法務委員会
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会
会議録情報#0
平成二十七年四月一日(水曜日)
午前十一時二十一分開議
出席委員
委員長 奥野 信亮君
理事 安藤 裕君 理事 井野 俊郎君
理事 伊藤 忠彦君 理事 柴山 昌彦君
理事 盛山 正仁君 理事 山尾志桜里君
理事 井出 庸生君 理事 遠山 清彦君
大串 正樹君 大塚 拓君
門 博文君 菅家 一郎君
今野 智博君 白須賀貴樹君
辻 清人君 冨樫 博之君
藤原 崇君 古田 圭一君
前川 恵君 宮川 典子君
宮崎 謙介君 宮澤 博行君
宮路 拓馬君 簗 和生君
山口 壯君 山下 貴司君
若狭 勝君 大串 博志君
黒岩 宇洋君 階 猛君
津村 啓介君 中島 克仁君
山井 和則君 坂本祐之輔君
重徳 和彦君 大口 善徳君
國重 徹君 清水 忠史君
畑野 君枝君
…………………………………
法務大臣 上川 陽子君
法務副大臣
兼内閣府副大臣 葉梨 康弘君
国土交通副大臣 西村 明宏君
法務大臣政務官 大塚 拓君
外務大臣政務官 中根 一幸君
政府参考人
(内閣官房内閣審議官) 北村 博文君
政府参考人
(総務省大臣官房審議官) 橋本 嘉一君
政府参考人
(総務省自治行政局選挙部長) 稲山 博司君
政府参考人
(法務省民事局長) 深山 卓也君
政府参考人
(外務省大臣官房参事官) 水越 英明君
政府参考人
(外務省大臣官房参事官) 吉田 朋之君
政府参考人
(水産庁漁政部長) 水田 正和君
政府参考人
(国土交通省海事局次長) 櫻井 俊樹君
法務委員会専門員 矢部 明宏君
—————————————
委員の異動
三月三十一日
辞任 補欠選任
ふくだ峰之君 簗 和生君
四月一日
辞任 補欠選任
辻 清人君 大串 正樹君
山口 壯君 前川 恵君
山下 貴司君 白須賀貴樹君
鈴木 貴子君 中島 克仁君
柚木 道義君 山井 和則君
同日
辞任 補欠選任
大串 正樹君 辻 清人君
白須賀貴樹君 山下 貴司君
前川 恵君 山口 壯君
中島 克仁君 鈴木 貴子君
山井 和則君 大串 博志君
同日
辞任 補欠選任
大串 博志君 津村 啓介君
同日
辞任 補欠選任
津村 啓介君 柚木 道義君
同日
理事ふくだ峰之君三月三十一日委員辞任につき、その補欠として伊藤忠彦君が理事に当選した。
—————————————
本日の会議に付した案件
理事の補欠選任
政府参考人出頭要求に関する件
船舶の所有者等の責任の制限に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第七号)
————◇—————
この発言だけを見る →午前十一時二十一分開議
出席委員
委員長 奥野 信亮君
理事 安藤 裕君 理事 井野 俊郎君
理事 伊藤 忠彦君 理事 柴山 昌彦君
理事 盛山 正仁君 理事 山尾志桜里君
理事 井出 庸生君 理事 遠山 清彦君
大串 正樹君 大塚 拓君
門 博文君 菅家 一郎君
今野 智博君 白須賀貴樹君
辻 清人君 冨樫 博之君
藤原 崇君 古田 圭一君
前川 恵君 宮川 典子君
宮崎 謙介君 宮澤 博行君
宮路 拓馬君 簗 和生君
山口 壯君 山下 貴司君
若狭 勝君 大串 博志君
黒岩 宇洋君 階 猛君
津村 啓介君 中島 克仁君
山井 和則君 坂本祐之輔君
重徳 和彦君 大口 善徳君
國重 徹君 清水 忠史君
畑野 君枝君
…………………………………
法務大臣 上川 陽子君
法務副大臣
兼内閣府副大臣 葉梨 康弘君
国土交通副大臣 西村 明宏君
法務大臣政務官 大塚 拓君
外務大臣政務官 中根 一幸君
政府参考人
(内閣官房内閣審議官) 北村 博文君
政府参考人
(総務省大臣官房審議官) 橋本 嘉一君
政府参考人
(総務省自治行政局選挙部長) 稲山 博司君
政府参考人
(法務省民事局長) 深山 卓也君
政府参考人
(外務省大臣官房参事官) 水越 英明君
政府参考人
(外務省大臣官房参事官) 吉田 朋之君
政府参考人
(水産庁漁政部長) 水田 正和君
政府参考人
(国土交通省海事局次長) 櫻井 俊樹君
法務委員会専門員 矢部 明宏君
—————————————
委員の異動
三月三十一日
辞任 補欠選任
ふくだ峰之君 簗 和生君
四月一日
辞任 補欠選任
辻 清人君 大串 正樹君
山口 壯君 前川 恵君
山下 貴司君 白須賀貴樹君
鈴木 貴子君 中島 克仁君
柚木 道義君 山井 和則君
同日
辞任 補欠選任
大串 正樹君 辻 清人君
白須賀貴樹君 山下 貴司君
前川 恵君 山口 壯君
中島 克仁君 鈴木 貴子君
山井 和則君 大串 博志君
同日
辞任 補欠選任
大串 博志君 津村 啓介君
同日
辞任 補欠選任
津村 啓介君 柚木 道義君
同日
理事ふくだ峰之君三月三十一日委員辞任につき、その補欠として伊藤忠彦君が理事に当選した。
—————————————
本日の会議に付した案件
理事の補欠選任
政府参考人出頭要求に関する件
船舶の所有者等の責任の制限に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第七号)
————◇—————
奥
奥野信亮#1
○奥野委員長 これより会議を開きます。
冒頭、大臣がまだ参議院の予算委員会に出席している模様でありますので、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
委員の異動に伴い、現在理事が一名欠員となっております。その補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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委員の異動に伴い、現在理事が一名欠員となっております。その補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
奥
奥
奥野信亮#3
○奥野委員長 内閣提出、船舶の所有者等の責任の制限に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
この際、お諮りいたします。
本案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官北村博文君、総務省大臣官房審議官橋本嘉一君、総務省自治行政局選挙部長稲山博司君、法務省民事局長深山卓也君、外務省大臣官房参事官水越英明君、外務省大臣官房参事官吉田朋之君、水産庁漁政部長水田正和君及び国土交通省海事局次長櫻井俊樹君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →この際、お諮りいたします。
本案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官北村博文君、総務省大臣官房審議官橋本嘉一君、総務省自治行政局選挙部長稲山博司君、法務省民事局長深山卓也君、外務省大臣官房参事官水越英明君、外務省大臣官房参事官吉田朋之君、水産庁漁政部長水田正和君及び国土交通省海事局次長櫻井俊樹君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
