廣瀬明美の発言 (厚生労働委員会)
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○廣瀬参考人 皆さん、おはようございます。廣瀬明美です。私は元派遣労働者です。当事者でございます。
私は、三十代の前半、派遣先の正社員と同一業務で働き、派遣法違反で三年三カ月余り働かされてきました。そのことによって体を壊してしまい、言葉に詰まりながらになるかと思いますが、お許しください。
労働者派遣法が制定されて三十年になりますが、法改正の際に参考人として当事者の声を聞いていただくことはありませんでした。二〇一三年に取りまとめられました今後の労働者派遣制度の在り方研究会や、この法案のベースになった労働政策審議会において、これまで派遣労働者が発言するということはなかったので、今回ようやく当事者の声を聞いていただける場を設けていただけたことに心より感謝を申し上げます。ありがとうございます。
当事者として、まず初めに、私の簡単な派遣就労をお話しさせてください。詳しいことは、お手元の振り番、三番から八番の資料になります。
二〇〇六年から二〇〇九年の三年三カ月余りに、派遣先日本赤十字社で、国内独占事業である血液センターの献血業務にて正社員と同一業務に従事してまいりました。派遣元は株式会社スタッフサービスです。最初から正社員と同じ業務、途中から役職や企業内研修の研修係までしてまいりました。
これは、既に厚労省、東京と神奈川労働局、東京地裁において派遣法違反が認定されております。東京地裁においては、日赤職員との同一業務に従事していたことも認定されております。
私は不当解雇に遭った一人です。二〇〇九年九月、会社間で労働者派遣契約が急遽打ち切られ、日赤から、あなたの会社の言ってきたことがのめなくて派遣会社にうんざりしてきたから、今月で期間満了と、業務中に電話で直接事実上の解雇通告を言い渡されました。それからの五年半、現場復帰を願い、労働者保護を訴えてきました。
日赤は一貫して勤務中の私に全く非はないという態度でしたが、残念ながら、立場の弱い派遣労働者の係争には限界がありまして、現場に戻ることはできませんでした。
私が働きかけたことで、日赤と、それからスタッフサービスの取引先での違法に遭っている派遣労働者は、是正措置として直接雇用になり、その後正社員化になっていらっしゃる方もいらっしゃいます。私の念願だった、血液センターで働きながら子育てをするということは、これまで派遣社員においては前例はなかったのですが、本件を契機にかなえていらっしゃいます。
本件は、ことしの三月末に和解をし、私は日赤の上司から、仕事への貢献に対し感謝を述べていただき、派遣先と派遣元から今後も事件の経過を語ってよいということで合意をいたしました。
今回の法案の方に移ります。
お手元の資料の一番ですが、現在、派遣労働者は百二十六万人いらっしゃいます。そのうち六割が女性であります。そして、専門二十六業務におきましては、四十万人の方が従事しておられます。そして、そのうちの八割が女性でいらっしゃいます。
立場が大変弱いので、権利を主張しますと、即、首を切られてしまいます。ですから、声を上げたくても上げることができません。ですので、私が今回代弁させていただくことになりました。女性の派遣労働者の実態をどんどん語っていきます。
現行法でも大変な実態は、今の私の話からもおわかりになっていただけるかと思います。
そして、この法改正で、私は改悪法案だと思っておりますが、この改悪法案が通ってしまいますと、三年の常用代替が可能になってしまいます。そうしますと、低賃金また低処遇で、体を壊してしまうことになりかねません。低賃金なので、食べていくこともできませんし、体を壊してしまいます。そして、将来設計も立たなくなります。これを認めてしまうことはできません。
そして、この法案、ますます大変になっていく。この問題点は、大きく二点あります。
まず、正社員にますますなりにくくなる、なれません。そして、正社員がゼロになる、一生派遣になる。
なぜなら、これは今までは業務単位でした。派遣先企業の繁忙期や、例えば子育て中の派遣先の職員の方の穴埋めなどに、補填というか、繁忙期やそういうところに一時的に派遣するという仕組みでした。その働き方においては直接雇用の申し込み義務が一年目、三年目にありました。そういう一時的な働き方から、今回、それが取り払われて、今回の法案では事業所単位となります。それで人を三年ごとに入れかえるということになります。これで臨時的、一時的だとしておりますが、これは、派遣を恒久的に使うことになりますよね。そして、人を入れかえるということは、この発想自体が、より物扱いになっていると私は思います。
そして、もう一方の人単位に着目したときですが、課をかえれば何年でも派遣で働くことになり、派遣の固定化につながります。これは、まさに生涯派遣です。
そして、安価な労働力として、派遣労働者のいなかったポストに派遣労働者が入り、正社員の仕事が置きかわるので、正社員がゼロになる法案です。これは、正社員の道を開く法案ではなく、正社員の道を閉ざす法案です。
そして、問題点、二点でございますが、専門二十六業務の今いらっしゃいます四十万人の方々、八割が女性ですが、この方々、今、四十万人の方々が、この法案が通れば三年後に雇いどめ。派遣先から私のように直接言われる場合もありますから、もう事実上解雇になります。こういった方々の声をどうするんですか、この法案。
実際、たくさん、全国各地から声が寄せられております。まず、幾つか紹介いたします。
