畠山和也の発言 (農林水産委員会)
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○畠山委員 WTOのことはもちろん承知はしているんですけれども、そういう体制のもとでも自給率を引き上げてきている国々はあるわけでして、そういった欧米諸国は、自分の国の主要農産物を守るための国境措置や再生産できるだけの実質的な価格支持政策を行っているのは、これは農水省自身が一番知っていることだと思います。
EUでは、支持価格の引き下げはこの間ありましたけれども、加盟国の機関が買い支えを行っている。アメリカでは、ローンレートで、市場価格を下回った分の支えがあります。アメリカは、昨年農業法がつくられまして、さまざまなことが議論されてきております。
日本政府の白書でも、二〇〇七年度ですが、イギリスが四十年間で自給率を二七ポイント上げたことを取り上げています。その要因として四つ挙げて、消費面、生産面のほかに、イギリスは平たん地が多いことや品種改良で単収を上げたことなどとともに、当時のEC加盟で農産物価格支持と国境措置による手厚い保護を受けることになったと書いています。
ですから、本気で自給率を引き上げるということを考えるのであるならば、歯どめなき農産物輸入にストップをかけることと、生産コストも補償して再生産が続けられるようにして、今いる大多数の家族経営を応援することだというふうに思います。
資料の二枚目をごらんください。
実際、特に被災地においては、あすの経営をどうするかということにも苦しみの声が上げられているわけです。これは、昨年の総選挙中に、十二月八日ですが、河北新報において紹介されている記事です。「「担い手消える」 被災地の農家に嘆き」とあります。
「石巻市の生産者は、津波被災から復旧した水田を、営農を諦めた近隣の七十戸分も請け負っており、本年産米の価格暴落に苦しむ。」として、文中ですが、同市の農家、大内さん五十二歳は、「今年、計四十五ヘクタールの水田でコメを作った。」「震災前、受託による規模拡大でコメの栽培面積が二十ヘクタールだった大内さん。自宅と農機具は流失を免れたことから、復旧した被災水田での生産を進んで請け負った。結果、昨年の栽培面積は四十ヘクタール以上に倍増した。」
少し飛びますが、小見出しに「使命感で支える」というところがあります。「小作料、手伝いの手当、燃料代などを除くと、純利益が十アール当たり一万円残るかどうか」だ。もともと覚悟していて、ここまでやってきたわけです。その下の五行目になりますが、「町内では来春、さらに三十ヘクタールで稲作が可能になる。うち十ヘクタールを大内さんが」またさらに「引き受け、受託先は八十戸以上に増える。」
最後に、では、この大内さんは実際にどう考えているかというのが、このように述べています。「TPP参加に向けて小さな農家を一掃するのが、政府の狙いではないかと勘ぐりたくなる」「復興への配慮も支援も消え、被災地が経済原理に投げ込まれれば、地域で踏ん張る担い手、支え手はいなくなる。」と厳しい目を農家の方自身が被災地から向けています。
繰り返しになりますが、自給率を上げるというふうに言うんだけれども、交付金は減らす、TPPにも参加する、これでは農家は続けられないという声が上がっているわけです。農外企業や六次産業化に期待しても、参入した農外企業がもうけが上がらないと撤退した例も、これまでも幾つかありました。特に、被災地のような、リスクを抱えるようなところへ農外企業が参入するのか、食料自給率の向上にどのような貢献をするのかというふうに思うわけです。
大臣、このように河北新報で紹介されている農家のリアルな実態や声に、どのように応えますか。