農林水産委員会

2015-03-19 衆議院 全175発言

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会議録情報#0
平成二十七年三月十九日(木曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 江藤  拓君
   理事 加藤 寛治君 理事 齋藤  健君
   理事 宮腰 光寛君 理事 吉川 貴盛君
   理事 渡辺 孝一君 理事 玉木雄一郎君
   理事 松木けんこう君 理事 石田 祝稔君
      穴見 陽一君    井野 俊郎君
      伊東 良孝君    池田 道孝君
      石川 昭政君    今枝宗一郎君
      岩田 和親君    大野敬太郎君
      加藤 鮎子君    勝沼 栄明君
      木村 弥生君    熊田 裕通君
      瀬戸 隆一君    田中 英之君
      武井 俊輔君    武部  新君
      武村 展英君    谷川 とむ君
      中川 郁子君    中谷 真一君
      古川  康君    細田 健一君
      前川  恵君    宮路 拓馬君
      務台 俊介君    宗清 皇一君
      森山  裕君    簗  和生君
      山本  拓君    金子 恵美君
      岸本 周平君    小山 展弘君
      佐々木隆博君    福島 伸享君
      井出 庸生君    村岡 敏英君
      稲津  久君    佐藤 英道君
      斉藤 和子君    畠山 和也君
    …………………………………
   農林水産大臣       林  芳正君
   農林水産副大臣      あべ 俊子君
   内閣府大臣政務官     小泉進次郎君
   農林水産大臣政務官    佐藤 英道君
   農林水産大臣政務官    中川 郁子君
   政府参考人
   (農林水産省大臣官房参事官)           梶島 達也君
   政府参考人
   (農林水産省大臣官房統計部長)          佐々木康雄君
   政府参考人
   (農林水産省生産局長)  松島 浩道君
   政府参考人
   (農林水産省経営局長)  奥原 正明君
   政府参考人
   (農林水産省農村振興局長)            三浦  進君
   農林水産委員会専門員   奥井 啓史君
    —————————————
委員の異動
三月十九日
 辞任         補欠選任
  伊藤信太郎君     熊田 裕通君
  瀬戸 隆一君     武村 展英君
  武部  新君     大野敬太郎君
  橋本 英教君     田中 英之君
  簗  和生君     宗清 皇一君
  山本  拓君     務台 俊介君
同日
 辞任         補欠選任
  大野敬太郎君     武部  新君
  熊田 裕通君     木村 弥生君
  田中 英之君     加藤 鮎子君
  武村 展英君     瀬戸 隆一君
  務台 俊介君     山本  拓君
  宗清 皇一君     谷川 とむ君
同日
 辞任         補欠選任
  加藤 鮎子君     穴見 陽一君
  木村 弥生君     岩田 和親君
  谷川 とむ君     簗  和生君
同日
 辞任         補欠選任
  穴見 陽一君     石川 昭政君
  岩田 和親君     伊藤信太郎君
同日
 辞任         補欠選任
  石川 昭政君     橋本 英教君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 農林水産関係の基本施策に関する件
 山村振興法の一部を改正する法律案起草の件
     ————◇—————
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江藤拓#1
○江藤委員長 これより会議を開きます。
 農林水産関係の基本施策に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、政府参考人として農林水産省大臣官房参事官梶島達也君、大臣官房統計部長佐々木康雄君、生産局長松島浩道君、経営局長奥原正明君及び農村振興局長三浦進君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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江藤拓#2
○江藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
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江藤拓#3
○江藤委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小山展弘君。
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小山展弘#4
○小山委員 おはようございます。民主党の小山展弘でございます。
 それでは、早速質問に入りたいと思います。
 政務二役の大臣不在の際の職務代行、危機管理意識について、最初にさらっとお尋ねしたいと思います。
 二月二十三日、前任の西川大臣が辞任した日ですけれども、この日、小泉副大臣は、終日農水省には不在。あべ副大臣は、十六時半に登庁して、十八時に退庁、朝から十六時半までは農水省には御不在であった。中川政務官は、十一時に登庁し、十七時に退庁しています。佐藤政務官は、十三時に登庁し、十七時半に退庁するも、十八時に再び登庁し、二十時に退庁しております。
 大臣の交代に際して、副大臣、政務官のほとんどが農水省に不在状態でありました。
 また、林大臣の初登庁を迎えたのは佐藤政務官のみという状況でありました。
 このことについて、政務三役の、お一方は、副大臣か政務官の方がいらしたということではあるんですけれども、最高責任者である大臣不在の際に他の政務二役の方がほとんど不在状態だったということについての危機管理意識、こういった認識について、まず問いたいと思います。
 なお、中川政務官におかれましては、先日の予算委員会におきまして、約二週間の入院ということで伺っておりますけれども、そろそろ退院の時期等にもなってきたかと思います。公務復帰の見通しについても、あわせて御答弁いただきたいと思います。
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あべ俊子#5
