経済産業委員会

2015-05-27 衆議院 全140発言

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会議録情報#0
平成二十七年五月二十七日(水曜日)
    午後一時三分開議
 出席委員
   委員長 江田 康幸君
   理事 佐藤ゆかり君 理事 鈴木 淳司君
   理事 田中 良生君 理事 三原 朝彦君
   理事 八木 哲也君 理事 中根 康浩君
   理事 鈴木 義弘君 理事 富田 茂之君
      穴見 陽一君    井上 貴博君
      石川 昭政君    大見  正君
      岡下 昌平君    梶山 弘志君
      勝俣 孝明君    神山 佐市君
      黄川田仁志君    今野 智博君
      佐々木 紀君    塩谷  立君
      白石  徹君    助田 重義君
      関  芳弘君    武村 展英君
      冨樫 博之君    野中  厚君
      細田 健一君    宮崎 政久君
      神山 洋介君    近藤 洋介君
      篠原  孝君    田嶋  要君
      本村賢太郎君    渡辺  周君
      落合 貴之君    木下 智彦君
      國重  徹君    藤野 保史君
      真島 省三君    野間  健君
    …………………………………
   経済産業大臣       宮沢 洋一君
   経済産業副大臣      山際大志郎君
   経済産業大臣政務官    関  芳弘君
   政府参考人
   (経済産業省産業技術環境局長)          片瀬 裕文君
   政府参考人
   (特許庁長官)      伊藤  仁君
   政府参考人
   (特許庁特許技監)    木原 美武君
   政府参考人
   (特許庁総務部長)    堂ノ上武夫君
   政府参考人
   (特許庁審査業務部長)  諸岡 秀行君
   経済産業委員会専門員   乾  敏一君
    —————————————
委員の異動
五月二十七日
 辞任         補欠選任
  黄川田仁志君     今野 智博君
  福田 達夫君     助田 重義君
  渡辺  周君     本村賢太郎君
同日
 辞任         補欠選任
  今野 智博君     黄川田仁志君
  助田 重義君     福田 達夫君
  本村賢太郎君     渡辺  周君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 特許法等の一部を改正する法律案(内閣提出第四四号)
     ————◇—————
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江田康幸#1
○江田委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、特許法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として経済産業省産業技術環境局長片瀬裕文君、特許庁長官伊藤仁君、特許庁特許技監木原美武君、特許庁総務部長堂ノ上武夫君及び特許庁審査業務部長諸岡秀行君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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江田康幸#2
○江田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
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江田康幸#3
○江田委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。宮崎政久君。
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宮崎政久#4
○宮崎(政)委員 自由民主党の宮崎政久です。
 きょうは、特許法の改正につきまして質問の機会をいただきましたこと、委員長初め理事各位の皆様に御礼を申し上げます。
 さて、今回の特許法の改正、経済産業委員会でこういった形で審議がされますが、知財戦略というのは、この国の行くべき大きな歩みのポラリスというんでしょうかね、目指すべき方向性だと私は実は思っております。それを、経済産業政策という形でこの委員会で審議をして前に進めていくということは、大変意義深いことだと私は思っております。
 早速、具体的な中身に入りたいと思います。