奥
奥
盛
盛山正仁#6
○盛山委員 おはようございます。自由民主党の盛山正仁でございます。
それでは、船主責任制限法の改正について質問をさせていただきたいと思います。
紀元前のフェニキアの時代から、地中海では帆船による海上交易が行われておりました。シェークスピアが「ヴェニスの商人」で記載しているように、海運は危険と隣り合わせであり、帰帆すると莫大な利益が得られるものの、事故に遭遇すると破産するような状況でありました。そのため、海商法という法分野や、ロンドンのロイズコーヒーショップに集まった客によって近代的な損害保険制度をつくり上げたように、海運は古くからの歴史を有しております。
いかだや丸木舟、帆船から、産業革命による蒸気船、ディーゼルエンジンへと、船舶そして航行の技術が格段に進歩し、大船に乗った気持ちなどと形容されるように、現在の海運は安全なものとなっておりますが、それでも、地球上の気象、海象の猛威を完全に克服することは不可能であります。また、人為的なミスによる海難事故も、完全になくすことは不可能であります。
そうであるからこそ、昭和三十二年には海上航行船舶の所有者の責任の制限に関する国際条約が採択され、その後も、千九百七十六年の海事債権についての責任の制限に関する条約などが採択され、我が国は、それらを締結して、昭和五十年に船舶の所有者等の責任の制限に関する法律を成立させております。
一方、タンカーについては、昭和四十二年には、大型タンカーであるトーリーキャニオン号がドーバー海峡で座礁して積み荷である大量の原油が流れ出す事故が発生して、昭和四十四年には、油による汚染損害についての民事責任に関する国際条約、そして二年後の昭和四十六年には、油による汚染損害の補償のための国際基金の設立に関する条約が採択され、我が国でも、同じ昭和四十六年に新潟港沖で、タンカー、ジュリアナ号が座礁して積み荷の原油が流出する事故が発生したこともあり、我が国は、それらの条約を締結して、昭和五十年に油濁損害賠償保障法を制定しております。
また、衝突その他の海難事故を防止するため、明治二十二年に海上における衝突の予防規則がワシントンで採択されて、海上での航行ルールを定めて以降、昭和四十七年に、政府間海事協議機構で、千九百七十二年の海上における衝突の予防のための国際規則に関する条約が採択され、その後、数次の改正がなされております。
我が国では、昭和二十八年に海上衝突予防法が制定され、その後、改正を行っているほか、特に船舶の航行がふくそうし、海難事故発生の危険性が高い海域における航行を規制するため、昭和四十七年に海上交通安全法を制定し、海上衝突予防法の特別法として定めているところであります。
さて、無限責任を負わせないために船主の責任を制限することは、被害者対策の観点から問題はないのかということでございます。
タンカー事故については、積み荷の原油の荷主である石油会社の負担によりまして国際油濁補償基金が設けられて、最大一千億円を超す相当の規模の被害をカバーするような国際的枠組みが構築されています。
しかしながら、タンカー以外の事故につきましては、きょうも問題になっております船主責任制限法のカバーする分野でありますが、近年でいいますと、平成二十年三月五日に明石海峡で衝突事故が起こり、ベリーズ船籍の千四百六十六トンの貨物船ゴールドリーダーが沈没しました。沈没した船舶から燃料油が流出して、これは、タンカーの積み荷の油ではない、普通の貨物船の燃料油ですが、漁業被害額は約六十億円、周辺自治体の油除染経費が約十五億五千万と言われております。しかしながら、船舶の責任限度額は一億七千万円でありました。
翌平成二十一年三月十一日には、オーストラリアでパシフィック・アドベンチャラーの事故が発生し、被害額は約二十四億円、船主責任限度額は約五億円ということでありました。
これらの事故を踏まえ、オーストラリアなどの提案を受けて、IMOが責任限度額改正案を採択し、今回の船主責任制限法改正に至っていると承知しておりますが、明石海峡の事故を受けて、翌平成二十一年に、国土交通省に、広く関係者を集めた船舶燃料油被害の補償制度に関する検討会が設置され、平成二十三年二月に、船舶燃料油被害の補償制度に関する検討会中間取りまとめがまとめられたと承知しております。
まず、国土交通省に伺いたいのですが、この平成二十三年の中間取りまとめ以降、国土交通省としてどのように関係各省とともに被害者救済に取り組まれているのか、そこについて伺いたいと思います。
この発言だけを見る →それでは、船主責任制限法の改正について質問をさせていただきたいと思います。
紀元前のフェニキアの時代から、地中海では帆船による海上交易が行われておりました。シェークスピアが「ヴェニスの商人」で記載しているように、海運は危険と隣り合わせであり、帰帆すると莫大な利益が得られるものの、事故に遭遇すると破産するような状況でありました。そのため、海商法という法分野や、ロンドンのロイズコーヒーショップに集まった客によって近代的な損害保険制度をつくり上げたように、海運は古くからの歴史を有しております。
いかだや丸木舟、帆船から、産業革命による蒸気船、ディーゼルエンジンへと、船舶そして航行の技術が格段に進歩し、大船に乗った気持ちなどと形容されるように、現在の海運は安全なものとなっておりますが、それでも、地球上の気象、海象の猛威を完全に克服することは不可能であります。また、人為的なミスによる海難事故も、完全になくすことは不可能であります。
そうであるからこそ、昭和三十二年には海上航行船舶の所有者の責任の制限に関する国際条約が採択され、その後も、千九百七十六年の海事債権についての責任の制限に関する条約などが採択され、我が国は、それらを締結して、昭和五十年に船舶の所有者等の責任の制限に関する法律を成立させております。
一方、タンカーについては、昭和四十二年には、大型タンカーであるトーリーキャニオン号がドーバー海峡で座礁して積み荷である大量の原油が流れ出す事故が発生して、昭和四十四年には、油による汚染損害についての民事責任に関する国際条約、そして二年後の昭和四十六年には、油による汚染損害の補償のための国際基金の設立に関する条約が採択され、我が国でも、同じ昭和四十六年に新潟港沖で、タンカー、ジュリアナ号が座礁して積み荷の原油が流出する事故が発生したこともあり、我が国は、それらの条約を締結して、昭和五十年に油濁損害賠償保障法を制定しております。
また、衝突その他の海難事故を防止するため、明治二十二年に海上における衝突の予防規則がワシントンで採択されて、海上での航行ルールを定めて以降、昭和四十七年に、政府間海事協議機構で、千九百七十二年の海上における衝突の予防のための国際規則に関する条約が採択され、その後、数次の改正がなされております。
