牧原秀樹の発言 (厚生労働委員会)
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○牧原委員 わかりました。ありがとうございます。
このような新しい制度を入れていくときというのは、大体、導入側の思いと、それを導入しなきゃいけない現場の思いがずれるということが往々にしてございます。特に、新しい、コンピューター等は全く使えないという、年配の方だけではありませんけれども、いらっしゃいますので、ぜひこういうところについては丁寧に進めていただきたいと思います。
その一方で、私は今、医療について、将来に影響を与える大革命が進んでいるというふうに認識をしております。それは、いわゆるビッグデータの利活用という分野でございます。
アメリカでは、人工知能という分野において他を圧倒するIBMという会社がございまして、IBMは今もう医療ビジネスにほとんど社運をかけていると言われているぐらい、膨大な投資そして戦略を進めているという状況にございます。
既に、がんにつきましては、がんに関する過去の膨大な医療データ、そして治験データ、さらにはほとんど全ての論文等のデータを集めてデータベース化をして、そして個々の患者情報を入力するとその膨大なデータと比較しながら適切な診断、治療方針、投薬などを示すということができるのではないかということで、複数の医療機関との連携も始まっているところでございます。
そうなっていくと、我々人間ではとても及びがつかない膨大な情報から、しかも歴史をさかのぼった情報から、ある情報を入力することによって瞬時にそれと適合するものを見つけ出してくる。しかも、それについて、個々の医療機関の日々のアップデートされる情報、そしてあちこちでアップデートされる論文情報も全て入っていく。さらには、製薬会社なんかとも連携をしていくと、投薬、製薬、まだ未承認のものまで含めてそういうところにヒットしていく、こういうことになります。
本年に入ってさらにその動きを加速させて、ワトソン・ヘルス・クラウドというのを発表して、いろいろな研究者、医者等があるデータベースにそれぞれの情報を共有、保存しながら、その人たちはIBMのそういう情報サービスも分析等のものも使うことができる一方で、IBMはそういう情報を一手に集めていくという、ブラックホールじゃありませんけれども、そういう求心力を急速に高めているということがあります。
そして、アップルがアップルウオッチというウエアラブルの製品を発表して、こういう方向が一つの流れにありますけれども、このウエアラブル情報で得られるそれぞれの消費者の情報、健康データを利用できたり、あと、ジョンソン・エンド・ジョンソンと提携をして、先ほど申し上げたようなそれぞれの製薬等の健康情報も集めて利用できるようにしているということが、この五月ですけれども発表をされたところでございます。
私は、ちょっと衝撃を受けたのは、これは医療関係者の人ではなくてまた別の、こういう分野を専門としている人から、将来的にはもしかすると医者というのはほとんど最後の確認だけの存在になるかもしれないという話を受けたからでございます。その人からまさか医療の話を聞くと思わなかったので、びっくりしたわけでございます。
確かに、今申し上げたように、膨大な医療データを全部集めて、しかも世界の各国までそれが伸びていって、そして人工知能で日々自分も教育をしていって、世界で一番確実な治療方針、投薬データを導き出せるということになったら、これは本当に革命的なことになってしまいますし、これに乗りおくれると日本にとって、例えばダビンチという医療機器がありますけれども、あれも部品は日本のものだというふうに言われていますが、最終製品がアメリカのものなので、先日うちの地元でオープンをした病院があるんですけれども、そこでも、この病室にはダビンチが入ることになっていますということを一番の売りの一つにしているようなところがございました。
そうすると、将来的には、うちはワトソンで治療方針、投薬方針を出すことができますということが売りにされるような時代がやってくるかもしれない。そして、その流れの中で、日々の経験やあるいは見立て等に基づく医療というのはどんどん廃れるかもしれない。ちょうど我々が、江戸時代の医者とかそのぐらい前の医者が何となくさわってその時代にあるだけの薬でやっていたり、あるいはアフリカの医者が呪術をもって医療をやっていたりというのは、科学的な立場から見ると変だね、おかしいね、正しくないねと見えてしまうのと同じように、今の医療でもそういうふうに見える時代がやってくるかもしれないというふうに、私は非常に危機感も抱いているところでございます。
こういう分野で、今からでも遅くない、日本の力をもってやれば、そして医療界やこうしたあらゆる業界の垣根を越えた力を結集すれば、私は日本が世界でそういう国になれる、一番の国になれるというふうに思っているし、ぜひ厚生労働省としてはそうしたことを見据えた戦略を打ち立てていっていただきたい、こう思っておりますけれども、こういう世界の将来の医療に大きな影響を与えかねない動きについて、厚生労働省としての対策、考えについてお聞きをします。