○あべ副大臣 二月二十三日の西川前農林水産大臣に伴ったときの、私ども、農林水産省でどのような体制であったかというお問い合わせでございますが、二月二十三日月曜日夕方でございますが、私自身は、十六時三十分ごろから十八時ごろまで、農林水産省の副大臣室で面会対応及びレクを受けておりました。十八時過ぎに退庁いたしまして、十九時過ぎまで議員会館で打ち合わせを行った後、都内の自宅に帰宅をさせていただきました。
 この間、十七時三十分ごろ、レクの最中に、西川大臣が辞任をされたという知らせを受けました。その後、十八時十分ごろに、二十三日は林大臣との初顔合わせは行われず、二十四日に改めて時間をとって顔合わせを行うという連絡を受けたところでございます。
 農林水産省の副大臣及び政務官は、西川大臣が辞任され、林大臣が就任されるまでの間、十八時過ぎまでは私が登庁しておりましたほか、委員がおっしゃったように、十八時ごろから二十時ごろまでは佐藤政務官が登庁されたというふうに承知をしているところであります。
 また、退庁していた副大臣及び政務官も含め、全員が都内近郊で事務方と連絡がとれる体制になっていたことから、農林水産省といたしましては、危機管理上問題があったとは考えておりません。
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中川郁子#6
○中川大臣政務官 二月二十三日月曜日の夕刻は、十七時ごろ退庁し、議員会館の事務所に在室をいたしておりました。十七時四十分ごろ、秘書官から、西川大臣が辞任をされ、登庁の必要があるかもしれないので、都内で待機をするように連絡を受けました。その後、十八時十分ごろ、二十三日には初顔合わせは行われず、二十四日に改めて時間をとって初顔合わせを行うとの連絡を受けました。
 私といたしましては、登庁し、林新大臣にお会いをしたいとの思いはございましたけれども、当日、新大臣の就任記者会見などの日程もあることを踏まえまして、事務方からの連絡どおり、登庁しないことといたしました。
 その後、十八時三十分ごろから二十一時ごろまで、都内で支援者の方々との会合に出席をいたしました。さらにその後、門議員とお会いをし、会食をいたしました。
 事務方からは、私を含め、農林水産省の副大臣、政務官は全て都内近郊で連絡がとれる体制になっていると聞いており、農林水産省の危機管理上、特に問題があったと考えてはおりません。
 危機管理上の問題は別といたしまして、私の軽率な行動によりまして皆様方をお騒がせいたしましたことについて、深くおわびを申し上げます。
 また、体調については回復基調にあると感じておりまして、私といたしましては、早急に退院し、公務に復帰したいと考えてございます。
 退院の時期につきましては、健康上の問題であり、医師の診断次第でございますので、私からこの場で申し上げることは差し控えさせていただきたいというふうに存じます。
 なお、国会への出席要請をいただいた際には、医師と相談をし、通告を受けた時間も考慮の上、外出可能との診断をいただいて国会に出席をさせていただいているところでございます。
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小山展弘#7
○小山委員 大臣が辞任をする、交代が起きるというような、最高責任者の空白が起きたような、農水省にとっては、責任の所在が、権力の空白が起きるような大変な日だったわけでございます。何らかの、口蹄疫とかそういったことが過去にもございましたが、現地対策本部とかあるいは国際会議、こういったことでの不在のケースを除けば、役所の役人が、特に農水省本庁にいなくてもいいよということであっても、基本的には、やはり農水省に在庁するというような責任感というか緊張感というものが必要だったのではないか、私はそのような認識を持っております。
 ぜひ、役人の方からもそういったアドバイスがあり、また役所の人間と連絡がとれるというような状況ではあったということは今伺いましたし、また都内にも皆さんいらしたということではあるんですけれども、新任の林大臣を、以前もやっていらっしゃった、また戻られたわけですけれども、やはり大臣をお迎えするというような緊張感もあった方がよかったのではないか、私はそのように感じております。
 次に、農業人口の減少に関する政府の認識についてお伺いをいたします。
 安倍総理は、施政方針演説で、戦後一千六百万人を超えていた農業人口は、現在二百万人、この七十年で八分の一まで減り、平均年齢は六十六歳を超えました、これは施政方針演説の議事録からそのまま読み上げておりますけれども、その次の言葉が、もはや、農政の大改革は待ったなしでありますと述べています。私は、ここに論理の飛躍があるように思います。
 そして、その後に、農協改革の話になるのですがと続けるんですけれども、これでは、まるで農業人口の減少が起こり、農業従事者の高齢化が起きたことは全て悪い現象であり、また、それらは農協の今までの体制が悪かったからのような印象を与えます。
 農業人口が減ったことは、戦後直後と比べて、機械化、トラクターとかコンバイン、田植え機、こういったものが導入をされまして、農業労働時間の大幅な短縮があったこと、これらの機械化の進展によって専業農家だった農家が農作業の手間が大幅に省かれて、兼業農家となり、また、余剰人口が都市部に流れ、高度成長期の日本の発展を労働力という面から支えたわけであります。また、大規模化によって農家数が減ったということも考えられます。
 必ずしも、戦後直後より農業従事者が減少したことをもって農業の発展にとって阻害要因であったというのは、私は言い過ぎではないかと思う。もちろん、人口が減ることは悪い側面もあるかと思いますが、全て阻害要因だったというのは言い過ぎではないかと考えております。
 これについて、予算委員会の第六分科会で質問いたしましたが、このときに、もう一つの高齢化の方についてはあべ副大臣から御答弁いただきましたけれども、農業従事者の人口減少に対する政府の認識については御答弁がございませんでしたので、改めて、政府は、戦後の農業人口の減少について、どのような要因でそれが起きたのか、それは批判されるべきことだけなのか、また、ロボットの導入も進めるという中で、そしてまた日本全体の人口が減少する中で、望ましい農業人口はどの程度だと考えているのか。
 これは大規模化をどの程度進めていくかということを考える上でも大事なことであります。これについては、予算委員会分科会に出席できなかった中川政務官から御答弁いただきたいと思います。
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中川郁子#8
○中川大臣政務官 委員御指摘のとおり、農業就業人口は、昭和三十五年の千四百五十四万人から平成二十五年の二百三十九万人と大きく減少してきているところでございます。
