吉良州司の発言 (外務委員会)
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○吉良委員 ありがとうございます。
これもお手元に配らせてもらっています。
イトクホウオンと読む方もいらっしゃるし、書物によってはイトクホウオンと仮名を振っている書物もありますけれども、イトクホウエンが正しいということで、私の方はイトクホウエンという言葉を使わせてもらおうというふうに思っています。
お手元にそのことを配付させてもらっていますが、要点としては、今大臣からもございましたが、旧悪を思わず、人に善をなすが我が民族伝統のたっとい徳性である、日本人民を敵とせず、横暴非道な武力を用いる軍閥のみを敵とすると一貫して言明してきた。言いかえるならば、中国大陸にいる軍人も一般人も、向こうの言葉で言えば、戦争指導者の犠牲者なんだ、だから、我々と同じように犠牲者なんだから、害を加えることなく帰してやれ、こういうふうに言っているわけですね。
そして、今もありました、報復してはならず、まして敵国の無辜の人民に汚辱を加えてはならない。実は、その前に自分たちは加えられた、加えられたけれども、日本人に対してやってはならないと言っているわけですね。そして、暴行をもって敵の暴行に応えるならば、あだ討ちはあだ討ちを呼び、永遠に終わらない。この部分をもって、実際は、徳をもって恨みに報いよという言葉がこの演説の中で出てくるわけではないんですが、その趣旨で、徳をもって恨みに報いよと言われているというふうに承知をしております。
私自身は、やはりこの蒋介石の、当時の総統のラジオ演説、そしてそれが当時の国民政府、また軍の幹部に徹底されていたことが、スムーズに引き揚げ、復員が完了した大きな要因だろうというふうに思っています。
私自身は、このときのことを今、中国に対してお礼を言う材料に使えないかと思っているんです。
先ほども言いました、集会をやったときに一般の人たちにこの話をすると、正直感動します。七二年当時の論争のときは、皆さん震えが来るぐらい感動して、台湾に対する恩義を強調したと理解していますけれども、この話を今一般の人にすると、当時、国民政府がどうだ、今、共産党政府がどうだ、そういうことは関係ないんです。中国の人にその当時大変温情を受けて、その結果、多くの日本人がシベリア抑留のようなことがなく無事に帰れて、そして大陸から引き揚げてきた人たちが日本の戦後復興に多大な貢献をした、こういうふうに受けとめるんですね。
先ほどのポツダム宣言、このことについては、岸田大臣の意図はよくわかりましたので私の方で理解しましたけれども、この件を例えば外務省の皆さんにお話しすると、それは当時の国民政府のことでとか、例えば日華平和条約は今の中国共産党政権は認める立場にないですとか、専門的なことをずっと言って、このことを持ち出すことはかえってマイナスにすらなるというような見解もございます。
専門的な観点からいくとなかなか難しいんだろうということは容易に想像がつくんですが、我々政治家としては、そういうような専門性をあるときは思い切って捨象して、もっとアバウトな形で、さっき言った日中関係を改善できる材料に使えるのであれば、思い切って専門性を排除する。要は、当時の中国の人たちの温情に対して感謝するんだというような持っていき方ができないかというふうに思っているんです。
これは、先ほど来言っていますように、中国に対しては一方的にこちらが、あの当時ありがとうございましたということになるかもしれませんが、この事実を日本の人たちが知ることによって対中好感度がずっと増すんです。知らない人が多いということが一点と、専門的な知見を持っている人が、失礼ながら多くはいないので、今言った、ざくっと当時の中国の人たちに救われたという印象を持つんです。
そういうようなことを今持ち出すことによって対中好感度を上げていくということについては、どうなのかというふうに思っています。
繰り返しますけれども、時にアバウトさが必要。小泉元総理が、自衛隊の行くところが非戦闘地域だとおっしゃいました。時にはあれくらいの無謀さというかアバウトさがあってもいい。
今回も、今言った専門的なことを言い始めると、これは対中好感度を上げるための材料に使えないんですよね。だから、一般の人に理解してもらう、そして中国にも少しでも日本の誠意を伝えるという意味でこの話を使えないかということについて、岸田外務大臣、どう思われますでしょうか。