 まず最初に、ガイドラインのあり方について質問をさせていただきたいと思います。
 今回の特許法の改正によりまして、会社の従業者等が職務上の発明を行った場合であっても、職務発明規程をあらかじめ定めることによって、この特許権を会社に最初から、これは原始帰属でありますけれども、原始帰属をさせることができるようになるわけであります。
 この制度改正に関しましては、いろいろな声がある。例えば、発明者に認められていた権利やインセンティブの法的な基盤が失われてしまうんじゃないか、そのことによって、中長期的には報奨が引き下げられてしまうんじゃないかとか、そういうことを繰り返すことによって有為な発明人材というものが海外に流出してしまって、我が国の国力をそぐことになるんじゃないか、こんな御指摘もございます。
 他方、この改正によって、権利関係の紛争を未然に防いで、安定的な職務発明に関する知財の運営ができるようになる。実際の職務発明の現場、企業において、さまざまな製品開発などをしていく前提となる我々の産業の基盤という意味でいうと、この安定化のメリットというのは非常に大きいところがございます。
 従業者の側としても、あらかじめしっかり、これは権利でありますけれども、相当の金銭その他の経済的な利益というものを確認することができれば、逆に言えば、発明後のことに煩わしい思いを持つことなく、安心して研究活動であったり企業活動、日々の目の前の業務、こういうものに打ち込むことができる、こういうメリットもあるわけであります。
 著名な事件としては日亜化学の事件がございます。この裁判の中で、中村博士との間で、例えば当初報奨金が二万円だとか、第一審の判決では二百億円が相当だとか、高等裁判所で和解する段になったら今度は六億円だとかというような形で、裁判所の認定額も含めて、争われた額、扱われた額が大きく変動した、こういう事情もありました。もちろん、日亜化学さんの方としては、多額の給料で処遇をしてきた面を考慮するべきであるという主張もありましたし、また研究者の側からすれば、それは発明の対価というか、今でいえば報奨になるわけですけれども、これは対価ではないじゃないか、こういうような主張がありました。
 つまり、この裁判に象徴されるのは、特許、発明に関して、職務発明の分野において労使の間で共通の認識を持っていない、持つような制度がないということによって、これだけの混乱と、事業活動においても、また、働いている、発明をされている研究者の方にとっても、さまざまリスクが出てしまう、顕在化してしまうということでありまして、この事例一つとってみても、きっちりとした決まりがないということは、会社の側にも、働く人の側にも、両方いい話じゃないということになるわけです。
 こういう権利の不安定さを克服するという意味で一定の指針が示されるということになれば、まさしくこれは職務発明の場面で、企業、使用者側にとっても、発明をされる従業者側にとっても、ウイン・ウインの関係が導けるということになります。
 問題は、「相当の金銭その他の経済上の利益」という、三十五条四項の改正案の中にあるこの文言が、どれだけの内実を持ったものとして定められるかということになるわけでありまして、そこで、そのガイドラインというものの持ってくる意味は非常に大きいと思うわけです。
 発明を奨励して、イノベーションを創出して、科学技術立国、知財立国日本をつくり上げていく、こういう意味で発明者のモチベーションを保つ、増進するというのが、ガイドラインをつくる上では非常に重要なことだと私は思っております。
 このガイドラインの策定に向けた宮沢経済産業大臣のお考えを聞かせていただきたいと思います。
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宮沢洋一#5
○宮沢国務大臣 長らく弁護士としてまさに実務に携われた宮崎委員から今法律論的な御質問をいただいて、やはり弁護士さんだなと思いながら話を承っておりました。
 今御説明がありました。これからの日本の経済とか産業を考えますと、サービス業を含めていかに生産性を向上させていくかということが大変大きな課題となっております。生産性を向上させるためには、やはりイノベーションといったものをさらにさらに進めていかなければいけないという中で、発明をされる方、発明者に対するインセンティブを確保するということが大変大事な政策だろうと思っております。
 今回の改正法案では、発明の奨励を目的とし、発明のインセンティブを決定する手続に関するガイドラインを策定することを法定化しておりまして、このガイドラインというものが、おっしゃるように大変大事なものだと思っております。
