黒岩宇洋の発言 (法務委員会)
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○黒岩委員 さっき盛山委員もおっしゃいましたよね。条約の改正に伴う国内法の改正ということだけにとらわれず、関係者には大変重要な影響を及ぼすわけですから、真摯な議論をしましょう。
ということは、少なくとも所管省庁である法務省としてしっかりとしたバックデータもとり、だって、いいですか、私が言うのもなんですけれども、実務的には、さっき言った責任制限の申し立てがあれば、その裁判が起これば、まず裁判所は何をするかというと、損害賠償を請求する被害者が複数いる、その複数について、一人一人の損害額を確定させなきゃいけないんですよ。確定させた額が責任制限額よりも多い場合は、例えば被害額が百億で制限が五十億だとすれば、この二分の一を各被害者に案分して掛けて分配する、こういう作業を行っているわけですから、今言った、年三件の、二十五年なら二件の責任制限の申し立てについて、被害額と制限額の乖離がどれだけだったか、これを調べることは、実務上至極簡単なことだし、やろうと思ったら一日、二日でできる話なんですよ、確認すればいいだけなんですから。それを怠りながら今この法務委員会の場に挑んでいるということ自体がいかに問題であるかということだけはよく御認識してください。条約だからということで軽んじているんだったら、こんな議論は必要ないですよ。そのことはよく御認識ください。
では、次に移りましょう、もうこれは時間がかかっちゃうので。
次に、国際裁判管轄についてお聞きいたします。
これは、基本的には、船籍のある国、いわゆる旗国ですね。次に、締約国の領海内で事故が起きると、その締約国において裁判管轄が認められる。もう一つ、用船、すなわち、日本の海上企業が使用している船の場合だったら、日本企業は我が国に対して裁判を申し立てる、裁判管轄権がある。基本的にはこの三つだということでお聞きしておるんです。
これを前提に、では、一つの当てはめですけれども、公海において、公海ですから、これは先ほど言った締約国の領海内ではございません。そして、では、日本としましょう。日本の国の船、これはほとんど用船ですから、日本の船が締約国でない国の船と事故を起こした、こういうケースがあったとしましょう。
この場合に、今申し上げたとおり、日本の船主、海上企業は、日本の裁判所に責任制限の申し立てはできます。ただ一方、事故に遭った側は、当然、自国の裁判所に損害賠償請求をするわけですよ。その場合、これは損害賠償請求を起こした国での裁判でありますから、その国の国内法にのっとってこの裁判は進められるわけです。そして、結果として、日本で起こした責任制限の申し立ては何の効力も発揮しない、何の効力も持たないということになるんです。こういうことです。
私の問題意識は、その場合、今言ったように締約国でない国のルールにのっとるわけですから、そのルールいかんによっては物すごく船主に責任の負担がかかる場合もある。逆の場合もあるらしいですね。アメリカなどは、まあ、余り細かいことはやめた。今言ったように、不利になったり有利になったりする、すごく不安定な状況になるわけですよ。
そこで、お願いは、我が国、海洋大国日本として、今までも、IMO、国際海事機関に対してもさまざまな主張をしてきたわけですから、今、締約国というのは四十九カ国一地域、しかも、米国や中国や韓国は入っていないわけです。ですから、非常に不安定な状況になっていることは、海洋大国日本としては、やはり非常にまずい現状であるわけです。
ですから、IMOに対して、やはり締約国をふやす、それを日本が主導権を持ってどんどん進めていっていただきたい。このことについて前向きな御答弁をお願いいたします。