我が国では、昭和二十八年に海上衝突予防法が制定され、その後、改正を行っているほか、特に船舶の航行がふくそうし、海難事故発生の危険性が高い海域における航行を規制するため、昭和四十七年に海上交通安全法を制定し、海上衝突予防法の特別法として定めているところであります。
さて、無限責任を負わせないために船主の責任を制限することは、被害者対策の観点から問題はないのかということでございます。
タンカー事故については、積み荷の原油の荷主である石油会社の負担によりまして国際油濁補償基金が設けられて、最大一千億円を超す相当の規模の被害をカバーするような国際的枠組みが構築されています。
しかしながら、タンカー以外の事故につきましては、きょうも問題になっております船主責任制限法のカバーする分野でありますが、近年でいいますと、平成二十年三月五日に明石海峡で衝突事故が起こり、ベリーズ船籍の千四百六十六トンの貨物船ゴールドリーダーが沈没しました。沈没した船舶から燃料油が流出して、これは、タンカーの積み荷の油ではない、普通の貨物船の燃料油ですが、漁業被害額は約六十億円、周辺自治体の油除染経費が約十五億五千万と言われております。しかしながら、船舶の責任限度額は一億七千万円でありました。
翌平成二十一年三月十一日には、オーストラリアでパシフィック・アドベンチャラーの事故が発生し、被害額は約二十四億円、船主責任限度額は約五億円ということでありました。
これらの事故を踏まえ、オーストラリアなどの提案を受けて、IMOが責任限度額改正案を採択し、今回の船主責任制限法改正に至っていると承知しておりますが、明石海峡の事故を受けて、翌平成二十一年に、国土交通省に、広く関係者を集めた船舶燃料油被害の補償制度に関する検討会が設置され、平成二十三年二月に、船舶燃料油被害の補償制度に関する検討会中間取りまとめがまとめられたと承知しております。
まず、国土交通省に伺いたいのですが、この平成二十三年の中間取りまとめ以降、国土交通省としてどのように関係各省とともに被害者救済に取り組まれているのか、そこについて伺いたいと思います。
櫻
櫻井俊樹#7
○櫻井政府参考人 お答え申し上げます。
国土交通省の取り組みについて御質問をいただきました。
先生御指摘の検討会におきましては、被害者救済の方策につきまして、船主責任制限条約の簡易改正手続による責任限度額の引き上げのほか、船主責任制限条約の全面改正、バンカー条約において燃料被害に特化した責任限度額の設定、そして基金制度の創設も含む複数の補償制度について検討いたしました。
この中で、タンカーの油のような基金制度の創設につきましては、拠出を求め得る者を探しましたけれども、いずれも拠出義務を課す十分な理由に乏しく、基金創設は困難との結論に至りました。
並行して、国際海事機関におきましては、条約の簡易改正手続に基づく責任限度額の改正に絞って検討することが決まったため、国土交通省としましては、確実に責任限度額が引き上げられるようIMOにおきまして調整に努め、今次改正が実現したところでございます。
海運業の国際性に鑑みれば、補償制度の創設も国際的枠組みの中で取り組むことを前提とすべきと考えております。現在までのところ、今次責任限度額の引き上げ改正の採択以降、IMOに対して責任限度額を超える事故の報告はございません。
燃料油によります被害の額が責任限度額を超える場合における被害者の救済については、本改正後もなお重要な課題であると認識しております。このため、IMOの場において、国際的な事故や制度改正の考え方について情報収集に努め、各国の動向を踏まえつつ、適切な対応をしてまいる所存でございます。
この発言だけを見る →国土交通省の取り組みについて御質問をいただきました。
先生御指摘の検討会におきましては、被害者救済の方策につきまして、船主責任制限条約の簡易改正手続による責任限度額の引き上げのほか、船主責任制限条約の全面改正、バンカー条約において燃料被害に特化した責任限度額の設定、そして基金制度の創設も含む複数の補償制度について検討いたしました。
この中で、タンカーの油のような基金制度の創設につきましては、拠出を求め得る者を探しましたけれども、いずれも拠出義務を課す十分な理由に乏しく、基金創設は困難との結論に至りました。
並行して、国際海事機関におきましては、条約の簡易改正手続に基づく責任限度額の改正に絞って検討することが決まったため、国土交通省としましては、確実に責任限度額が引き上げられるようIMOにおきまして調整に努め、今次改正が実現したところでございます。
海運業の国際性に鑑みれば、補償制度の創設も国際的枠組みの中で取り組むことを前提とすべきと考えております。現在までのところ、今次責任限度額の引き上げ改正の採択以降、IMOに対して責任限度額を超える事故の報告はございません。
燃料油によります被害の額が責任限度額を超える場合における被害者の救済については、本改正後もなお重要な課題であると認識しております。このため、IMOの場において、国際的な事故や制度改正の考え方について情報収集に努め、各国の動向を踏まえつつ、適切な対応をしてまいる所存でございます。
盛
盛山正仁#8
○盛山委員 国際的枠組みでということは、それは理想でございます。それはそうあるべきだとは思うんですが、しかしながら、被害者への救済をどのようにしていくのか、国内的にももっとしっかり対応すべきではないか、私はそう思うわけですね。
今回の船主責任制限法改正と並行して、来年に向けて、商法第三編海商の全面改正の作業が進められているところであります。その中で船舶先取特権についての議論をなされているわけですが、漁業者の方からは、漁業者の被害について誰に請求していけばいいのか、損害賠償については限度額が設けられている一方で、十分な補償が政府からなされていない、泣き寝入りをしろということなのか、それにしては余りに被害額が大き過ぎるじゃないか、政府は漁業者に首をくくれということなのか、こういう悲痛な声が上がっています。
このような漁業被害に対して農林水産省としてどのように対応していくのか、お答えください。
この発言だけを見る →今回の船主責任制限法改正と並行して、来年に向けて、商法第三編海商の全面改正の作業が進められているところであります。その中で船舶先取特権についての議論をなされているわけですが、漁業者の方からは、漁業者の被害について誰に請求していけばいいのか、損害賠償については限度額が設けられている一方で、十分な補償が政府からなされていない、泣き寝入りをしろということなのか、それにしては余りに被害額が大き過ぎるじゃないか、政府は漁業者に首をくくれということなのか、こういう悲痛な声が上がっています。
このような漁業被害に対して農林水産省としてどのように対応していくのか、お答えください。
水
水田正和#9
○水田政府参考人 ただいま御質問いただいた件についてでございますけれども、明石海峡での事故のように、委員御指摘のとおり、責任限度額を超えることによりまして、被害額相当の損害賠償を受けられない事態が生じております。こうした事態につきましては、水産庁といたしましても、漁業者の生計にかかわる重大なものであると認識しておりまして、漁業共済等を活用して漁業被害者への支援を行っているところでございます。
