丸山穂高の発言 (本会議)

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○丸山穂高君 維新の党の丸山穂高です。
 維新の党を代表して、ただいま議題となりました所得税法等の一部を改正する法律案に関連して質問させていただきます。(拍手)
 今週、西川農水大臣が献金問題で辞任するというゆゆしき事態が発生しました。そして、西川前大臣は、事もあろうに、記者団に対し、私が幾ら説明してもわからぬ人はわからぬ、だから大臣を辞任してきたと発言したとのこと。全くもって言語道断です。安倍内閣は、わからない人には幾ら説明してもわからないから説明を放棄する、そのような方針なのでしょうか。
 今回のこの法案、税制の改正は、国民の生活に直結する重要な課題であり、国会での慎重な議論と国民の皆さんへの丁寧な説明が必要不可欠です。
 そこで、まず何よりも初めに、安倍総理にお伺いしたい。
 安倍総理は、この前農水大臣の御発言をどのように考えていらっしゃいますか。また、今回の税制改正に当たっても、安倍内閣では、わからない人には幾ら説明してもわからない、そういう立場なのでしょうか。お答えください。
 さて、今回の法改正で一番に注目すべき大きなものは、消費税増税延期の問題です。
 この点、さんざん各所で議論されておりますが、一七年四月の一〇%増税時に、いわゆる景気条項なしで必ず実施するとされていることについて、我が党は反対ですし、景気条項を外す理由について何度聞いても、総理からは、市場や国際社会からの国の信認を確保するためとの紋切り型の御回答しかありません。
 去年末の一〇%への増税延期決定時には、四半期GDPや消費動向の悪化はアベノミクスの失敗ではないとした上で、しかしながら一〇%に上げられる状況ではないので増税を一年半延期するという話でした。その一方で、一七年四月のタイミングでは、今度は景気がよかろうが悪かろうが必ず消費税を上げるとおっしゃっています。そして、そのための環境をつくるために安倍内閣は頑張ると。
 もちろん、私たちも、景気浮揚のために、安倍総理には全力で頑張っていただきたい。しかしながら、総理もたびたびおっしゃっているように、景気は生き物ですから、頑張っても難しい場合もあります。
 総理は、一月二十九日の本会議で、リーマン・ショックのような事情の変更があれば別だという答弁がありました。ならば、なぜ景気条項を外して必ず上げると言い切るのですか。景気次第では上げない可能性もあるが、法文から景気条項を外すというのは、非常に矛盾しているのではないですか。さらに、万が一増税しない場合についての具体的な御説明が余りないことは、逆に、市場や国際社会、何よりも国民への説明として不誠実ではないでしょうか。
 既に何度もこの本会議場でも御答弁いただいているように、市場や国際社会からの国の信認を確保するため、そのために景気条項を外したいというのはわかりました。しかし、逆に、その信認を確保するには、より具体的に、どのような状況であれば再度延期する可能性があるのか、増税しない場合の想定についてもっと丁寧な御説明をいただかなければ、到底、市場や国際社会からの信認は得られず、逆に不信感を生じさせてしまいます。
 総理の想定されている、消費税を一〇%に上げない場合の状況について、その他の具体的事例をお答えください。
 リーマン・ショックのような外生的要因でなければ延期はしないというのでよいのでしょうか。天変地異についてはどうでしょうか。さらには、その場合に、景気指数や株価の変化などの客観的な数値に基づいて判断されるのか、また、前回と同じく、有識者のヒアリングに基づいた上で総理が判断するのか、それとも、総理の主観に基づくものなのか、最終判断のタイミングはいつなのかについてお答えください。
 歳入と歳出は一体であり、歳入である税の改革を考える上では、歳出改革のこともしっかりと考えなければなりません。特に、我が国における財政赤字が大きく膨らむ中での、まさしく歳出削減が待ったなしの状況です。
