富田茂之の発言 (経済産業委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○富田委員 先ほど菅原局長の方から、官民戦略会議や営業秘密一一〇番の設置のお話がありました。
 渡部俊也東大教授がこんなふうに、ちょっと皮肉まじりだと思うんですが、日経新聞のインタビューで指摘をされております。
 「法律をいくら整備しても、企業自らが情報の管理水準を上げなくてはダメだ。特に中小企業には、まだ対策が遅れているところもある。」ここからなんですが、「経済産業省はこれまで「法改正だけでは流出は防げない。企業側の対策が先だ」と言い続けてきた。ようやく、企業側の対策と法整備を同時進行させることで意見がまとまりつつある」。これが今回の改正だと思うんですが、ぜひ、今大臣が言われたような取り組みをよろしくお願いしたいと思います。
 改正法第五条の二、立証負担の軽減の必要性についてちょっと確認をしておきたいというふうに思います。
 先ほど来御紹介していますキヤノンの長沢さんは、同じジュリストの座談会の中でこんなふうに指摘されていました。
 例えば、新日鐵住金とポスコの件を例にとると、ポスコが新日鐵住金から電磁鋼板に関する技術を不正取得したこと自体は事実のようですが、もともとポスコの従業員が中国の宝鋼集団に
宝山鋼鉄だと思うんですが、
 転職した後に、韓国のポスコに訴えられて、そのときに出てきた書類によって新日鐵住金からの技術流出であったことが偶然にわかったわけです。この偶然がなければ、新日鐵住金は自社技術の流出の証拠を示すことは非常に難しかったのではないかと思います。しかも、いまも裁判が続いているわけですが、ポスコ側は一部の技術については不正取得は認めていますが、その技術は使っていないと主張していて、これが裁判を長くしています。現行の法律下では不正使用を立証するのは非常に難しく、新日鐵住金のほうもそれに対して非常に苦労していると聞いております。
  この事件のように、悪意を伴った故意による営業秘密の不正取得に対応するのは、現行の営業秘密管理指針に基づく対応だけでは決してできるものではなく、非常に困難だと思います。営業秘密が不正取得されたことを掴むこと自体がかなり難しく、もし、そのような事実があるということを掴んでも、これを立証するのがかなり困難です。仮に取得まで立証できても、それを使ったことを立証するのは非常に難しいということもあって、現行の制度には限界があると思います。この限界を乗り越えるために、我々産業界を中心として、現行の制度を、実際に制度を運用する司法や捜査機関がより使いやすい制度に変えていこうと考えており、そのような活動をしています。
  後ほど別途お話をすると思いますが、秘密管理性の要件が、今までの判例からすると諸外国に比べて厳しいということがあって、産業界にとっては告訴や原告訴訟を提起することに対して大きなハードルになっています。特に中小企業はそうだと思います。
というふうに指摘されております。
 こういう背景、立法事実があって、被告が営業秘密を不正取得したこと及び当該営業秘密が物の生産方法に係るものであることなどを原告が立証した場合には、当該営業秘密の使用が疑われている被告の製品は、被告が当該営業秘密を使用してこれを生産したものと推定するというふうな形で立証負担を軽減する規定を設けるに至ったというふうに理解してよろしいでしょうか。

発言情報

speech_id: 118904080X02020150605_018

発言者: 富田茂之

speaker_id: 30144

日付: 2015-06-05

院: 衆議院

会議名: 経済産業委員会