上川陽子の発言 (法務委員会)
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○上川国務大臣 委員御指摘がございました、判例によりましても、約束による自白、約束自白ということにつきまして任意性を否定したものということでございます。
その理由についてでありますけれども、これは、虚偽供述のおそれが類型的に高いということを中心に理解するというのが通説的な見解であるというふうに思われるところでございます。約束による自白は虚偽供述のおそれが高いということでございます。
一方、合意制度におきましては、協議の開始から合意の成立に至るまで、弁護人の関与ということを規定しているところでございますので、被疑者、被告人といたしましても、弁護人の助けを得ながら、合意に応じるか否か、つまり、自己に有利な取り扱いを受ける、恩典を受けるということと引きかえに供述をするか否かにつきまして、検察官と一対一で対峙するという形ではなく、弁護人の同席とその援助を十分に得ながら任意に判断することができる、こういう仕組みでございます。
さらに、合意制度におきましては、自白をすることではなく、あくまで真実の供述をする、真実の供述につきましては、自己の記憶に従った供述をすることを約束するということになるわけでございます。自白は反対尋問にさらされないということでありますが、この合意に基づく供述につきましては第三者の公判で徹底した反対尋問にさらされるということでございますので、その信用性につきましては厳しく吟味をされるということになるわけであります。
虚偽の自白につきまして、基本的に処罰の対象とならないということでありますが、合意をした者による捜査機関に対する虚偽の供述等につきましては、新設いたしました罰則によりまして処罰の対象になる、こうした制度をつくっているところでございます。
また、検察官といたしましても、合意に基づき供述が得られた場合に、その供述が公判におきましても十分に信用され得るものかどうかということについて判断をするために、徹底的に裏づけ捜査を行うことになるわけでございます。
その結果、仮にその供述が虚偽であるということが明らかにされるということになりますと、これは合意から離脱するということが可能となるということでありまして、被疑者、被告人として有利な取り扱いを受けられないということになる上、さらに虚偽供述罪によりまして処罰され得るということにもなるということになります。
したがいまして、合意に基づく供述につきましては、たとえ虚偽であったといたしましても、特定の供述をしようというような誘因が必ずしも強いというふうに言えないのではないかということでありまして、言いかえて申し上げますと、虚偽供述のおそれが類型的に高いということは言えず、むしろ真実を供述する誘因が働き得るというふうに考えているところでございます。
したがいまして、合意制度のもとでの合意に基づく供述につきましては、任意性が否定された判例の事案におきます、いわゆる約束に基づく自白とは異なるものということでありまして、現行法のもとでの考え方と矛盾をしない、証拠能力を認めることに問題はないというふうに考えられるところでございます。