 ガイドラインにつきましては、発明者との協議や意見聴取などのあり方について明示して、発明者の研究意欲が湧くようなインセンティブを確保するということとしております。
 まさにこのガイドラインによってしっかりと手続を踏んでいただいて、発明に従事される、研究に従事される方にインセンティブが湧くような、そういうことをしっかり奨励していきたいと思っております。
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宮崎政久#6
○宮崎(政)委員 大臣、ありがとうございました。
 今大臣も繰り返し触れていただきましたが、やはり、発明を奨励するインセンティブ、これが最終的にはこの国が知財立国として大きく飛躍していくためのポイントになるんですね。ですから、ぜひそこへの御配慮を十分にいただきたいと思います。
 二番目には、今度は、中小企業支援策はどうなんだということについてお伺いしたいと思います。
 特許をめぐる、要するに職務発明に関してですけれども、こういう点は職務発明規程を定めるということによって調整できるわけです。大企業は九九%がこれを整えている。しかしながら、中小企業でどれぐらいなんだと調べたところ、これは二〇%の会社でしかその備えがない。
 私は、この二〇%しか職務発明規程が整っていないというのは、単にこの規程を置いているかどうかというような意味ではなくて、例えば、就業規則のようなものであれば、モデル就業規則があることによって、そういうことが示されることによって、中小企業においても零細企業においても、常時十名以上の雇用をしているところでは、みんな定められているわけですね。ところが、いろいろ中小企業で発明にかかわっている会社でも、なかなかこういう規程が置けていない。
 この二〇%というのは、規程がどれぐらいかということが氷山の一角となって、つまり、現在の知財をめぐる行政の支援が中小企業にどれだけ行き渡っているのかということを示している数字でもあると思うんです。
 言うまでもなく、中小企業というのは、日本の産業の柱でありますし、イノベーションの先駆け、パイオニア、大企業の下請をしているというだけではなくて、市場をリードし、日本の国を引っ張っていっているところであります。知財を扱うだけのマンパワーが足りない、情報が十分に行き渡っていないということが、この二〇%に出ているんだと思います。
 お許しをいただいてお配りした資料の一枚目では、日本の特許出願件数に占める中小企業の割合はわずか一二%だというようなことも調査で出てきております。
 中小企業にこそ、この法改正をもって、知財総合支援窓口のような支援を十分に活用すること以上に、新たなイノベーションを導く入り口をもっともっとつくっていかないといけない。安倍政権が今進めている地方創生の取り組みとも連動していくわけでございます。
 そこで、山際副大臣に、これから知財の分野について、どういった形での中小企業支援策を進めていくか、その御所見を伺いたいと思います。
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山際大志郎#7
○山際副大臣 これはもう委員御指摘のとおり、知財だけではありませんけれども、中小企業に対しての支援策というものがいまだ不十分であるというのはおっしゃるとおりだと思います。一方で、民間の企業が自分の力で業をなしていくということも大変重要なことでございまして、そのバランスをどうとっていくかということを、我々としても、日ごろから御指導を賜りながら御支援申し上げるというふうにしております。
 今、中小企業に対して、知財の分野においてどのような支援をしていくかという御質問でございましたので、これからというより、今始めているところとして、中小企業が知財について気軽に相談できる体制の整備、これは具体的には、全国四十七都道府県に設置されている知財総合支援窓口で活動する弁理士、弁護士等の専門家の活用を拡大するであるとか、あるいはジェトロ等々も通じまして、世界に羽ばたきたい、こういった中小企業の海外展開を一気通貫で応援するような支援メニューというものも用意してございます。
 また、今回提出させていただいておりますこの法律案が成立した場合には、職務発明規程の重要性を啓発するため、全国規模の説明会の開催や、先ほど申し上げました知財総合支援窓口を通じて職務発明規程整備のアドバイスなどを行う次第でございます。
 また、支援策を活用した地域での具体的な支援の成功事例を積み重ねて、それを横展開するように情報を発信するというようなことも考えてございます。
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宮崎政久#8
○宮崎(政)委員 山際副大臣、ありがとうございました。
