園田博之の発言 (憲法審査会)

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○園田委員 次世代の党の園田博之です。
 我が党の方針に基づいて意見を述べさせていただきたいと思います。
 まず、立憲主義の定義についてでございますが、立憲主義とは、専断的な権力を制限して広く国民の権利を保障するという思想とされております。その思想は、国家の任務を個人の権利、自由の保障にあると考えますが、その任務を果たすために強大な権力を保持する国家自体からも権利と自由を守らなければならないとの立場をとり、国民の権利を保障することが立憲主義の目的だと考えております。その背景にあるのは、価値観、世界観の多元性を前提とし、さまざまな価値観、世界観を抱く人々の公平な共存を図るという考えであります。
 ところで、立憲主義と憲法との関係で意見を申し上げたいと思います。
 手続的な側面からいいますと、現在の集団的自衛権の議論に関して申し上げるわけですが、国会における長年の議論によって確立した憲法解釈を一内閣限りの閣議決定によって変更することは、権力を制限するという立憲主義に反するとの批判があります。これに対しては、当該閣議決定は法整備のための方針を決定したにすぎず、具体的な国民の権利義務にかかわる事項については法律によって定めなければならない。このため、最終的には、現在行われているように、国会審議のレベルで立憲主義の手続的な側面が担保されるのではないかというふうに考えております。
 集団的自衛権について、我が党は、日本維新の会時代の平成二十六年でございますが、政府の閣議決定に先立って、集団的自衛権に対する見解を発表しております。この見解は、現在の国際情勢、安全保障法制のもとにおいては、個別的自衛権のみならず、他国に対する攻撃が同時に我が国の平和、安全に重大な影響を与える事態である場合に、自国及び自国民防衛という目的のための必要最小限度の武力行使を認めることも日本国憲法の許容するところであるという、いわば政府の閣議決定を先取りする決定をしております。
 我が党の案が、我が国の平和及び安全に重大な影響を与える事態である場合に集団的自衛権を限定容認するのに対して、政府案は、国民の権利が根底から覆されるような事態と、我が党の案よりもさらに限定する形になっております。これは、先週の審査会で私が申し上げましたように、自民党と公明党で議論した結果、かなり抑制的な形になったものと推察しております。
 そういう意味では、必ずしも我が党の案どおりではございませんが、現在国会で議論されている法制度につきましては、高く評価しているところであります。
 ところで、先週の審査会において、三人の憲法学者から、閣議決定及び審査中の平和安全法制について違憲という意見が述べられたところであります。政府が違憲ということであれば我が党の案も違憲ということになってしまいかねますので、この場において反論しておきたいと思います。
 参考人の意見は、大きく言って、一つ、集団的自衛権行使容認は従来の政府見解の基本的な論理の枠内におさまっていない、二つ、武力行使について、どこまで許されてどこから許されないかという基準が不明確であり法的安定性を揺るがすという二点から、違憲と述べられたように思います。
 しかし、我が党の案は、一つは、一言に日本国憲法の解釈といっても、一見全ての武力行使を禁止しているともとれる九条と、政府に国民を守る責務があることを前提とする十三条を整合的に解釈する必要があり、そのことからすると、外部からの急迫不正な侵害などによって国民の生命、財産が危機にさらされる場合に自衛権行使が認められることは当然であること。現在の国際情勢、安全保障環境のもとでは、我が国に対する直接の急迫不正の侵害がなくても、我が国と密接な関係にある国に対する攻撃が同時に我が国の平和及び安全に重大な影響を与える事態である場合に、あくまでも自国及び国民防衛のための集団的自衛権を認めることは、国民の生命、安全を守るために必須であり、憲法に反するものではないし、これは従来の政府見解とも整合性があると考えております。
 また、法的安定性につきましても、我が党の案は、被攻撃国からの支援要請に関する詳細な要件設定や内閣の判断と国会承認など、厳格な六重の要件を設けており、法的な安定性を害するものではないと考えております。
 ところで、我が党の集団的自衛権に関する見解には、内閣による憲法解釈の変更に対する裁判所による統制が必要として、政治部門に属さない、裁判所による統制の充実強化を図る必要が強調されております。これは、先日の笹田参考人の、憲法保障のためにはクールに考える部門、場所が必要という意見に応えるものと言えると考えております。
 このような考えに立って、我が党は、昨年四月に既に、通常の司法審査とは異なる形で、裁判所による抽象的な合憲性審査を行う機関として、憲法改正によって欧州各国のような憲法裁判所を設けることや、憲法改正をしなくても認められる余地のあるものとして、最高裁判所に憲法部を設置することを検討することを提言しております。この点におきましては、笹田参考人の問題意識を共有するものであり、今後、当審査会において積極的な検討をお願いしたいと思っております。
 ただ、その際には、現在の我が国の裁判所は、司法権の担い手としての機能を十分に発揮できるように裁判官の育成を初めとする機構設計がなされているところ、笹田参考人の言うクールに考える部門、場所には、従来の司法裁判所とは全く異なった能力が求められると考えられ、その点を踏まえた制度設計が必要であることに留意すべきであろうと考えております。
 以上で終わります。

発言情報

speech_id: 118904183X00420150611_012

発言者: 園田博之

speaker_id: 12529

日付: 2015-06-11

院: 衆議院

会議名: 憲法審査会