明石海峡の事故の当時、この事故で被害を受けられました兵庫県のノリ養殖業者の方におかれましては、共済への加入率が低く、また、補償の低い契約を選択していた方が多かったことでございまして、十分に被害をカバーすることができなかったわけでございますが、現在では、兵庫のノリ養殖業者の方々の共済加入率は九割を超えておりまして、補償額の高い契約が選択されていると承知しております。
また、平成二十一年度からは、漁業共済の対象とならない油の防除費用につきましても、国と県の積み立てによりまして一定の補填を行う仕組みを設けたところでございます。
今後とも、水産庁といたしましては、関係省庁、関係団体と連携しつつ、漁業共済の加入促進に努めまして、こうした制度の活用によりまして、漁業者への影響軽減にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
この発言だけを見る →明石海峡の事故の当時、この事故で被害を受けられました兵庫県のノリ養殖業者の方におかれましては、共済への加入率が低く、また、補償の低い契約を選択していた方が多かったことでございまして、十分に被害をカバーすることができなかったわけでございますが、現在では、兵庫のノリ養殖業者の方々の共済加入率は九割を超えておりまして、補償額の高い契約が選択されていると承知しております。
また、平成二十一年度からは、漁業共済の対象とならない油の防除費用につきましても、国と県の積み立てによりまして一定の補填を行う仕組みを設けたところでございます。
今後とも、水産庁といたしましては、関係省庁、関係団体と連携しつつ、漁業共済の加入促進に努めまして、こうした制度の活用によりまして、漁業者への影響軽減にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
盛
盛山正仁#10
○盛山委員 漁業者だけではなくて、油除染対策を講じた兵庫県などの地元地方公共団体からも、政府が責任の限度を設定するなら政府が満額の賠償をすべきである、油防除措置の二分の一については、国交省所管の外国船舶油等防除対策費補助金が補正予算措置されたところであるが、地方負担の二分の一は、特別交付税措置を行うとされているものの、交付額全体の中に含まれていると整理されているのか、明確に個別の措置状況が示されていない、こんなふうな声が私にも寄せられているところであります。
地方公共団体の被害に対して総務省としてどのように対応していくつもりでしょうか。
この発言だけを見る →地方公共団体の被害に対して総務省としてどのように対応していくつもりでしょうか。
橋
橋本嘉一#11
○橋本政府参考人 お答えいたします。
船舶事故により燃料油が流出し、その除去を地方団体が行った場合、除去費用を船舶所有者等に請求することになりますが、船主責任制限法により、船舶所有者等が負う責任が制限されております。結果として、地方団体に財政負担が生じることがございます。
このような地方団体が実施する油の除去費用につきましては、一定の要件のもと、先生御指摘されましたように、国土交通省所管の国庫補助事業、これは補助率二分の一でございますが、その対象とされております。
総務省といたしましては、国庫補助事業に伴う地方負担分、また、補助を受けずに地方単独事業で実施した場合の地方負担分につきましては、特別交付税措置、これは県分が五割、市分が八割、これを講じているところでございます。
なお、平成二十年に発生いたしました明石海峡における事故におきましても、関係地方団体が油の除去に要した費用、これは十五億円かかっておりますが、国庫補助金が七億円支出され、残りの地方負担分につきましては、特別交付税を五億円、措置いたしております。
今後とも、関係省庁と連携を図りながら、引き続き適切な地方財政措置を講じてまいります。
この発言だけを見る →船舶事故により燃料油が流出し、その除去を地方団体が行った場合、除去費用を船舶所有者等に請求することになりますが、船主責任制限法により、船舶所有者等が負う責任が制限されております。結果として、地方団体に財政負担が生じることがございます。
このような地方団体が実施する油の除去費用につきましては、一定の要件のもと、先生御指摘されましたように、国土交通省所管の国庫補助事業、これは補助率二分の一でございますが、その対象とされております。
総務省といたしましては、国庫補助事業に伴う地方負担分、また、補助を受けずに地方単独事業で実施した場合の地方負担分につきましては、特別交付税措置、これは県分が五割、市分が八割、これを講じているところでございます。
なお、平成二十年に発生いたしました明石海峡における事故におきましても、関係地方団体が油の除去に要した費用、これは十五億円かかっておりますが、国庫補助金が七億円支出され、残りの地方負担分につきましては、特別交付税を五億円、措置いたしております。
今後とも、関係省庁と連携を図りながら、引き続き適切な地方財政措置を講じてまいります。
盛
盛山正仁#12
○盛山委員 今お答えでございますけれども、兵庫県、地元ともよくお話をしていただきたいと思います。どうも、ちょっと認識の差があるように感じられてなりません。
それから、水産庁さんのお話も、共済制度でカバーできるじゃないかというお答えでありましたけれども、それはどうなのかなと思います。やはり、被害が起こったときにどのようにそれをカバーしていくのか、自主的な共済制度でということとはまた問題の質が違うんじゃないかと私には考えられます。
さて、最後に大臣に伺いたいと思うんです。
昭和五十年に、船舶の所有者等の責任の制限に関する法律が昭和五十年の法律第九十四号として、そして油濁損害賠償保障法が同じ年の法律第九十五号として、双子の法律として制定されているわけです。
船舶の所有者等の責任の制限に関する法律は、民法の特例法として法務省が所管しておられるわけですけれども、残念ながら、法務省が海運と海難事故の実態についてしっかり把握しておられるとはなかなか思われないところでもございます。船舶油濁損害賠償保障法を所管する国土交通省等他の省庁とよく御相談されて、被害者救済に万全の措置をとられるようお願いしたいと思います。
国際条約の改正に伴う国内法の改正という機械的な扱いではなく、一旦海難事故が発生した場合の第三者被害、特に環境被害や漁業被害等の被害者対策にしっかり取り組んでいただきたい、こう願うものであります。
政府としてどのようにされるのか。昭和四十七年五月に衆議院の交特委で附帯決議が、そして同年六月に参議院交特委で附帯決議がなされております。また、先ほどの平成二十三年の国交省の中間取りまとめにどのように政府全体として対応されていくのか。商法改正の船舶先取特権の改正内容を含め、政府の考えを伺いたいと思いますし、法と政治は被害者を救済するためにあるのだという認識を政府全体で共有していただけるように、上川大臣、ぜひ御指導いただきたいと考える次第です。