 地方経済の主役は、都市圏以上に中小企業であります。知財というものが中小企業においてももっと十全に活用される。それが、先ほど指摘をさせていただいたような、例えば規程の整備が二〇%、申請が一二%しかないというところから大きくジャンプアップして、結果としても出ていくような中小企業知財戦略というのが、この国の行く末として大きいポイントになるだろうなと思っております。
 次に、特許支援体制の充実の強化を図っていただかないといけないという点について質問させていただきます。
 改正法の三十五条六項では、「発明を奨励するため、」という文言が入っているんですね。特許法の目的というのは、第一条にあります。「この法律は、発明の保護及び利用を図ることにより、発明を奨励し、もつて産業の発達に寄与する」というのが目的なんです。つまり、第一条で「発明を奨励し、」というのが目的ですよということが書いてある法律において、今度改正法で、改めて「発明を奨励するため、」という文言を入れたということの意味は、実は私は非常に大きいんじゃないかというふうに思っております。
 きょう、お許しをいただいてお配りをさせていただいた資料の三枚目を見ていただきますと、一人の審査官が抱えている審査の処理件数、これが日本は二百三十四件である。アメリカの約三倍、欧州諸国の約五倍というようなことになります。
 発明を奨励すれば、当然出願件数もふえてくる。日本再興戦略二〇一四でも、世界最速、最高品質の知財システムの確立を目指すとある。今まで以上に出願件数がふえてきても、迅速、適切に処理できる人的な体制、システムの構築が不可欠だと思うんです。これをしなければ、絵に描いた餅になってしまう。
 そこで、知財立国日本の確立という意味で、私ども政治の現場から全力で応援をしていくことはもちろんでありますけれども、特許庁にぜひ頑張っていただきたい、そう思っているわけです。この点に関する伊藤長官の御決意を聞きたいと思います。
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伊藤仁#9
○伊藤政府参考人 委員御指摘のとおり、知財立国を推進するため、審査体制の整備、強化を進めて、諸外国からも信頼される世界最速あるいは最高品質の審査を実現することが極めて重要な課題であると認識しております。
 人員面では、迅速な審査あるいは質の高い審査を行うべく、平成二十七年度の予算において、百名の任期つき審査官を手当てさせていただいております。
 また、予算面でも、膨大な文献の中から効率的に審査を行うための情報システムの整備、あるいは先行技術調査を民間企業にアウトソーシングするといったような形で、効率的な審査を実施するための予算も確保させていただいております。
 他方で、世界最速あるいは最高品質の審査を実現するためには、現状の審査体制ではまだ十分ではないと認識しておりまして、審査官の確保を含め、人員、予算面からの環境整備を精力的に進めていきたいと思っております。
 以上でございます。
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宮崎政久#10
○宮崎(政)委員 ありがとうございました。
 日本の国の進むべき道としての知財立国の実現に向けて、私もこれからも全力で取り組んでいくことをお誓い申し上げまして、質疑を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
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江田康幸#11
○江田委員長 次に、富田茂之君。
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富田茂之#12
○富田委員 公明党の富田茂之です。
 私からも、職務発明制度の見直しについてまず御質問したいと思います。
 産業構造審議会知的財産分科会特許制度小委員会が、ことしの一月に「我が国のイノベーション促進及び国際的な制度調和のための知的財産制度の見直しに向けて」の報告書を公表されました。
 同報告書では、現行制度が企業におけるイノベーションの実態に対応しなくなっている問題点として、第一に、企業におけるイノベーションは、一人の発明者が行うよりもグループ単位で行うことが多く、また、一つの発明を生み出すのに発明者以外の多くの従業者が協力する場合が一般的である、第二点として、製品の高度化、複雑化により、一製品が数百、数千の特許から構成されたり、一発明が複数人から生み出されたりすることも珍しくなく、しかも、その傾向は近年一層顕著だというふうに指摘をされております。
