前田裕司の発言 (法務委員会)

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○前田参考人 参考人の前田でございます。
 確かに、裁判員裁判施行当初より裁判員候補者の方の辞退率がふえているというのは統計上明らかではないかと思うんですが、その原因がどこにあるのかというのは、なかなか分析が難しいところがあるのではないかと思っています。
 私、もとより分析できる立場にはございませんけれども、一つは、私が思いますに、裁判所の運用が辞退に対して非常に緩やかといいますか、辞退の申し出があれば、まずほとんどその辞退を認めてきたという現実がございまして、そういう運用の実情を市民の皆さん方がわかってきて、行かなくても特に法律上制裁を受けることはないのではないかというような心理的な状況が生まれていることも一つの要因であるのかもしれません。だからといって、では、裁判所に出席しなかった人に対して何か厳しくやったらいいのかということにも、それは私も消極的な意見ではあるんですけれども、そういう一種のなれが生じてきていることが一つの原因ではないのかというふうに思っております。
 ただ、私自身の個人的な意見を申し上げますと、積極的に裁判員になりたいという方々が多いという状況が果たしていいのかということもございます。刑事裁判というのは、場合によっては、人を死刑にしたり、刑務所に送る作業でございます。誰しも、やりたくないというか、積極的にそれをやりたいと思うような職務ではないと思うのですね。
 ですから、そういう刑事裁判の判断者に立つということ自体は、なかなか、自分がやれと言われてもちゅうちょするけれども、しかし、この制度趣旨がやはりそれなりに民主社会の一つの重要な要素として存在して、そういう立場に立ったものであればその責任をきちんと果たしたい、そういうことで裁判員の職務を担っておられる方々もかなりおられるんだろうと思うんです。
 数字的に、やはりやりたくはないけれども、やってみたら非常によかったという統計数字があるのは、そういう一人一人の国民の皆さんの心理的状況を反映しているのではないかと思っておりまして、私自身は、辞退率が向上しているということについて、やはりちゃんと分析をする必要はあると思いますけれども、余り悲観的には見ていないというのが私の個人的な見解でございます。

発言情報

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発言者: 前田裕司

speaker_id: 1140

日付: 2015-05-12

院: 衆議院

会議名: 法務委員会