この発言だけを見る →それから、水産庁さんのお話も、共済制度でカバーできるじゃないかというお答えでありましたけれども、それはどうなのかなと思います。やはり、被害が起こったときにどのようにそれをカバーしていくのか、自主的な共済制度でということとはまた問題の質が違うんじゃないかと私には考えられます。
さて、最後に大臣に伺いたいと思うんです。
昭和五十年に、船舶の所有者等の責任の制限に関する法律が昭和五十年の法律第九十四号として、そして油濁損害賠償保障法が同じ年の法律第九十五号として、双子の法律として制定されているわけです。
船舶の所有者等の責任の制限に関する法律は、民法の特例法として法務省が所管しておられるわけですけれども、残念ながら、法務省が海運と海難事故の実態についてしっかり把握しておられるとはなかなか思われないところでもございます。船舶油濁損害賠償保障法を所管する国土交通省等他の省庁とよく御相談されて、被害者救済に万全の措置をとられるようお願いしたいと思います。
国際条約の改正に伴う国内法の改正という機械的な扱いではなく、一旦海難事故が発生した場合の第三者被害、特に環境被害や漁業被害等の被害者対策にしっかり取り組んでいただきたい、こう願うものであります。
政府としてどのようにされるのか。昭和四十七年五月に衆議院の交特委で附帯決議が、そして同年六月に参議院交特委で附帯決議がなされております。また、先ほどの平成二十三年の国交省の中間取りまとめにどのように政府全体として対応されていくのか。商法改正の船舶先取特権の改正内容を含め、政府の考えを伺いたいと思いますし、法と政治は被害者を救済するためにあるのだという認識を政府全体で共有していただけるように、上川大臣、ぜひ御指導いただきたいと考える次第です。
上
上川陽子#13
○上川国務大臣 過去にも海難事故によりましてさまざまな被害があったということで、それにふさわしい体制あるいは法制度のあり方ということについて御指摘がございました。
今回の改正によりまして、船主責任制限法におきまして責任限度額の引き上げがなされた後におきましてもなお、漁業被害等の額が責任限度額を超える場合における被害者の救済は大変重要であるというふうに思っております。
先ほど国土交通省からは、国際的な事故あるいは制度改正の考え方に関する情報収集に努めた、そして外国の動向を踏まえながら対応していくという答弁がありましたし、また、農林水産省もさまざまな取り組みをしているということでございます。
国際的、国内的な救済措置等がございますので、政府全体として適切な施策をとるべく、頑張っていきたいというふうに思っております。
この発言だけを見る →今回の改正によりまして、船主責任制限法におきまして責任限度額の引き上げがなされた後におきましてもなお、漁業被害等の額が責任限度額を超える場合における被害者の救済は大変重要であるというふうに思っております。
先ほど国土交通省からは、国際的な事故あるいは制度改正の考え方に関する情報収集に努めた、そして外国の動向を踏まえながら対応していくという答弁がありましたし、また、農林水産省もさまざまな取り組みをしているということでございます。
国際的、国内的な救済措置等がございますので、政府全体として適切な施策をとるべく、頑張っていきたいというふうに思っております。
盛
奥
黒
黒岩宇洋#16
○黒岩委員 民主党の黒岩宇洋でございます。
それでは、船主責任制限法一部改正について御質問をさせていただきます。
今の議論にもあったように、この条約の目的は、そもそも海難事故というものは大変甚大なる損害を生じる、それを全て船主に責任を負わせるということになると、確かに、海上企業に参入する、この参入の萎縮効果が働いてしまう、何とかそれを防止しようと。さらには、海上企業を保護しようという観点からこの条約が採択された。このように認識しておりますし、その目的には合理性があると思っています。
ただ、悩ましいのは、やはり船主の責任を制限すればするほど、逆に、被害者の救済、保護が手薄になるという、これはまさに見合いの関係になって、利益とすれば相反する、二律背反するわけですから、この微妙なバランスのもとにこの条約そして国内法が成り立っているという観点から、総論について何点かお聞きし、その後、各論について二点ほどお聞きをしたいと思っております。
まず総論なんですけれども、今の責任限度額、今回、九六年改正時に比べて、二〇一二年改正では一・五一倍に限度が引き上げられる。七万トンクラスの物損、人損ですと百二十五億円から百八十九億円に上がる、このような目安になっておるんです。
ここでお聞きしたいんですけれども、まず、船主の側から見てみましょう。船主の側が、では、一・五一倍といったものを妥当と考えられるのかどうか。
具体的には、船主は五割増しの損害賠償を払うわけではありません。現実には、P&I保険という、船主同士がお金を出す船主責任相互保険組合というものがありまして、結局は、そこに対する保険料がどう上がるのかということが船主にとって自分の直接の持ち出しになる。
過去の改正においては、大きなものですと六倍程度引き上げられたこともあるわけですけれども、今回の一・五一倍の限度額の引き上げによってこのP&I保険の保険料というものが引き上げられると見込まれているのかどうか、この点についてお答えください。
この発言だけを見る →それでは、船主責任制限法一部改正について御質問をさせていただきます。
今の議論にもあったように、この条約の目的は、そもそも海難事故というものは大変甚大なる損害を生じる、それを全て船主に責任を負わせるということになると、確かに、海上企業に参入する、この参入の萎縮効果が働いてしまう、何とかそれを防止しようと。さらには、海上企業を保護しようという観点からこの条約が採択された。このように認識しておりますし、その目的には合理性があると思っています。
ただ、悩ましいのは、やはり船主の責任を制限すればするほど、逆に、被害者の救済、保護が手薄になるという、これはまさに見合いの関係になって、利益とすれば相反する、二律背反するわけですから、この微妙なバランスのもとにこの条約そして国内法が成り立っているという観点から、総論について何点かお聞きし、その後、各論について二点ほどお聞きをしたいと思っております。
まず総論なんですけれども、今の責任限度額、今回、九六年改正時に比べて、二〇一二年改正では一・五一倍に限度が引き上げられる。七万トンクラスの物損、人損ですと百二十五億円から百八十九億円に上がる、このような目安になっておるんです。
ここでお聞きしたいんですけれども、まず、船主の側から見てみましょう。船主の側が、では、一・五一倍といったものを妥当と考えられるのかどうか。
具体的には、船主は五割増しの損害賠償を払うわけではありません。現実には、P&I保険という、船主同士がお金を出す船主責任相互保険組合というものがありまして、結局は、そこに対する保険料がどう上がるのかということが船主にとって自分の直接の持ち出しになる。
過去の改正においては、大きなものですと六倍程度引き上げられたこともあるわけですけれども、今回の一・五一倍の限度額の引き上げによってこのP&I保険の保険料というものが引き上げられると見込まれているのかどうか、この点についてお答えください。