 さらに、特許を受ける権利の承継の際の二重譲渡の問題、特許を受ける権利が共有に係る場合の帰属の不安定性の問題を指摘されて、企業におけるイノベーションの障害になるおそれがあるというふうに指摘をされています。これらの問題点の指摘はまことに的を得たものだというふうに考えます。
 私ども公明党の経済産業部会は、職務発明制度の見直しにつきまして、二月二十五日に日本経済団体連合会、日本商工会議所、そして二月二十七日に日本労働組合総連合会、日本弁理士会から、それぞれの団体の御意見をお伺いいたしました。
 これらの各団体の意見の中で、日本商工会議所の意見は大変傾聴に値するものでした。
 少し御紹介をさせていただきたいんですが、まず第一点目として、中小企業のイノベーションの実現の鍵は、ものづくりで蓄積された高度な技術と知的財産の活用にある、知的財産活用のためには職務発明は法人に帰属させることが求められ、高度な技術力の維持強化のためには発明者に帰属させることが望ましい場合もある、これら両者のベストな組み合わせが中小企業のイノベーション実現のために必要であるというふうにまず言われました。
 第二点として、我が国中小企業の中には職務発明規程等を十分に整備していない企業も少なくない。先ほど自民党の宮崎先生の方から二割程度だという御指摘がありましたが、商工会議所からは、東京商工会議所中小企業の知的財産に関する研究会が行ったアンケートで、職務発明規程があると回答した企業は全体の一九・四%、二割に満たないという数字も教えていただきました。
 限られた経営リソースの中、従業者との調整を経てこうした規程等を整備する余力のない企業も存在するのが実情である、仮に一律に職務発明が自動的に企業に帰属することとなると、職務発明規程等がない中小企業の経営者と従業員との間で、その報奨等をめぐってトラブルが発生するおそれがある。
 三点目として、中小企業は、少人数の人的なつながりを生かして経営しているため、職務発明規程等を整備して特定の社員に金銭的に報いる仕組みをとっている場合は少なく、社長表彰など企業風土に応じたそれぞれの工夫によって活力の向上を図っている、また、小規模の企業では経営者自身が現場に入り込んで研究開発を行っていることが多いというふうな御意見でした。
 そして、こうした実態を踏まえると、新たな制度では、全ての中小企業に対して一律に職務発明規程等の整備を義務づける仕組みとしないように、また、職務発明規程等を有しない中小企業に対してまでも一律に特許が法人帰属とならないように配慮することが望ましいという御意見でした。
 今回の職務発明制度の見直しは、このような意見を踏まえたものと理解してよろしいでしょうか。
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宮沢洋一#13
○宮沢国務大臣 成長戦略のまさに主役は中小企業であり中堅企業だと私は思っておりまして、そのためにも、中小企業においてイノベーションをどんどん進めてもらうということが大変大事であります。
 一方で、まさに御質問のとおり、中小企業の中には職務発明規程を有していない企業が多々あるということは事実でありまして、したがって、今般の法改正におきましては、職務発明規程などであらかじめそういうものを定めてある場合には特許を受ける権利は初めから使用者帰属といたしますけれども、逆に職務発明規程等を有していない中小企業につきましては、引き続き従業員帰属とさせていただいたところであります。
 一方で、職務発明規程を、まさにこれからいろいろな特許を取る可能性の高い中小企業においては、そういう規程等を整備していただくということは大事なことだと思っておりまして、中小企業に対して、職務発明規程の整備などの支援をこれから積極的に進めていきたいと思っております。
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富田茂之#14
○富田委員 今回の見直しに当たっては、相当の対価を相当の利益というふうに変えましたけれども、これをどう決定していくかが大変重要だと思います。
 先ほど宮崎先生の方からも質問ありましたけれども、改正法第三十五条第六項の指針、いわゆるガイドラインをどのように策定していくのかが大事になると思います。大臣からは、研究従事者にインセンティブを与えていくんだという御回答がありましたが、この点について再度確認をしたいと思います。
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山際大志郎#15
○山際副大臣 今、ガイドラインのお話がございました。ガイドラインの具体的内容といたしましては、相当の利益の基準策定のための従業者との協議、そして相当の利益の基準の従業者への開示、さらには相当の利益を付与する際の従業者への意見の聴取を想定してございます。