 その要因といたしましては、高度経済成長期において、農業外部からの労働力需要が強かったことから、多くの農家世帯員が他産業に就業して都市部に流出したこと、その後も、若年就業者の確保が進まず、高齢化が急速に進展する中で、高齢農業者の離農が進んだことなどが考えられるというふうに思います。
 私は、大規模化や機械化の進展により生産性が向上するものの、現在の農業構造につきましては、六十五歳以上が六割を占めるなど高齢化が極端に進んでおり、持続可能なものとしていく必要があるというふうに認識しております。このため、新規就農を促進し、世代間のバランスのとれた就業構造にしていくことが重要と考えており、現在進めている新たな食料・農業・農村基本計画の策定とあわせて、十年後の望ましい農業構造の姿と農業労働力の見通しを示していくことといたしております。
 このような農業人口減少以外にも、我が国の農業、農村は、耕作放棄地の増大、農業所得の減少など課題がありますことから、強い農業水産業と美しく活力ある農山漁村を実現させるための農政改革を実施しているところでございます。
 これらを着実に進めていくことにより、我が国農業、農村の活性化を実現し、農業を若者に魅力ある産業に成長していきたいというふうに考えています。
 十年後に現在と同程度の生産を維持するためには、土地利用型作物以外、野菜、果樹、畜産等でございますけれども、につきましては、現在と同程度の約六十万人、土地利用型作物については、構造改革が進むことを前提としても、約三十万人、両者を合わせて、少なくとも九十万人以上が必要と試算しているところでございます。
 十年後の農業就業者数につきましては、趨勢では、六十代以下で九十万人を下回るが、農業の内外からの青年層の新規就農によりまして、若い農業者が定着ベースで倍増すれば、六十代以下で九十万人以上を確保することが可能となるというふうに見通しているところでございます。
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小山展弘#9
○小山委員 どちらかというと、今の政府の答弁においても、高齢化の方が問題であるということかと思います。
 もし私が計算を間違っていたら恐縮ですが、今よりもさらに、大規模化とかロボット化、機械化で人口は減っていくということですから、総理の施政方針演説ということで、非常に短い文章の中で、いろいろなことを詰めなきゃいけないというのはあるとは思うんですけれども、今の答弁の中にもありましたが、農業人口の減少というものは全て悪い、マイナス要因だということで、今後も減っていくという見通しであるということを考えても、そういった施政方針演説にすべきではなかったところもあったんじゃないかな、私はそのように感じております。
 次に、高齢化のところで、先日の予算委員会第六分科会でも質問させていただきましたけれども、このことについて、もう少し深掘りをしていきたいと思います。
 高齢農業従事者を農政の中で、では、逆にどのように位置づけるかということについて政府の認識を伺いたい。
 今、中川政務官からもお話もありましたが、農業を若者にとって魅力のある産業に成長させていきたいという、そこについては私も認識を共有するところであります。
 一方で、我が国の農業はよくも悪くも高齢者が担っているという現状もあります。これは裏を返せば、製造業やサービス産業と異なって、高齢者でも生産に従事できるという農業の特徴でもありますし、また、生涯現役で農業に従事することもでき、高齢者にも適した産業であるということも示していようかと思います。
 また、最近では、長野県のように、長寿健康県で、実は高齢者で農業従事者の多い地域は、介護の比率が少なくて、結果として医療、介護コストの削減というような効果も見られるんじゃないか、これも農業の多面的機能の中に含めるべきではないかという考えもあります。
 こういった中で、六十五歳以上の高齢農業者の方をどうやって農政の中で位置づけるか、御答弁をいただきたいと思います。
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あべ俊子#10
○あべ副大臣 委員にお答えいたします。
 高齢農業従事者、その豊富な知識、経験を生かして、農業に関するさまざまな活動、また、地域活動に取り組んでいくことは、農山漁村の維持、活性化を図っていく上で重要であるということは認識しているところでございます。
 こういう観点から、農林水産省におきましては、水路、農道などの地域の資源を、高齢者を含む地域全体で維持管理し、農業、農村の多面的機能の発揮を図る活動の支援、また、地域の高齢者の参画を得まして、農山漁村の持つ豊かな自然、また、伝統的な食を活用いたしまして、農山漁村の活性化を図る取り組み、例えば特産品づくり、都市住民参加の体験活動などへの支援などの施策を講じてきているところでもございます。
 こうした取り組みによりまして、高齢農業従事者の知識や経験も生かしつつ、農山漁村の維持、活性化を図ってまいりたいと思っております。
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小山展弘#11
○小山委員 ここからは、農協法の制度変更について伺っていきたいと思います。
 まず、骨格によりますと、理事の過半を認定農業者や農産物販売のプロとするとのことですけれども、農産物販売のプロというのは、どういう定義で、どういった人たちのことを指すのか。
 例えば、今ある全農とか経済連に勤めた、いわゆる学経職員のOBなどもこのプロの中に入るのか。恐らくイメージとしては、それぞれの地域でかなり手広く農産物を他の農家さんからも買って売っている、農産物の売買をかなり専門的にやっている、自分自身でも農家として大規模にやっている、そういう人たちをイメージしているのかなというふうに私も感じております。
 農協の理事については、それぞれの地区で選出をするんですけれども、選出の結果、認定農業者や農産物販売のプロといった人たちがそれぞれの地域で選ばれずに、過半数に届かない場合というのは、今回の法制度の変更の骨格と反するような理事の選出結果になることも考えられると思うんですが、その場合はどうするのか、お尋ねしたいと思います。
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奥原正明#12
○奥原政府参考人 今回の制度の骨格におきましては、理事の過半を認定農業者の方と、それから販売とか経営のプロの方にする、ただし、原則としてという言葉がそこに入っております。