深
深山卓也#17
○深山政府参考人 船舶所有者は、今御指摘のP&I責任保険に加入しているのが通常でございます。今回の改正の影響について複数の保険事業者に伺いましたが、責任限度額を超えるような事故の発生が割合的に極めて少ないということもあって、この改正で直ちに保険料を引き上げることは予定していないというのが見込みでございます。
この発言だけを見る →黒
黒岩宇洋#18
○黒岩委員 そうなんですよね。今回の改正によって船主側の負担は当面は上がらない、こういうことなんです。逆に言えば、このP&I保険自体にまだ余裕があるという状況なんですね、今言ったように責任制限の申し立ての件数が大変限られていますから。
では次に、被害者側から見てみましょう。果たしてこの一・五一倍というものが被害者にとって妥当な数字なのか。これはなかなか難しいんですよね。
私、こういう観点でお聞きしたいんですよ。これは法務省にも確認しましたけれども、過去十年間、直近ですと平成二十五年までなんですけれども、船主が責任制限事件として裁判所に新しく申し立てた件数というのがこの十年間で三十二件です。平均、年三件ですね。ですから、余り多くない。直近だと、二件、二件、二件ぐらいだったと記憶しています。
それで、お聞きしたいんですけれども、被害者側からすれば、一・五一倍になって、では、いざ自分が被害を受けたときにどれほどカバーできるのか。これは、将来のことはもちろんわかりません、海難事故の規模はわかりません。ただ、知りたいのは、少なくとも過去十年の三十二件、これが、責任限度額は設定されているわけですから、それを総被害額が一体どれほど上回っているのか、これをお聞かせいただきたい。これは、民事局長、お願いします。
この発言だけを見る →では次に、被害者側から見てみましょう。果たしてこの一・五一倍というものが被害者にとって妥当な数字なのか。これはなかなか難しいんですよね。
私、こういう観点でお聞きしたいんですよ。これは法務省にも確認しましたけれども、過去十年間、直近ですと平成二十五年までなんですけれども、船主が責任制限事件として裁判所に新しく申し立てた件数というのがこの十年間で三十二件です。平均、年三件ですね。ですから、余り多くない。直近だと、二件、二件、二件ぐらいだったと記憶しています。
それで、お聞きしたいんですけれども、被害者側からすれば、一・五一倍になって、では、いざ自分が被害を受けたときにどれほどカバーできるのか。これは、将来のことはもちろんわかりません、海難事故の規模はわかりません。ただ、知りたいのは、少なくとも過去十年の三十二件、これが、責任限度額は設定されているわけですから、それを総被害額が一体どれほど上回っているのか、これをお聞かせいただきたい。これは、民事局長、お願いします。
深
深山卓也#19
○深山政府参考人 今御指摘のあった件数はそのとおりでございますが、それぞれの事件について、責任限度額と被害額、損害賠償額とがどれほど乖離していたのかということについての統計的なデータを持ち合わせておりませんので、数字的なところはわかりかねます。ヤジ
この発言だけを見る →黒
黒岩宇洋#20
○黒岩委員 そうなんですよ。それが大問題だと思っているんですね。
例えば、この後の燃料油についての質問の中に入ってくるんですけれども、この燃料油については、先ほどのP&Iの、主要な十三のP&Iを集めたP&Iの国際グループが、燃料油による被害の件数は二〇〇〇年から二〇〇九年の約十年で五百九十五件としっかりと数字を出して、そのうち責任限度額を超えた事故が八件あったと。
しかも、その一件ずつにおいて、限度額の何倍かというのを出しているんですね。実は、明石の事故が三十三・五倍。これは、五十二億円ととるか、先ほどの盛山委員のように六十億ととるかによって変わりますけれども、五十二億と捉えた場合は三十三・五倍であると。他の七件は一・八倍から四・三倍なんですね。
そうすると、今回、一・五一倍になれば、全てをカバーできるのはこの八件のどこにもないんですけれども、例えば一・八倍だった事件だったら、一・五一倍ということは、ああ、総被害額の八割までは負担できるんだな、こういうイメージが湧くわけですよ。
そして、重要なことは、いかに条約を受けた国内法とはいえ、我が国で法律をつくるわけですから、立法事実を積み上げなければ、国内法の改正などというものは議論ができないじゃありませんか。
その点について、大臣、今、私は平易な言葉で説明しているので、十分に御理解いただけていると思います。決して事務方の必要はありません。今言ったように、大事な法改正を議論するときに、被害者側にとってこの一・五一倍が妥当かどうかを判断する、このことを立法事実として説明する責任があるんじゃないですか。大臣、その点についてお答えください。
この発言だけを見る →例えば、この後の燃料油についての質問の中に入ってくるんですけれども、この燃料油については、先ほどのP&Iの、主要な十三のP&Iを集めたP&Iの国際グループが、燃料油による被害の件数は二〇〇〇年から二〇〇九年の約十年で五百九十五件としっかりと数字を出して、そのうち責任限度額を超えた事故が八件あったと。
しかも、その一件ずつにおいて、限度額の何倍かというのを出しているんですね。実は、明石の事故が三十三・五倍。これは、五十二億円ととるか、先ほどの盛山委員のように六十億ととるかによって変わりますけれども、五十二億と捉えた場合は三十三・五倍であると。他の七件は一・八倍から四・三倍なんですね。
そうすると、今回、一・五一倍になれば、全てをカバーできるのはこの八件のどこにもないんですけれども、例えば一・八倍だった事件だったら、一・五一倍ということは、ああ、総被害額の八割までは負担できるんだな、こういうイメージが湧くわけですよ。
そして、重要なことは、いかに条約を受けた国内法とはいえ、我が国で法律をつくるわけですから、立法事実を積み上げなければ、国内法の改正などというものは議論ができないじゃありませんか。
その点について、大臣、今、私は平易な言葉で説明しているので、十分に御理解いただけていると思います。決して事務方の必要はありません。今言ったように、大事な法改正を議論するときに、被害者側にとってこの一・五一倍が妥当かどうかを判断する、このことを立法事実として説明する責任があるんじゃないですか。大臣、その点についてお答えください。
上
上川陽子#21
○上川国務大臣 先ほど委員から、責任限度額の引き上げに際しましては、被害者の保護と船舶の所有者の保護との均衡が重要であるというふうな御指摘がございましたけれども、そのとおりであるというふうに思っております。
今回の責任限度額の引き上げにつきましては、IMOにおきましての審議を経た上でということで、前回の改正時からの物価上昇分を踏まえて一・五一倍という引き上げ率が決定されたというふうに承知をしているところでございます。
被害者の保護と船舶所有者の保護との均衡の観点ということで審議がなされたというふうに聞いておりまして、今回の法改正におきましても、このような考え方に沿った形でつくっているということでございます。国際条約の改正に合わせたものということでございます。