 が、しかしながら、政府に毎回毎回この点を問いただしても、いつも、二〇二〇年度の財政健全化目標についても堅持し、夏までにその達成に向けた具体的な計画を作成いたしますと、これまた紋切り型の役所答弁しかなさいません。
 財政再建時における歳出削減と増税のバランスについては、さまざまな研究でもあるように、財政再建に成功したのは歳出削減の割合が多い国であり、何より歳出削減が必要不可欠なはずです。一体、どのように考えているのでしょうか。
 財政再建のために経済成長を重視するのは、維新の党も同じ考えです。しかしながら、財政再建の手法については、安倍政権と考え方が違います。
 安倍政権は、三年連続で歳出を増大させながら、消費税の八%への増税に踏み切りました。歳出削減より増税先行で財政再建をしようとしており、その一方で、公共事業費のうち二兆円から四兆円を使い残し、翌年に繰り越しているのが現状です。にもかかわらず、国民の負担を求めるというのは筋が違うんじゃないでしょうか。まずは、議員、公務員自身の身を切る改革、そして歳出削減、その先に、それでも足らないのであれば増税をお願いするということでなければ、国民の納得は得られないのではないですか。
 身を切る改革と歳出削減、増税の順序のあり方、さらには財政再建に向けてのそれらの具体的なバランスのあり方について、総理の見解を伺いたい。また、消費税再増税の前に歳出の削減と身を切る改革を行わないのか、重ねてお伺いしたいと思います。
 軽減税率についてです。
 与党の税制改正大綱では、一七年度からの導入を目指すとなっていますが、オープンな議論も現状は先送りです。
 今月始めたという自民、公明両党の消費税軽減税率制度検討委員会においても、一貫して導入に積極的な公明党と、税収減や企業の事務負担増につながるとして慎重な自民党との温度差は大きいようで、肝心の導入時期をめぐっても、一七年四月からの早期導入を主張する公明党に対して、自民党は、一八年三月までの一七年度中とする声がまだまだ強いようです。
 与党内での議論がまとまらないのは早くどうにかしていただきたいですが、それよりも、与党内ではなく、国民にオープンな国会での議論も早く始めていただかなければ、一七年度の導入を目指すと言われても、国民の皆さんへの説明が間に合うのでしょうか。いつも、与党の検討を見守るとの答弁を繰り返すばかりですが、年内に与党案をまとめてもらって、出す場合には、来年の通常国会に法案を出すという認識でいるのでしょうか。
 一七年四月に消費税増税を迎えるに当たっての、政府としてのスケジュール感についての見解をお伺いします。
 そして、そもそも、税を含めて地域のことは地域で決めるべきだという観点が根本的に欠落しています。
 地方の独自性を発揮するために、地方分権と、そのための財源移譲の改革が急務であり、消費税の地方税化なども含めて、将来的に抜本的な制度改革が必要だと思いますが、それらの税の地方分権改革について、政府内の議論はどうなっていますか。
 全く進んでいないというよりも、やる気がないのではないですか。政府の見解をお聞かせください。
 また、今回の法改正案では、さらに細かい税制でも幾つかの課題が先送りにされています。
 例えば、政府税調では、専業主婦世帯の所得税を軽減する配偶者控除の見直しと夫婦の控除額が一定となる家族控除の導入、また高齢者世帯の税負担を軽減している公的年金等控除の見直し、さらにはビールや発泡酒などビール系飲料の酒税見直しなどが議論されたということです。しかし、今回の税制改正では、こうした改革も先送りのままです。
 なぜ、議論に上がっているのに今回見送られたのですか。その理由と、これらの制度についての政府の見解をお聞かせください。
 次に、法人税についてお伺いします。
 今回の税制改正の目玉の一つは法人税率の引き下げということですが、グローバル企業を呼び込むにはインパクトが足りません。目標とする、一五年度に二・五一%、一六年度に〇・七八%引き下げ、法人実効税率を二〇%台後半まで下げたとしても、まだまだ法人税率の下げ幅について諸外国は日本の先を走っています。