 まず、販売のプロの方がどういう方かということですが、現在、法律の条文の作成を進めておりますので、まだ完全に確定はしておりませんが、制度の骨格のときのイメージでいきますと、現在の農協の農産物の販売の仕方は、ほとんどは委託販売ということでございます。しかも、農家から農産物を集荷して、これを市場等に出荷する、こういったものが中心になっておりますが、今のような食料が過剰な状況のもとで有利に販売していこうと思えば、やはり末端の消費者ですとか実需者のところに、相手のニーズに応じる形できちんとした販売をしていかないと、農家の手取りは上がっていかないというふうに考えております。ですから、そういうような販売の仕方がきちんとできる方をできるだけ理事の方の中に入れていただくという発想でございます。
 農協の職員の方の中にも、そういうことに取り組んでいただいている方は当然いらっしゃいますので、そういう方はこの販売のプロに当然該当すると思いますし、場合によっては、その県の、その地域の出身者で、東京でいろいろな食品メーカー等で仕事をされた方で、能力のある方を連れてきて理事にする、そういったことも当然含まれるということになると思います。そこは、農協が、どういう方が販売能力があるかということを判断した上で選択をしていく、こういうことになります。
 その上で、こういう販売のプロの方と、それから認定農業者の方で理事の過半を占めるということを今回ルール化するということになっておりますけれども、制度の骨格でも、原則としてという言葉が入っておりますので、具体的な法律の条文のつくり方は今いろいろ検討しておりますけれども、実際に、その地域の中に認定農業者の方がほとんどいないという地域も中にはあります。場合によっては、農業経営基盤強化法に基づく市町村の基本構想が決められていないといった市町村もありますので、ここは認定農家はいないということに当然なりますといった実態も踏まえた上で、ここの例外についてどういう形にするかということは、法律の条文としてよく詰めたいというふうに考えております。
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小山展弘#13
○小山委員 原則としてという言葉が入るということで、必ずしも認定農業者や農産物販売のプロということで過半を占めなくてもいいと。これであれば、何のために法改正をするのか、法改正しなくてもいいんじゃないかというふうに私は感じました。
 それと、この骨格の部分で農産物販売のプロというものの定義がなされていないというのも、私もこれはいかがなものかと。この定義すらなされていないまま骨格がもう出されているということからしても、ちょっと今回の法改正というのは、何のために行うのか、本当に農水省の方も、農水省としてこれがやるべきことなのか、むしろ規制改革会議の言いなりみたいになっているんじゃないか、こういったことを私は正直感じました。
 協同組合というのは一人一票なんですね。それで、素人かもしれないけれども、自分たちが経営に参画をして、経営参加というようなことがあります。だからこそ、また後ほど触れていきたいと思いますけれども、必ずしもプロばかりではない、だけれども、プロの方も中には含まれる場合もあったり、地域の中では最もすぐれた方が理事になったり組合長になったりする場合もあろうかと思います。時には、必ずしもそういう適格ではない方ばかりで理事が構成される場合もあるかもしれない、民主的な手続の中で。
 だからこそ、全中の業務監査、経営改善指導、これらによってJAの経営の安定性、そして財務の安定性というものは確保されてきたわけであります。このことを考えてみても、今回の、またこれからも触れていきますが、ますますこれは、全中の経営改善指導、そして業務監査というものは続けるべきだと私は思います。
 そして、今のことに関連しますけれども、今後、有利販売、実質的には農協による買い取り販売を拡大していくということでございます。私は、これも非常にリスクが大きいことだと。今まさに奥原局長がお話しになったように、今は物があふれ返っていて、なかなか簡単に売れる時代ではないという御答弁がございました。だからこそ、リスクが大きいんです。
 森林組合が、財務がなぜあそこまで毀損をして、そして合併が必要になったかというと、これは全部買い取り販売で、赤字が出ているんです。同じようなことが、受託販売はリスクがないから、協同組合にとっては、確かに、非常に自分たちにとってはリスクの少ないやり方であったと思いますし、私も買い取り販売を否定するものではないんですけれども、ただ、これから積極的に乗り出していこうということで、これが相当リスクがある、今の日本の需要の状況からしても。
 そういったときに、株式会社であれば、これは安く仕入れて高く売る、そして会社の利益の最大化を図って、理屈で言えば配当をふやすというようなことになろうかと思いますが、協同組合は組合員に資するための組織ですから、農協であれば、できる限り組合員のつくった農作物を高く仕入れて高く売るというようなことが組織としての使命になってこようかと思います。
 その際に、認定農業者や農産物販売のプロが、例えば、余り人を疑うようなことは言いたくないですけれども、高く農産物を農協に買わせて、価格リスクを農協に負わせる、自分の農業法人の利己的な利益の拡大を図る、確かに特定の農家の所得向上にはなるわけですけれども、他の組合員からすると、一種の背任的な行為が行われる可能性もあります。
 このような利己的な取引に対しては理事会のチェックがあるということですけれども、その理事会も、例えば声の大きい大農家とか、農協を通さない取引で農産物販売のプロの人にお世話になっているような人が理事になった場合、他の理事が適正にチェックできない、口をつぐんでしまうというような可能性も、残念ながら、現場の話を聞くと、あると言わざるを得ない。農産物販売のプロであれば、こういった影響力を行使することは十分可能性としてあるわけであります。
 こういう利己的な取引を防ぐためにも、全中の業務監査、経営指導がストッパーとして存在していたわけですけれども、少なくとも強制的な経営指導や業務監査は廃止され、多分実質的に、今後、これはコストの面から行われなくなっていくことと思います。
 理事会以外に、このような利己的な取引、背任的な取引を防ぐ仕組みというものは想定しているのでしょうか。
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奥原正明#14
○奥原政府参考人 農産物の販売におきましては、できるだけ高く売っていただくということが一番大事なことで、そうやって、農家の所得、手取りをどうやってふやすかというのが今回の農協改革の最大の眼目だというふうに考えております。
 それができるように、担い手のニーズをきちんと踏まえた運営をする、あるいは販売能力を高めてきちんと販売をしていくということを理事のところで求めているわけでございますが、今先生が御指摘になりました、要するに、自分の利益を図るために農協に損失を及ぼすというようなことをどうやって抑制するかというのは一つのテーマでございます。