 これを決めていくに当たりましては、産業界や労働界の代表、研究者、学識経験者から構成されます産業構造審議会の意見を聞くこととしてございます。
 これによりまして、従業者が相当の利益の決定手続に参加できることとなりまして、従業者の納得感が高まるものと考えてございます。
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富田茂之#16
○富田委員 ぜひ、よろしくお願いしたいと思います。
 委員長、理事の御了解をいただきまして机上に資料を配付させていただきました。A4判になっていますが、実際は新聞の全面広告で、多分何千万かかるんだと思うのですが、すごい広告を、中村先生、また弁護士の升永先生が発明を奨励する会ということで意見広告をされております。
 二〇一四年十一月二十日付の朝日新聞の意見広告ですが、この中に、大正十年以来今日までの九十三年間、特許法は、発明はサラリーマンのものと定めている。今日まで九十三年間続いているこの特許法の規定を、発明は会社のものに変更しようとする法改正の動きがある。それに対して、猛反対だというふうに大きな文字で出ているんですが、ちょっと誤解もあるんじゃないかな。この後、ずっとやってきまして、先ほど特許制度小委員会報告書によりますと、こんな指摘がありました。
  なお、職務発明制度を巡っては、「発明は会社のものか、社員のものか」といった短絡的な議論がなされることが少なくないが、上記の見直し後の新たな制度の下では、そのような会社と社員の二項対立を想定したような問いは、不適切である。
  新たな制度の下では、職務発明に関する「特許を受ける権利」は、原則として、初めから会社に帰属することとなるが、職務発明の発明者は、従前通り、社員とされる(「発明者人格権の従業者等帰属」)。それゆえ、職務発明が会社と社員のいずれのものかを言うことは、一概にはできない。また、優れた職務発明は、会社の経営者と社員が目的を共有し、協働するときに生み出すことができる。その成果は、いわば経営者と社員の共通の利益であって、その利益がいずれに帰するかを争うことは生産的であるとは言えない。
との記述があります。
 私もこのように思うのですが、特許庁としてはどのように考えているんでしょうか。
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伊藤仁#17
○伊藤政府参考人 御紹介いただきました特許制度小委員会の報告書は、ほぼ一年間にわたりまして、産業界、労働界、あるいは学者、学識経験者の方々からの意見を取りまとめたものでございまして、これを踏まえて今回の法改正に我々は臨んでいるところでございます。
 お話がございました今回の職務発明制度の見直しについて、中村教授を含めた発明を奨励する会では、本改正案が発明は会社のものに変更するものだということで、発明の奨励に反するという意見広告が出されているわけでございます。
 一方、今回提出させていただいています法案では、特許を受ける権利を初めから法人帰属にすることを可能とするものでありますが、他方で、職務発明の発明者については、従前どおり、当該発明を生み出した従業者が発明者でございます。
 また、本改正案では、発明者に対しまして企業がインセンティブを付与するということを法定していまして、現行法と同様に発明を奨励していくという考え方でございます。発明の奨励に反するという御指摘は当たらないものというふうに我々は考えているところでございます。
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富田茂之#18
○富田委員 ぜひ、その点も御理解いただけるように、今後の広報等で、誤解されているようでしたらきちんと御説明をしていただきたいというふうに思います。
 先日、日経新聞にぼんと出てびっくりしたんですが、五月二十一日、日本国特許庁と米国特許商標庁は、平成二十七年八月一日から日米共同審査を開始することに合意したという報道がありました。これまでとどのように手続が変わって、どのようなメリットがあるのか。特許庁によりますと、「世界で初めて米国との間で特許審査の協働調査を開始します」ということで、「日米両国での早期かつ同時期の特許権の取得が可能に」とプレスリリースされていました。この点について御説明いただければと思います。
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木原美武#19
○木原政府参考人 お答え申し上げます。
