富田茂之の発言 (経済産業委員会)
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○富田委員 公明党の富田茂之です。
私からも、職務発明制度の見直しについてまず御質問したいと思います。
産業構造審議会知的財産分科会特許制度小委員会が、ことしの一月に「我が国のイノベーション促進及び国際的な制度調和のための知的財産制度の見直しに向けて」の報告書を公表されました。
同報告書では、現行制度が企業におけるイノベーションの実態に対応しなくなっている問題点として、第一に、企業におけるイノベーションは、一人の発明者が行うよりもグループ単位で行うことが多く、また、一つの発明を生み出すのに発明者以外の多くの従業者が協力する場合が一般的である、第二点として、製品の高度化、複雑化により、一製品が数百、数千の特許から構成されたり、一発明が複数人から生み出されたりすることも珍しくなく、しかも、その傾向は近年一層顕著だというふうに指摘をされております。
さらに、特許を受ける権利の承継の際の二重譲渡の問題、特許を受ける権利が共有に係る場合の帰属の不安定性の問題を指摘されて、企業におけるイノベーションの障害になるおそれがあるというふうに指摘をされています。これらの問題点の指摘はまことに的を得たものだというふうに考えます。
私ども公明党の経済産業部会は、職務発明制度の見直しにつきまして、二月二十五日に日本経済団体連合会、日本商工会議所、そして二月二十七日に日本労働組合総連合会、日本弁理士会から、それぞれの団体の御意見をお伺いいたしました。
これらの各団体の意見の中で、日本商工会議所の意見は大変傾聴に値するものでした。
少し御紹介をさせていただきたいんですが、まず第一点目として、中小企業のイノベーションの実現の鍵は、ものづくりで蓄積された高度な技術と知的財産の活用にある、知的財産活用のためには職務発明は法人に帰属させることが求められ、高度な技術力の維持強化のためには発明者に帰属させることが望ましい場合もある、これら両者のベストな組み合わせが中小企業のイノベーション実現のために必要であるというふうにまず言われました。
第二点として、我が国中小企業の中には職務発明規程等を十分に整備していない企業も少なくない。先ほど自民党の宮崎先生の方から二割程度だという御指摘がありましたが、商工会議所からは、東京商工会議所中小企業の知的財産に関する研究会が行ったアンケートで、職務発明規程があると回答した企業は全体の一九・四%、二割に満たないという数字も教えていただきました。
限られた経営リソースの中、従業者との調整を経てこうした規程等を整備する余力のない企業も存在するのが実情である、仮に一律に職務発明が自動的に企業に帰属することとなると、職務発明規程等がない中小企業の経営者と従業員との間で、その報奨等をめぐってトラブルが発生するおそれがある。
三点目として、中小企業は、少人数の人的なつながりを生かして経営しているため、職務発明規程等を整備して特定の社員に金銭的に報いる仕組みをとっている場合は少なく、社長表彰など企業風土に応じたそれぞれの工夫によって活力の向上を図っている、また、小規模の企業では経営者自身が現場に入り込んで研究開発を行っていることが多いというふうな御意見でした。
そして、こうした実態を踏まえると、新たな制度では、全ての中小企業に対して一律に職務発明規程等の整備を義務づける仕組みとしないように、また、職務発明規程等を有しない中小企業に対してまでも一律に特許が法人帰属とならないように配慮することが望ましいという御意見でした。
今回の職務発明制度の見直しは、このような意見を踏まえたものと理解してよろしいでしょうか。