 現在の農協法の中でも、これにつきましては、例えば農協の理事についてはいろいろな義務がかかっております。例えば、善管注意義務もかかっておりますし、それから、法律の三十五条の二の第一項というところでは忠実義務という規定もかかっております。これは、農協に損失を与えないように、競業避止義務を含めて、そういうことがルールとしてかかっているということでございます。
 それから、理事が農協と取引をするような場合には理事会の承認を受けて取引をするというルールも当然決まっておりまして、これは法律の三十五条の二の第二項でございます。
 こういった形で、理事の不正行為につきましては、理事会でのチェック機能は当然ありますので、自分たちの組織としてきちんとやっていただく、これは当然のことでございますが、この任務を怠ったときは、これについては、農協に損害を与えれば、損害賠償責任の規定も農協法の中にございます。それから、刑法上の背任の条項に該当することも当然出てまいります。それともう一つは、行政の方の検査、それから監督も当然行われておりますので、そういったことを通じて、理事の不正についてはきちんとチェックをしていくということになると思っております。
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小山展弘#15
○小山委員 今、奥原局長からのお話でございましたが、最初の農家の収益、高く売っていくということが目的だということと、やはり今回の全中の組織をいじるということにつながりがあるというふうにはまず感じられないということであります。むしろ、リスクのある買い取り販売をしていくからこそ、経営の安定性、財務の安定性というものはより必要になるわけですから、これは何重にもチェックがあった方がいいにこしたことはないわけでありまして、もちろん行政の常例検査とか、そういったものもありますけれども、その実態というものを多分農水省さんで御存じだと思います。
 こういったことも含めて、今、理事会あるいは法律のお話もございましたけれども、問題が起こってからでは遅いんですね、信頼が失われますから。問題を起こさないように、いかに未然に防ぐかということも大事ではないか。その点からすると、今回、業務監査あるいは経営改善指導がなくなるということがメリットであるということは、私は今の答弁からは感じられませんでした。
 次の質問に移りたいと思います。
 政府は、農業協同組合について、職能協同組合と認識しているのか、あるいは地域協同組合と認識しているのか。また、農協の実質的な組織の設立はいつであったのか。戦後の農協法の成立の前に、大正時代の産業組合、あるいは農会、戦時体制としての戦時農業団、農業会等があり、これらの組織を受け継ぐ形で農協に組織が移行したと考えられますけれども、これらの歴史的な経緯等について、政府はどのような認識を持っているでしょうか。
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林芳正#16
○林国務大臣 農協法の一条でございますが、農業者の協同組織であるということをここに明記してございますので、農業者が農産物の販売や生産資材の調達などの事業を利用することでメリットを受けるということを主目的として設立する、農業者の職能組合であるということがここに明記をされておるわけでございます。
 高齢化、過疎化が農村社会で進んでおりますので、農協が地域のインフラとしての機能を果たしている、これは事実だと思います。事実でありますけれども、だからといって、法律的に農協が地域住民のためのいわば協同組合であるということにはならない、こういうふうに考えておるところでございます。
 また、歴史的経緯についてお尋ねがございましたが、農協は、昭和二十二年に、戦後の民主化政策の一環として制定された農業協同組合法に基づいて、農業者の自主的団体として設立をされたものというふうに認識をしております。
 種々の経緯や関連はあるものの、今お触れいただいた産業組合法、これは明治三十三年でございますが、これに基づいて、地域の人を農林、商工、小売業者、消費者、こういうふうに幅広く構成員とした産業組合、これが、戦後、各種協同組合としてそれぞれ独立をしたわけです。
 それから、昭和十八年には農業団体法というものができて、強制加入の戦時統制組織だった農業会、こういうものができておりますが、こういうものとは今の農協は性格を異にするものであると考えております。
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小山展弘#17
○小山委員 林大臣から、ある意味、いい御答弁をいただきました。実態として、事実として、地域インフラとしての役割を農協が果たしている、私もそのとおりだと思います。
 だからこそ、私は、現状を理屈に合わせるのではなくて、むしろ今の実態を認めていく、まさに地域インフラ、地域に役に立つということを、農協法の第一条と第八条こそ改正をして、農協法の法目的や事業目的に地域インフラとしての役割を担うという文言を入れる、こういう改革をすべきではないかと思います。これこそが、人口減少し、過疎化が進む地方農山村において、農協が今後も地域インフラとしての役割を果たしていくために必要な農協法の改正である。
 政府のこのポンチ絵、農協改革の法制度の骨格、この出発点は農協法の第一条のことのみが書かれておりますけれども、しかし、実際の人間的な社会システムとしての農協はやはり産業組合に原点があろうかと思います。これは、最初は農村協同組合として出発しました。もちろん、第一次産業が主でしたから、農家の方が多かったでしょうけれども、本来は、今大臣が御答弁あったように、いろいろな職種の方が入った地域協同組合であった。ドイツのライファイゼンバンクを手本に、日本は農村協同組合を構築した。
 決して今までの戦後の歩みを否定するものではないんですけれども、ただ、農協は農水省の経営局、漁協は水産庁の経営指導室、森林組合は林野庁、生協は厚生労働省というように、縦割り行政に合わせたように、それぞれが専門を守り、それぞれが先細りしていくのではなくて、これから人口減少、高齢化、過疎化の時代であります。そういったときに、この産業組合の原点というところもいま一度見直して、地域の協同組合として連携をしていく、こういったこともやはり将来に向けて私は考えていくべきではないかと思います。将来は生命産業協同組合というようなこともひょっとしたら視野に入れていくべきではないか、それが地方再生になる、自民党さんの言う地方創生になっていくんじゃないかと私は考えております。
 もし農協法の改正ができないということであれば、農業を基軸としつつ地域インフラとしての役割を果たすというようなことを、例えば附帯決議で付すというようなことも私は考えていってもいいのではないか、こういうことを御提案申し上げたいと思います。
 何かいろいろ話しているうちに時間が過ぎてまいりましたが、次の質問をさせていただきたいと思います。