 英国は本年四月に二〇%に下げますし、中国や韓国は二〇%台半ばで、日本が二〇%台後半へこの先に下げたとしても、諸外国のレベルに満たない税率の引き下げでは、効果は限定的ではないですか。
 その観点から、さらに将来的な法人税率の見通しについてお伺いしたいと思います。
 そして、国家としての企業立地競争力の問題は、税制だけではないはずです。
 例えば、言語面での不安、少子化に伴う人口減での市場性の不安要素など、その他の面でも法人の不安を拭い、ニーズを満たしていく必要があると思いますが、税率以外の面での政府の見解と対策についてお伺いしたい。
 企業は、税制のみで立地を選ぶわけではありません。ビジネスの機会や情報、利便性も非常に重要な要素です。その意味で、今回の税制改正における本社機能の地方移転促進のための税制にも疑問が残ります。
 東京二十三区、大阪市、名古屋市などの都市圏から本社機能を地方に移した場合に、新社屋などへの投資額最大七%を法人税から差し引く措置が盛り込まれていますが、東京一極集中の是正は、これまで何十年と言われてきてできていないものであり、いきなり企業に対して、税制を少しだけ優遇するから、東京からインフラの整っていない地方へ行けというのは限界があります。
 まずは、多極化に向けて、二極目、三極目の世界と競争できる都市を成長のエンジンとしてつくっていくことこそ、国家的な優先課題ではないでしょうか。
 その意味で、まさしく今回の税制も、長期的な視野に立った実質的に効果のある政策だと思えず、毎回同じように繰り返される統一地方選挙前の選挙対策のようにすら感じられてしまいます。
 この税制改革で、どれぐらいの企業の移転を見込んでいるのでしょうか。政府の見解と移転の達成目標などをお示しください。
 さらに、今回の税制改正で目立つのは、非常にもうかっている大企業や資産のある富裕層には恩恵が大きい一方、そうではない大多数の企業、そして大多数の国民の皆さんにとっては、非常に不公平感の残る内容が多いということです。
 例えば、住宅贈与非課税枠の拡大や子育て資金の非課税制度の拡充などは、一見、子供や若者への資産移転を促すよい政策のように見えますが、資産の多い富裕層からその子孫へ資産がそのまま引き継がれる。格差の固定に多分につながりやすいものです。この点についてどのように考えているのでしょうか。
 ことし一月の相続税の基礎控除額の引き下げは一定の所得再分配につながると思われる一方で、このような格差の固定を促す相反する税制改正を今回行う。世代間格差というより家と家の世帯間格差の点について、何か政府の目標があってこの税制の改正を行っているのですか。
 世帯間の格差の固定や拡大についての政府の考えと、もしそれが好ましくないというのであれば、そのための税制も含めた具体的な政策や、政策達成を図る数値目標について、政府の見解をお伺いしたいと思います。
 そして、若者支援、世代間格差の是正、さらには人口減少対策というのであれば、今回の税制措置に含まれている結婚・子育て資金非課税制度について、時限措置ではなく恒久措置とすべきです。今回の制度を時限措置にした理由は何ですか。
 また、小手先の制度変更ではなく、もっと根本的に子供をふやすことにインセンティブの生まれるような、子供をふやす、いわゆる増子化政策、その抜本的な税制措置が必要不可欠ですが、政府の税制改正を見ていると、子供をふやす増子化社会をつくろうといった思い切った政策が感じられません。総理の見解をお伺いしたい。
 税は国家とも言われます。国民の代表として国会の場でわかりやすい審議を進めることが不可欠であり、最初に申し上げたように、わからぬ人にはわからぬ、そういう姿勢では政府の説明責任の放棄になってしまいます。明快な御答弁をお願いいたしまして、私、丸山穂高の質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕

発言情報

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発言者: 丸山穂高

speaker_id: 29041

日付: 2015-02-26

院: 衆議院

会議名: 本会議