昨日ヒアリングさせていただいたんですが、大阪の三十代女性が、現在、専門業務三号の放送機器等操作の業務で二十年近く働いていらっしゃいます。同じ派遣先で働いていらっしゃいますが、今回の法案を知り、今仕事があるのに何で法律によって仕事を奪われないとならないのとおっしゃっております。法律で命の期限を決められるというふうにおっしゃっておられました。また、私たちは生きる権利はないのか、現状としてある仕事を取り上げないでという悲鳴が、きのう訴えておられました。長年働いてきた仕事を奪われること、そして、愛着のある職場を三年で強制的に去らねばならなくなることで精神的に参ってしまうとおっしゃっておられます。
また、ある五十代の女性は、十五年間同じ派遣先で勤め、その契約内容は、五号の事務用機器操作の専門業務です。彼女は先日、派遣会社より、もしこの法案が九月一日に施行されれば三年後には法令遵守にのっとると言われました。これは、なれ親しんできた十五年間の職場を去るということになります。これはもう事実上の雇いどめを告知されたようなものであります。そして、派遣先の上司に伺ったところ、同じような回答を受けたということで、この方はシングルマザーで、二人のお子さんを抱えていらっしゃいます。この方は今、不安で夜も眠れなくて、そして、もうこの法案が通れば一家心中も考えているというふうにおっしゃっております。だから、何とかこの法案をとめてほしいと、必死に毎日毎日訴えておられます。皆さん、ぜひこの声を聞いてほしいと思います。
あと一件、聞いてください。
私の知り合いなんですが、五十代の女性で、三十代、四十代は専門業務で働いていらっしゃいました。それで役職も、派遣なんですが、課長職までされておりました。私も、派遣ですが、役職がついておりました。
しかし、派遣は、事前面接が公然と、違法派遣ですけれども、まかり通っております。五十代、四十代で面接を受けると、採用が不採用になってしまいます、年齢ということで。派遣の場合は、露骨に年齢を理由に不採用になります。すると、専門業務で働けなくなり、日雇い派遣に移行してしまいます。そうすると体力的にも年齢的に衰えて、日雇い派遣で働くとなると体調不良になって、今本当に厳しい状態にさらされていらっしゃいます。
こういった方々の本当に悲痛な叫びが今全国各地から寄せられています。専門業務、今仕事があるのに、どうしてこの法案でなくしてしまうのか、厳格化して残すべきです。今、不安定ながらも、有期雇用である人たちもいらっしゃいます。でも、今、なれ親しんできた職場があります、そして仕事があります。何でこの法案で奪うのという声が全国各地から寄せられていることを、皆さん、実態を知っていただきたいと思います。
そして、雇用安定措置なんですが、これは本当に実効性はありません。私の実態から述べさせていただきます。
まず最初に、派遣先に派遣元から直接雇用の依頼とありますが、私、実際、派遣会社スタッフサービスに、最後、労働者派遣契約が切れたときに、直接雇用に申し込んでくださいと言ったんですが、会社間の契約がもうないからといって、無理でした。
何せ、派遣会社の方が、廣瀬さんはうちの利益だからとはっきり、うちのスキルだからとはっきり明確に言われました。廣瀬さんのように安定的に長く働いてくださる方は手放したくないというふうに、これは東京地裁でも証人尋問でやっておりますが、そのような理解です。
派遣元の営業マンは、自分の、営業マンの稼働数が一つでも多ければ昇格になると陳述書にちゃんと書いていらっしゃいます、提出していらっしゃいます。会社としてもそうですが、営業マンの昇格にもつながる、そういった派遣労働者を手放したくないのが実態です。これを知っていただきたいと思います。
そして、新しい派遣先は本当に見つかりにくいということ。これは、派遣先から派遣先にそう簡単にスライドできますか、次から次に。ある程度インターバルというか、期間があるんじゃないですか。三年が切れます、すぐに次の職が見つかりますか、その期間どうするんですかということ。
また、四十代、五十代の方だと、先ほど話しましたけれども、だんだんと処遇の悪い派遣先になっていく可能性もあります。私自身も、派遣先が切ったときに、派遣元のスタッフサービスに次の派遣先は紹介してくれないんですかと言ったところ、三年三カ月前に最初に断った派遣先を紹介されまして、そこは時給が低いので食べていけませんというところを紹介されました。そういう実態です。全然実効性はありません。
そういったことで、この法案、本当に三番のところも、今回届け出制のところが許可制になりますが、資産要件などが盛り込まれるということですけれども、そういうところで、大きい派遣会社がある程度の派遣労働者を抱え込めるかと思われますが、結局三年で一回リセットされるということですから、そういう大量に派遣労働者を抱え込めるのかということも考えられますし、本当にこれは絵に描いた餅です。
皆さん、これは本当に、私たち、この法案によって、専門業務派遣の四十万人、まず四十万人が解雇され、路頭に迷います、命の危険にさらされますので、ぜひとも考え直してほしいと思っております。命の問題です。どうして命の期限を、三年後、決めてしまわれるんですか。
最後に、きょう午後二時半から九時にかけて、専門二十六業務などの緊急ホットラインを行います。振り番十四の、六月二日、派遣労働緊急ホットライン実施の御案内、これは、日本労働弁護団が主催でやっております。ホットラインの番号ですが、〇三—三二五一—五三六三。もう一度言います、〇三—三二五一—五三六三、もう一つ番号がありまして、五三六四もあります。
ぜひとも、全国の皆さん、アーカイブなどで見ていただいていると思います、ネット中継も見ていただいていると思います、こちらに相談してくださればと思います。
私からは以上になります。ありがとうございました。(拍手)