 再編強化法に基づく農林中央金庫による指導については、信用事業を中心に、経営不振のJAに対して経営改善指導を行うものでありますけれども、これまで全中の経営改善指導、業務監査とともに、まさに車の両輪として、JAの経営破綻防止に努めてまいりました。今後、全中の経営指導が行われなくなれば、強制的な指導という意味では、農林中金が単独で行うことになります。
 このことについて予算委員会の分科会でも質問し、御答弁いただいたんですけれども、制度上、農林中金が、この再編強化法、JAバンク法に基づいて指導ができるという制度の御説明ということの御答弁でありまして、全中の経営指導がなくなって、その分、不幸にして経営不振JAが出た場合には、農中がある意味肩がわりをしつつ経営指導をしていかなければならない、負担がふえる可能性があるということを農中が承知をして、それを行える体制が整っているかどうかということを問うたのでございます。
 農林中央金庫にも確認をいたしていただきまして、この点について御答弁をいただきたいということで事前通告しましたが、これについて御答弁をお願いします。
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あべ俊子#18
○あべ副大臣 多くの農協に関しまして、信用事業、また経済事業を含めた総合事業を営んでおりまして、組合の自己資本比率が経済事業の結果として低下することもございます。
 その場合、JAバンク基本方針、自主ルールでございますが、それに照らしまして、農林中金が農協に対して、信用事業以外の事業も含めた経営改善指導を行うことになっておりまして、したがって、経済事業につきましても、自己資本比率に影響するような重大なものに関しましては、いわゆる農林中金の指導が及ぶ仕組みになってございます。
 このJAバンク基本方針は、JAバンク法に基づき農林中金がみずから定めたものでございまして、その責任と自覚に基づいて、農林中金は農協を指導していくことになります。
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小山展弘#19
○小山委員 今のあべ副大臣が御答弁いただいたときには、まさに、全中の経営改善指導、そして業務監査というのが前提だったわけだと思います。
 ですから、それが、今回、このような法制度の変更でなくなるということですから、当時想定し得たものではないんですね。やはり、農林中金も銀行であります。こういった銀行、金融機関が指導業務をどこまで行えるかというと、人員体制あるいは経験ある職員の育成とか、そういったことも含めて、これは、なかなか、そう簡単に対応がすぐできるというものではないのではないかということは想像をできるわけであります。
 ですから、こういったことを含めても、やはり全中の経営改善指導、そして業務監査というものは、一見こういう監査というのはわかりにくいテーマである。だからこそ、こういうテーマを安倍総理はお選びになったのかなということもちょっと邪推するところもあるわけなんです。だけれども、今回のは、一見余り大きな変化がないように見えて、非常に大きな悪影響を及ぼしてしまう可能性もあると思っております。
 私は、そういった観点からも、先日の予算委員会の分科会の答弁におきましても、今までの全中の監査というものは非常によく機能してきたんだ、一万あったJAを七百まで統合を指導してきたということで、評価をしているということで伺っていますけれども、今うまくいっているんですから、なぜこれをやめるのかということについては、私は、かえって、今うまくいっているんだから、何か大きな破綻事例が出たとか問題が起きればそれは改正すべきですけれども、そういった問題が起きていないというところについて、なぜこの法改正が必要なのかというところにやはり疑問が残ります。
 最後に、ほとんど時間がありませんが、前回の予算委員会の分科会でも質問しました、全中の業務監査なり経営改善指導で農協の経営の自由を制約したという事例があるのか、アンケートの結果の数字を御答弁いただきましたけれども、具体的な事例というものがあるのかどうか、先日のアンケート以外に示すものがあるのかどうか、お伺いしたいと思います。
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あべ俊子#20
○あべ副大臣 お答えいたします。
 中央会が単位農協の経営の自由を制約した事実がどの程度あるのか数字でお示しすることは、農協側の主観的な受けとめ方であることと、JAグループの一員である以上、公然とは発言しにくいことなどから、難しいところでございます。
 例えば、一月二十九日付の日本農業新聞に掲載された組合長に対する農協改革緊急アンケート、十農協が、中央会制度がJAの自由な経営を阻害していると思うと回答しておりまして、実は六百二十五農協が、思わないとも回答しているところであります。中央会の指導は各農協の特異性を生かさず、画一した面もあるとの組合長の意見も紹介されているところであります。
 また、昨年九月二十五日に掲載されました同紙の読者モニター調査におきましては、二六%の方が、中央会があることにより、あなたの地域のJAが、独自の工夫をして、農業を振興することが難しくなっていると思うと回答しているところでございますが、四〇%が、思わないと回答しているところであります。
 このように、いわゆる数の問題だけではなく、単位農協の自由な経営展開を促すという点で、この中央会の制度を否定的に捉える人も存在することは事実でございます。
 そうした中、農協システムを現在の経済環境に適応したものにしていくという観点から見直していく必要があるものだと私どもは考えております。
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小山展弘#21
○小山委員 質問の持ち時間が来ましたので終わりますが、七百JAのうちのわずか十農協、そしてまたモニター調査でも四割が感じないと言っているわけですから、私は、これは根拠がやはり弱いと思います。
 以上で終わります。
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江藤拓#22
○江藤委員長 次に、福島伸享君。
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福島伸享#23
○福島委員 民主党の福島伸享でございます。
 二年ぶりに国会に戻ってまいりまして、初めて野党として質問させていただきます。
 林大臣と議論できることを幸せに思っておりますし、江藤委員長が野党時代、本当に地元を一生懸命歩いて得た農家の声を質問にぶつける姿を見て、私もまぶしい思いで見詰めて、二年間の浪人時代、ずっと地元を歩き、時には若い農家たちと夜遅くまで杯を酌み交わしながら、いろいろな思いを受けとめてまいりました。きょうは、その思いを林大臣にぶつけてまいりたいと思っております。