先ほど来お話がありました賠償責任保険につきましては、さまざまなヒアリングをいたした結果、最終的には直ちに保険料の引き上げには至らないということもございまして、そうしたことの判断の中で今のような状況に至ったというふうに思っております。
この発言だけを見る →今回の責任限度額の引き上げにつきましては、IMOにおきましての審議を経た上でということで、前回の改正時からの物価上昇分を踏まえて一・五一倍という引き上げ率が決定されたというふうに承知をしているところでございます。
被害者の保護と船舶所有者の保護との均衡の観点ということで審議がなされたというふうに聞いておりまして、今回の法改正におきましても、このような考え方に沿った形でつくっているということでございます。国際条約の改正に合わせたものということでございます。
先ほど来お話がありました賠償責任保険につきましては、さまざまなヒアリングをいたした結果、最終的には直ちに保険料の引き上げには至らないということもございまして、そうしたことの判断の中で今のような状況に至ったというふうに思っております。
黒
黒岩宇洋#22
○黒岩委員 大臣、それは私、前段の部分で説明したでしょう。条約締約国とすれば、各国の物価の案分によって一・五一倍と決めたら、その一・五一倍は動かせないことぐらいはわかっているし、そのことを説明しました。
ただ、国内法を改正するに当たっては、被害者となり得る人たちに対して、国内法の立法事実として、それはある程度の統計をもってその説明をする責任があるでしょうと言っているわけですよ。その責任についてどうお考えか。ペーパーは要らないですよ、書いてありませんから。お答えください。
この発言だけを見る →ただ、国内法を改正するに当たっては、被害者となり得る人たちに対して、国内法の立法事実として、それはある程度の統計をもってその説明をする責任があるでしょうと言っているわけですよ。その責任についてどうお考えか。ペーパーは要らないですよ、書いてありませんから。お答えください。
奥
上
上川陽子#24
○上川国務大臣 今回、国内法の改正についてお願いをしているところでございますが、あくまで、国際条約の中で日本の国の責任を果たす、そういう枠組みの中でのものであるというふうに思っております。
先ほどの損害につきまして、責任限度額以上の漁業的なもの、あるいは被害があるということにつきましては、対応についてはそれぞれ検討しておるところでございます。
この発言だけを見る →先ほどの損害につきまして、責任限度額以上の漁業的なもの、あるいは被害があるということにつきましては、対応についてはそれぞれ検討しておるところでございます。
黒
黒岩宇洋#25
○黒岩委員 さっき盛山委員もおっしゃいましたよね。条約の改正に伴う国内法の改正ということだけにとらわれず、関係者には大変重要な影響を及ぼすわけですから、真摯な議論をしましょう。
ということは、少なくとも所管省庁である法務省としてしっかりとしたバックデータもとり、だって、いいですか、私が言うのもなんですけれども、実務的には、さっき言った責任制限の申し立てがあれば、その裁判が起これば、まず裁判所は何をするかというと、損害賠償を請求する被害者が複数いる、その複数について、一人一人の損害額を確定させなきゃいけないんですよ。確定させた額が責任制限額よりも多い場合は、例えば被害額が百億で制限が五十億だとすれば、この二分の一を各被害者に案分して掛けて分配する、こういう作業を行っているわけですから、今言った、年三件の、二十五年なら二件の責任制限の申し立てについて、被害額と制限額の乖離がどれだけだったか、これを調べることは、実務上至極簡単なことだし、やろうと思ったら一日、二日でできる話なんですよ、確認すればいいだけなんですから。それを怠りながら今この法務委員会の場に挑んでいるということ自体がいかに問題であるかということだけはよく御認識してください。条約だからということで軽んじているんだったら、こんな議論は必要ないですよ。そのことはよく御認識ください。
では、次に移りましょう、もうこれは時間がかかっちゃうので。
次に、国際裁判管轄についてお聞きいたします。
これは、基本的には、船籍のある国、いわゆる旗国ですね。次に、締約国の領海内で事故が起きると、その締約国において裁判管轄が認められる。もう一つ、用船、すなわち、日本の海上企業が使用している船の場合だったら、日本企業は我が国に対して裁判を申し立てる、裁判管轄権がある。基本的にはこの三つだということでお聞きしておるんです。
これを前提に、では、一つの当てはめですけれども、公海において、公海ですから、これは先ほど言った締約国の領海内ではございません。そして、では、日本としましょう。日本の国の船、これはほとんど用船ですから、日本の船が締約国でない国の船と事故を起こした、こういうケースがあったとしましょう。
この場合に、今申し上げたとおり、日本の船主、海上企業は、日本の裁判所に責任制限の申し立てはできます。ただ一方、事故に遭った側は、当然、自国の裁判所に損害賠償請求をするわけですよ。その場合、これは損害賠償請求を起こした国での裁判でありますから、その国の国内法にのっとってこの裁判は進められるわけです。そして、結果として、日本で起こした責任制限の申し立ては何の効力も発揮しない、何の効力も持たないということになるんです。こういうことです。
私の問題意識は、その場合、今言ったように締約国でない国のルールにのっとるわけですから、そのルールいかんによっては物すごく船主に責任の負担がかかる場合もある。逆の場合もあるらしいですね。アメリカなどは、まあ、余り細かいことはやめた。今言ったように、不利になったり有利になったりする、すごく不安定な状況になるわけですよ。
そこで、お願いは、我が国、海洋大国日本として、今までも、IMO、国際海事機関に対してもさまざまな主張をしてきたわけですから、今、締約国というのは四十九カ国一地域、しかも、米国や中国や韓国は入っていないわけです。ですから、非常に不安定な状況になっていることは、海洋大国日本としては、やはり非常にまずい現状であるわけです。
ですから、IMOに対して、やはり締約国をふやす、それを日本が主導権を持ってどんどん進めていっていただきたい。このことについて前向きな御答弁をお願いいたします。
この発言だけを見る →ということは、少なくとも所管省庁である法務省としてしっかりとしたバックデータもとり、だって、いいですか、私が言うのもなんですけれども、実務的には、さっき言った責任制限の申し立てがあれば、その裁判が起これば、まず裁判所は何をするかというと、損害賠償を請求する被害者が複数いる、その複数について、一人一人の損害額を確定させなきゃいけないんですよ。確定させた額が責任制限額よりも多い場合は、例えば被害額が百億で制限が五十億だとすれば、この二分の一を各被害者に案分して掛けて分配する、こういう作業を行っているわけですから、今言った、年三件の、二十五年なら二件の責任制限の申し立てについて、被害額と制限額の乖離がどれだけだったか、これを調べることは、実務上至極簡単なことだし、やろうと思ったら一日、二日でできる話なんですよ、確認すればいいだけなんですから。それを怠りながら今この法務委員会の場に挑んでいるということ自体がいかに問題であるかということだけはよく御認識してください。条約だからということで軽んじているんだったら、こんな議論は必要ないですよ。そのことはよく御認識ください。
