法制局長官、簡潔に答弁をいただきたいと思います。
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横畠裕介#27
○横畠政府特別補佐人 法理としてあり得る事例として申し上げているのは、御指摘のとおりでございます。
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佐藤茂樹#28
○佐藤(茂)委員 それで、実は、特に資料六の方の平成十五年五月十六日の秋山内閣法制局長官の答弁の中で、我が国を防衛するために出動して公海上にある米軍の米艦に対する攻撃が、状況によっては、我が国に対する武力攻撃の端緒、着手という状況として判断されることがあり得る、こういう答弁に対しまして、先日も当委員会でさまざまに御議論がございました。
 この、「状況によっては、」の解釈については、横畠法制局長官は、「この答弁の趣旨は、具体的な状況によっては我が国に対する武力攻撃の着手と認定できる場合もあるということでございまして、もとより認定できない場合もあるということでございます。」そういうふうに答弁されました。
 中谷防衛大臣は、「御指摘の答弁も、「状況によっては、」と書いておりまして、我が国に対する武力攻撃の着手と「判断されることがあり得るのではないか」と述べており、常に我が国に対する武力攻撃になるとは断定をいたしておりません。」。
 岸田外務大臣は、「御指摘のような事例について、個別的自衛権で対応できるのは特定の状況における極めて例外的な場合であって、我が国を防衛するために必要な状況下において常に個別的自衛権で対応可能なわけではない、こういった趣旨であると思います。」と答弁されているわけでございます。
 当時の法制局長官の「状況によっては、」という答弁に基づいて、公海上にある米軍の艦艇に対する防護が個別的自衛権の行使で可能であると主張される方もおられますけれども、それぞれ三人の現大臣、長官の答弁にもありますように、公海上にある米艦艇に対する武力攻撃が常に我が国に対する武力攻撃の着手と認定できるわけではないわけでありまして、つまり、常に個別的自衛権で対応可能なわけではないわけであります。あるいは、外務大臣の表現をかりると、特定の状況における極めて例外的な場合に個別的自衛権で対応できるということでございます。
 ですから、個別的自衛権の行使で対応できるものにはおのずから限界があるということだと私は理解をしているわけでございますが、我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険を排除するために、ここに示し、また先週総理が示されたような典型例のケースでは、集団的自衛権を限定容認して自衛の措置をとれるようにしておくことが必要であると私は考えますけれども、総理の見解を伺っておきたいと思います。
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安倍晋三#29
○安倍内閣総理大臣 まさに今委員がおっしゃったように、個別的自衛権の行使の前提となる我が国に対する武力攻撃とは、基本的には、我が国の領土、領海、領空に対する武力攻撃をいうものであり、これは、これまで政府が一貫して述べてきた考え方であります。したがって、公海上にある米国の艦艇に対する武力攻撃が発生したからといって、それだけで我が国に対する武力攻撃の発生と認定できるわけではありません。
 これまでの政府答弁においても、公海上にある米国の艦艇に対する攻撃が状況によっては我が国に対する武力攻撃の着手と判断されることがあり得るのではないか、あるいは、当該攻撃が我が国に対する武力攻撃に該当するということは法理としては排除されない、つまり、旧三要件にそれが当てはまるかどうかという、これは純粋に法理論上の考え方を述べた、このように理解してもいいのではないか、こう思うわけでございます。
 実際上は、先ほど外務大臣が述べたように、集団的自衛権か個別的自衛権かは、これは日本の憲法との関係というよりも、国際法の概念とどう一致するかということでありまして、まさにそれは集団的自衛権の行使と捉えるということが常識的な考え方ではないか、こう思うわけでありまして、まさに純粋に論理的な考え方として、旧三要件に当たり得るという法理を述べたということでありますから、実際の場面を考えれば、米国の艦艇への攻撃を我が国への武力攻撃の着手と認定するのは難しいと考えられます。このような段階での米艦艇の防護は、一般には集団的自衛権の行使とみなされることになります。
 そこで、繰り返しになりますが、今回、米艦防護の事例については、個別的自衛権での対応に限界があるため、新三要件を満たす場合には、武力を行使して米国の艦艇を守る必要がある、つまり、国際法上も問題のない形でしっかりと日本人の命、そして国民の幸せな暮らしを守っていくべきだ、このように判断したところでございます。
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