 大臣所信をお聞きいたしますと、攻めの農林水産業とか強い農林水産業、非常に勇ましい言葉が躍っていると思います。しかし、あの所信を聞いて、多くの地元の仲間たちにお話を伺うと、何か自分たちのこととは全然別世界のことだね、本当に農業の話をしているのというような感想を多くお聞きいたしました。私の歩いている皮膚感を見ても、いきなり攻めの農林水産業とか強い農林水産業と言われても、皆さんが気にしているのは、今これだけ米の値段が下がってどうなっちゃうのかねとか、TPPで自分たちはどうなっちゃうのかね、そういう不安感とか閉塞感ばかりなんですね。
 最近、サッカーの日本代表のチームは監督がかわりましたけれども、攻めのサッカーをやるんだといっても、その監督はブラジルと同じようなサッカーはできないわけですよ。今の日本のサッカーの代表チームの実力を見ながら、攻めのサッカーをやるにしても、どういうサッカーをやるんだという戦術を考えるのが私は監督の役割であると思っております。
 まず、大臣の基本的な認識として、攻めの農業、強い農業を掲げる中で、一体、今の農業とか農村の現状をそもそもどのように認識されていて、また、そういう状況になっている原因はどこにあるかということについて、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
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林芳正#24
○林国務大臣 福島委員におかれましては、お戻りいただいて本当に歓迎をいたしたい、こういうふうに思います。
 二年間、浪人時代に随分お回りになったということですが、私も、それほど数はないかもしれませんけれども、この半年間は大臣の職を離れておりましたので、なるべく地元に帰っていろいろな方の意見を聞くようにしておりました。
 勇ましい、攻めの農業とか強い農林水産業、こういうことを掲げておるということですが、一方で、やはり課題なしとしていないわけでございます。やはり、農業従事者が減少している、高齢化している、先ほど小山委員からも御指摘があったところでございますし、また、耕作放棄地も増大をしておりますし、農業所得も減少している、こういう課題があるということは、まず認識をしなければいけないと思っております。
 一方で、農業には大変大きな潜在力があるのではないか、こういうことも思っておりまして、例えば、輸出を考えてみましても、世界の食市場というのが大きくふえていく現状にある、特にアジアの食市場は非常に大きくなる、こういうことでございますので、こういう潜在的な可能性というのをどうやって現実化していくか、これが大事なことではないかな、こういうふうに思っておるところでございます。
 今申し上げましたように、需要フロンティア、これは輸出や、それから国内でも介護食品、漢方薬の原料等、まだいろいろなやり方があるのではないか、こういうふうに思っておりますし、それから、中間管理機構などを活用して生産現場を強化するということもやりながら、需要サイドと供給サイドがばらばらにやるということではなくて、しっかりとそこがつながっているという意味で、バリューチェーンの構築が大事だと思っております。
 さらに、農業の場合は自動車やコンピューターと違いまして多面的機能というのを持っておりますので、まさに地域コミュニティーを維持していくという意味での大切さも持っておる多面的機能、これを日本型直接支払い等で着実に実施していこう、こういうことをやっておるところでございます。
 基本的には、三本の産業政策的なものと、それから一本の地域政策的なもの、この四本柱ということでしっかり進めていかなければいけないと思っております。
 輸出は、御案内のように、四千五百からスタートして五千五百、六千百と順調に推移をしておりますが、まだまだ、フランス、イタリア等に比べますと、一つ桁が違うようなところでございます。
 しっかりとこのプランを着実に進めることによって、やはり需要をどうやって取り込んで、これを生産者の所得につなげていくか、ここに意を用いていきたい、こういうふうに考えておるところでございます。
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福島伸享#25
○福島委員 今のような説明が、恐らく生産者の方に余り、残念ながら、けちをつけるわけじゃないんですけれども、まだ響かないところがあるんですよ。
 よく高齢化が進んでいるとか農業者人口が減少しているということがありますけれども、私が歩いて一番実感するのは、これまで政府が大切に育ててきた担い手の皆さん、プロの農家の皆さん、あるいは私と同世代の若い農家の皆さんが今やる気を失っているんですよ。マクロの面での第一次産業の衰退も問題でありますけれども、本来中核にならなければならない人がやる気を失っている。
 それは、一つは、大きなものは米価の問題があるでしょう。もう一つは、何よりも、政策がころころころころ変わって、その政策メニューが実際の生産者の皆さん方の心に響くものになっていない。そうしたことから、多くの中核的な人、これから支える人がやる気にならないということが一つの現状として私はあると思うんです。
 その一つが、小泉政務官、お越しで、お忙しいでしょうから、順序を変えてTPPの話をさせていただきますけれども、TPPの問題もその背景にはあるというふうに私は思っております。
 きょうは、資料で新聞記事をお配りいたしました。
 新聞記事、いろいろ、これは去年の四月に、オバマさんが来る前後に、「豚肉関税、一部撤廃も」とか「牛肉など歩み寄り」、さまざまなリーク記事が出ます。裏を見ると、これはことしの最近のものですけれども、「牛肉関税まず二七・五%」とか「豚肉関税五十円」とか。これに基づいて、事実ですかと言えば、交渉中ですから答えられないというふうにお答えになるんだと思いますけれども、ただ、火のないところに煙は立たないんですね。
 きょうは齋藤先輩がいますけれども、私が役所に入ったときに最初言われたのは、新聞は読むものではない、書くものだというふうに言われて、恐らく、ちょっとずつガス抜きしながら、ある提案をしているのは事実だと思うんですよ。
 さまざまなこうしたリークに基づく報道がなされていますけれども、これはいずれも、例えば畜産物の関税が大幅に低下するとか、米の別枠輸入化とか、議論の俎上に上っているのは事実だと思うんですけれども、若い小泉政務官、どうですか、議論はどうなっていますか。
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小泉進次郎#26