では、次に移りましょう、もうこれは時間がかかっちゃうので。
次に、国際裁判管轄についてお聞きいたします。
これは、基本的には、船籍のある国、いわゆる旗国ですね。次に、締約国の領海内で事故が起きると、その締約国において裁判管轄が認められる。もう一つ、用船、すなわち、日本の海上企業が使用している船の場合だったら、日本企業は我が国に対して裁判を申し立てる、裁判管轄権がある。基本的にはこの三つだということでお聞きしておるんです。
これを前提に、では、一つの当てはめですけれども、公海において、公海ですから、これは先ほど言った締約国の領海内ではございません。そして、では、日本としましょう。日本の国の船、これはほとんど用船ですから、日本の船が締約国でない国の船と事故を起こした、こういうケースがあったとしましょう。
この場合に、今申し上げたとおり、日本の船主、海上企業は、日本の裁判所に責任制限の申し立てはできます。ただ一方、事故に遭った側は、当然、自国の裁判所に損害賠償請求をするわけですよ。その場合、これは損害賠償請求を起こした国での裁判でありますから、その国の国内法にのっとってこの裁判は進められるわけです。そして、結果として、日本で起こした責任制限の申し立ては何の効力も発揮しない、何の効力も持たないということになるんです。こういうことです。
私の問題意識は、その場合、今言ったように締約国でない国のルールにのっとるわけですから、そのルールいかんによっては物すごく船主に責任の負担がかかる場合もある。逆の場合もあるらしいですね。アメリカなどは、まあ、余り細かいことはやめた。今言ったように、不利になったり有利になったりする、すごく不安定な状況になるわけですよ。
そこで、お願いは、我が国、海洋大国日本として、今までも、IMO、国際海事機関に対してもさまざまな主張をしてきたわけですから、今、締約国というのは四十九カ国一地域、しかも、米国や中国や韓国は入っていないわけです。ですから、非常に不安定な状況になっていることは、海洋大国日本としては、やはり非常にまずい現状であるわけです。
ですから、IMOに対して、やはり締約国をふやす、それを日本が主導権を持ってどんどん進めていっていただきたい。このことについて前向きな御答弁をお願いいたします。
奥
奥野信亮#26
○奥野委員長 先にちょっと……(黒岩委員「いや、いいです。こんなもの、民事局長の答える話じゃない」と呼ぶ)えらい細かい話だから、ちょっと一回……(黒岩委員「全然細かくない」と呼ぶ)事実をちょっと言ってよ。それで、わかった上で答えた方がいいと思うよ。
どうぞ、民事局長。
この発言だけを見る →どうぞ、民事局長。
深
深山卓也#27
○深山政府参考人 今委員が例に挙げましたアメリカ、あるいは中国、韓国という我が国と結びつきの強い国がこの国際条約の締約国でないのは御指摘のとおりです。
これらの国々に対して国際条約の締結を促すべきかということは、外交政策的な判断に属することでもあり、法務省として外交政策をどうするべきかということをお答えする立場にはないと思いますが、ただ、国内の船主責任制限手続を所管している立場からして、国際的な制度の協調がされていくこと、これは一般論として望ましいことだというふうに考えております。
この発言だけを見る →これらの国々に対して国際条約の締結を促すべきかということは、外交政策的な判断に属することでもあり、法務省として外交政策をどうするべきかということをお答えする立場にはないと思いますが、ただ、国内の船主責任制限手続を所管している立場からして、国際的な制度の協調がされていくこと、これは一般論として望ましいことだというふうに考えております。
黒
黒岩宇洋#28
○黒岩委員 それは、IMOに実際に行っているのは国交省の人間でありますしね。ただ、もちろん外務省の職員として出向して行っているわけですけれども。
ただ、今言ったように、私が申し上げているのは、所管する法務省としても、政府全体としてもということに対して、局長が前向きな答弁、本当は大臣にしてほしかったんですけれども、前向きな答弁をいただきましたので、これで終わりにしますよ。
では、各論に行きましょう。
まず一点目は、この制限条約は、物損においても人損においても同じく制限がかかるというものになっています。ただ、人的な部分については、私の考えでは、やはり補償を手厚くしていくべきなのかなと。
そこで、お聞きしたいんですけれども、まず、全体に被害者保護の流れが、これは我が国の商法と言ってもいいし、条約を前提として商法が変わってくるわけですけれども、もともとは商法の委付主義として、なかなかなじみがないですけれども、委付主義というのは、簡単に言えば、これは、原則は無制限の原則ではありますけれども、実際には、事故を起こしたときには、例えばその船及び運送賃とか、要するに現物を限度にして相手に補償する、こういう委付主義という概念があったわけですけれども、これが一九五七年の条約制定によって、我が国も、金額責任主義、すなわち、トン数に応じて上限額を決める、こういう金額責任主義という考え方に変わってきた。
これは、被害者救済、保護には手厚くなったという理解でよろしいですね。イエスかノーかでお答えください。
この発言だけを見る →ただ、今言ったように、私が申し上げているのは、所管する法務省としても、政府全体としてもということに対して、局長が前向きな答弁、本当は大臣にしてほしかったんですけれども、前向きな答弁をいただきましたので、これで終わりにしますよ。
では、各論に行きましょう。
まず一点目は、この制限条約は、物損においても人損においても同じく制限がかかるというものになっています。ただ、人的な部分については、私の考えでは、やはり補償を手厚くしていくべきなのかなと。
そこで、お聞きしたいんですけれども、まず、全体に被害者保護の流れが、これは我が国の商法と言ってもいいし、条約を前提として商法が変わってくるわけですけれども、もともとは商法の委付主義として、なかなかなじみがないですけれども、委付主義というのは、簡単に言えば、これは、原則は無制限の原則ではありますけれども、実際には、事故を起こしたときには、例えばその船及び運送賃とか、要するに現物を限度にして相手に補償する、こういう委付主義という概念があったわけですけれども、これが一九五七年の条約制定によって、我が国も、金額責任主義、すなわち、トン数に応じて上限額を決める、こういう金額責任主義という考え方に変わってきた。
これは、被害者救済、保護には手厚くなったという理解でよろしいですね。イエスかノーかでお答えください。
上