 企業の事業活動がグローバル化する中、日本のみならず海外でも特許権を迅速に取得する必要性が高まっているところでございます。
 委員御質問の、本年八月から開始予定の日米共同調査は、日米両国に特許出願された発明につきまして、出願人からの申請によりまして、日米の特許審査官がまずそれぞれ先行技術調査を実施いたします。その調査結果を共有した後に、それぞれの特許審査官が早期かつ同時期に最初の審査結果を送付するものでございます。
 この日米共同調査を活用することによりまして、我が国企業は、日米におきまして、より強く安定した権利を早期かつ同時期に取得することが可能となるわけでございます。両国での事業展開をより円滑に進めることができるものと考えております。
 また、日米での早期の権利取得によりまして、それ以外の国におきましても、我が国企業の権利取得の予見性が高まるものと期待されるものでございます。
 こうした取り組みを通じまして、今後も我が国企業の国際事業展開を後押ししてまいる所存でございます。
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富田茂之#20
○富田委員 済みません。ちょっとその関連で、質問通告していなかったんですが、その新聞に、今おっしゃられたように、ほかの国にもどんどん広げていくということで、「日本は国ごとに異なる特許や商標の出願手続きを統一する国際条約に今秋にも参加する。」というような記述がありましたけれども、これはどうなっているんでしょうか。
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伊藤仁#21
○伊藤政府参考人 それは、今特許法で国内担保措置をお願いしております特許法条約と商標法条約の二本のことでございまして、現在、国会の中でその条約の批准に向けての検討をしていただいているところでございます。
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富田茂之#22
○富田委員 その条約の審議ができればここに参加できるということで理解していいんですか。(伊藤政府参考人「はい」と呼ぶ)ありがとうございました。終わります。
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江田康幸#23
○江田委員長 次に、中根康浩君。
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中根康浩#24
○中根(康)委員 民主党の中根康浩でございます。
 富田先生が突然終わられましたので、済みません、息を整えて始めたいと思います。
 私のほか、この後、委員が二人、深掘りをした議論をすると思いますので、私は、今まで前段の質問者、自民党、公明党の委員の皆様方が御質疑されたことも含めて、幾つか、議論の入り口として確認をさせていただく作業をこの時間でさせていただきたいと思っております。
 特許法の改正案の主要な論点の一つは、今も議論されておりました、職務発明に関する特許を受ける権利を現行の発明者帰属から法人帰属を可能とするように変える、これがこの改正案の一つの重要な柱ということになっております。
 政府が法改正を必要だと考えたのは、発明者あるいは従業者への対価の支払いを切り下げたい、発明した人への対価の支払いを引き下げたいという産業界からの御要望を反映したものになっているのではないかという見方もあるわけでありますけれども、今回のような九十年ぶりの法改正ということでありますが、法改正をしないと競争力が弱体化するとか、いろいろと理由はあろうかと思いますけれども、今回、このような大きな方向の転換をしなければならなかった何か立法事実というものがあるのか。産業界からの対価の切り下げだ、これが理由だということではないはずでありますので、説得力のある法改正の理由をお示しいただきたいと思います。
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宮沢洋一#25
○宮沢国務大臣 特許法の前回の大きな改正が十六年ですから、十年近くぶりの改正ということになるわけでありますけれども、この間、グローバル化というのはますます進展をしております。また、いろいろな生産研究についてオープンイノベーションといったこともかなり進展をしてきておりまして、やはり知財戦略といったものの重要性というものが大変大きくなってきたんだろうというふうに思います。