○小泉大臣政務官 先ほど先生が、若い農家の方がやる気を失っている、そういったお話もありましたけれども、私の地元に限って言えば、そういったことはありません。
 若い農業者団体が新しくできまして、今から頑張って、どうやったら農業を魅力ある産業にできるのかということもありますので、やる気を失っている方もいて、やる気がある方もいるというのはどこの世界でも共通だと思うので、ぜひ、やる気がある若い農家の方のこともお触れいただきたいな、そういうふうに思いました。
 また、齋藤先生は私の同期で、大変お世話になっている先輩ですけれども、火のないところに煙は立たないかどうかというのは私もいろいろ思いがありますが、今回御指摘をいただいたTPPに関するさまざまな報道について、今交渉が進展してきていることは事実でありますけれども、大変重要な局面を迎えている中で個々の報道について述べることは適切ではないと思いますので、お答えすることはできませんが、例えば、先月、二月に、ワシントンDCでのカトラー・大江会談の後とかにも、事務方の方から、関係の業界団体、さまざまな組織に対しての説明会も開催をしております。約三百団体近くいらっしゃいますけれども、そういった機会を通じて、できる限り理解を深めていただいて、また御理解いただけるように、これからも全力で尽くしていただきたいと思います。
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福島伸享#27
○福島委員 私は、若い農家をけなそうとしているんじゃなくて、やる気のある農家も当然おりますし、その方々をむしろ後ろ支えするために地域を回っているということを申し上げながら、正直言って、今の答弁では全く理解できませんよね。具体的にこれをやっているというのを聞いているわけじゃないんですよ。
 ただ、おとといの記者会見で甘利大臣が、総理がこの五月に訪米される、総理が訪米されるとしたら、その前に日米の閣僚案件は決着しておきたいと言っているわけですよ。ということは、もう大分煮詰まっているということですよね。あとちょっとボタンを押せば、日米間では少なくとも実質合意をするんだ。いや、私はむしろ、去年のオバマさん来日のときのリークから見ても、かなりもう去年の段階で煮詰まっていて、いつでもまとまるような状況にあるんじゃないかと思うんですよ。
 もう一点、私がお聞きしたいのは、アメリカは、いわゆるTPA法案、貿易促進法案が通るか通らないかというのは非常に微妙なときにあるんですよ。TPA法案が通らない段階で日本が合意するなんというのは私はあり得ないと思うし、そこはある意味アメリカにとってのアキレス腱なわけでありますから、私は、大臣が記者会見で、総理が訪米される前に日米の閣僚案件は決着しておきたいとか、そんなカードを切るような話はすべきではないと思いますよ。
 だから、私は、TPA法案を通さない限り、日米間の交渉をまとめるなんということはあり得ないと思うんですけれども、甘利大臣のこの記者会見の発言に対して、小泉政務官、何かコメントはありますか。
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小泉進次郎#28
○小泉大臣政務官 交渉を担当している閣僚として、また私もそのラインにいる政務官でありますけれども、この交渉を早期妥結したい、そういった思いを持って取り組んでいることは当然のスタンスだと思っております。
 その上で、今委員の御指摘のあったTPAのことですけれども、これはアメリカの国内法でありますので、それぞれの国内で議会の承認を得るのは、その国の政府の責任で行うべきものであると思っています。
 そのため、十二カ国で合意されたものについては、ほかの国の事情で再交渉を求められた場合にも基本的には応じないという姿勢で臨むこととして、その旨を対外的にも明確にしているところであります。
 これからも、その早期妥結に向けて全力で交渉に当たってまいりたいと思っております。
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福島伸享#29
○福島委員 そういう官僚答弁をされるのは非常に残念なんですけれども、交渉期限をいつにするかということも重大なカードなんですよ。もしかしたら一番大きなカードかもしれないんですよ。そのカードを切るようなことを記者会見で発言するのが問題じゃないかと言っているんです。TPAがどうだとか、それに対して応じる、応じないとか、それはあるでしょう。それよりも前に、TPAができる前に妥結する可能性があると言うこと自体が、非常に大きなカードを切って、私は問題だと思うんです。ぜひそのことを大臣にお伝えください。
 なぜそう言うかというと、林大臣は、前の大臣のときに、所信表明では、「米、麦、牛肉・豚肉、乳製品、甘味資源作物等の重要品目の聖域を確保すること等の衆参両院の農林水産委員会での決議も踏まえ、国益を守り抜くよう引き続き全力で交渉を進めます。」非常に力強い所信を表明されたんですよ。
 ところが、ことしの所信をお聞きしたら、「国益を最大化する形での早期妥結に向け、引き続き、衆参両院の農林水産委員会決議が守られたとの評価をいただけるよう、政府一体となって全力で交渉を行ってまいります。」
 何か今の交渉状況はもしかしたら評価をいただけないんじゃないかという、私は言葉に敏感なものですから。これは、多くの皆さんがおやっと感じたと思いますよ。今まで国会決議を守り抜くんだと言っていたのが、もう恐らく大分固まったんでしょう、しかも、それは評価いただけないかもしれない、決議が破られていると評価されるかもしれないからこそこんなことを言っているんじゃないかというふうにとられるような、ニュアンスを変えているんですよ。私は、それが、先ほど言った、多くの生産者の皆さんに、情報も出さないから、一体何をやっているんだ、どうなるんだという不安を巻き起こしているんだと思います。
 国会決議は明確なんですよ。「牛肉・豚肉、乳製品、甘味資源作物などの農林水産物の重要品目について、引き続き再生産可能となるよう除外又は再協議の対象とすること。」ですよ。除外または再協議の対象としなかったら国会決議違反なんですよ。
 これは何の除外かはっきり書いていないんですけれども、これまでの貿易交渉において除外とか再協議というのは、関税の交渉のそもそも除外なんですよ。だから、本当は、関税交渉していることすら決議違反かもしれないんですよ。
 そうはいっても、交渉だから、多少のハンドルの遊びがあってもいいと認めるにしても、今リークされているような、米の別枠輸入枠の設定そのものをしたり、豚肉の関税を五十円にしたりとか、これは、こうやっていないと言うかもしれないけれども、もしこうなったら、明確にこれは衆議院のこの委員会の決議に違反すると大臣は思われませんか。
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