 特に、近年、製品の高度化、複雑化によりまして、一つの製品が数百、数千の特許から構成されるようになっている。例えばカメラでいいますと、私が高校生のころ憧れていたニコンFなんというのは百ぐらいの特許だったらしいんですけれども、今のキヤノンのEOS—1Dなんというのは一万を超える特許というような、特許がかなり、同じ製品でも大変大きくなってきているというようなことで、特許戦略というのは大変大事なことになってきております。
 こうした環境の変化を踏まえて、産業界から職務発明制度の見直しの要望が高まり、日本再興戦略などにおいて見直しについての検討を明記したところであります。これを受けまして、産業界だけではなくて、労働界の代表、学識経験者などを集めた産業構造審議会において検討を進めてまいりました。
 そして、この検討を踏まえて、権利の帰属が不安定とならないようにすべく、職務発明に係る特許を受ける権利を初めから法人帰属とすることを可能とし、企業が特許を円滑かつ確実に取得できるよう環境整備を図る。
 そしてさらに、政府が、インセンティブを決定する手続につきましてガイドラインを策定いたしまして、従業者との協議や意見聴取などのあり方について明確にすることで、発明者の納得感を高め、イノベーションの源泉であります発明に対するまさにインセンティブを付与する、こういうことで今回の法改正をお願いいたしました。
 産業界も、決して相当な対価、利益を下げるためにこれを要望してきたわけではなくて、権利関係を最初からはっきりする。一方で、まさに相当な対価を従業員に納得してもらえるように、発明者がもらえるようなシステムも同時に導入するということで、双方が先の見通しが立つような制度をお願いしていると思っております。
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中根康浩#26
○中根(康)委員 大臣からのお話でも、この改正が出された契機が、やはり産業界からであるとか日本再興戦略に基づく、こういうお言葉もあったわけでありますので、やはり働く側の人、発明当事者からすれば、対価が適正、十分なものでなくなってしまうのではないか、あるいは納得できるものにこの法改正によってならなくなってしまうのではないか、こういう懸念が生じるのは自然の気持ちだと思いますので、ぜひきょうからの審議で、そういう懸念が払拭されるような議論にしていきたいというふうに思っておるところでございます。
 就業規則などで職務発明規程が整備されていない事業所については、初めからの使用者側への帰属は認められないということでよいのか。つまりは、規程等を整備していないということは使用者帰属を選択していない、こういうような考えでいいのか、確認をしたいと思います。
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伊藤仁#27
○伊藤政府参考人 お答えいたします。
 現行の制度では、職務発明の特許を受ける権利は、初めは発明者である従業者に帰属いたしまして、当事者間の取り決めに基づいて従業者から企業者に権利が承継されるという形になってございます。
 本改正におきましては、企業が従業者に対してあらかじめ職務規程等に基づいて意思表示をした場合には初めから法人帰属、これに対しまして、あらかじめ法人帰属の意思の表示をしていなければ従業者帰属という形で、選択できる形としております。
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中根康浩#28
○中根(康)委員 そういうことであるならば、契約や就業規則に職務発明は企業に属すると書けば現行法でも使用者帰属とすることは可能で、つまりは、現行法の運用の改善で十分であって、法改正までしなくてもよかったのではないかという御意見もあるわけでありますが、この点についてはどのようにお答えになるでしょうか。
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関芳弘#29
○関大臣政務官 その場合は、やはり、就業規則や職務発明規程等の社内ルールによる特許を受ける権利の継承だけでは、権利の帰属が不安定になる場合がございます。
 例えば、A社に属するA社員が発明を行いました。そのA社員が、自分の所属するA社にその発明を言わずに、B社の方にその発明内容を言ってしまって、B社がその特許の申請をしてしまった、こういうふうないろいろなケースが考えられますので、そういうふうな不安定な状況を避けるためにも、今回の法改正では、初めから法人帰属を可能とすることを法定いたします。
 その上で、権利帰属を安定化させて、企業が特許を円滑かつ確実に取得できるよう環境整備を行って、そのためのガイドラインを明確化するということでございます。
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