伊藤渉の発言 (本会議)
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○伊藤渉君 公明党の伊藤渉です。
私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました所得税法等の一部を改正する法律案について、総理並びに関係大臣に質問いたします。(拍手)
昨年末の衆議院選挙において、公明党は、国民の皆様から多大な支持をいただき、引き続き連立与党として国政に携わる重責を担うこととなりました。その一員として、国民の期待に応えられるよう決意を新たにするとともに、この選挙戦の中で強く実感した国民の期待の一つが、八%から一〇%への消費税率引き上げに伴う軽減税率の導入であります。
平成二十七年度与党税制改正大綱には、消費税の軽減税率については、「関係事業者を含む国民の理解を得た上で、税率一〇%時に導入する。平成二十九年度からの導入を目指して、対象品目、区分経理、安定財源等について、早急に具体的な検討を進める。」とされており、この大綱の趣旨にのっとり、与党は、本年秋口までに制度案をまとめることで合意し、具体的な制度設計に着手しました。
消費税が社会保障財源であることに留意しながらも、消費税の逆進性及び痛税感を緩和し、多くの国民がわかりやすく納得のできる軽減税率の制度設計に向けて、政府においても必要な作業を着実に進めていただきたい。安倍総理の答弁を求めます。
内閣府が先週発表した平成二十六年十月から十二月期のGDP速報値は、名目が前期比一・一%増、年率四・五%、物価の影響を除いた実質GDPは同〇・六%増、年率二・二%と、昨年四月の消費税率引き上げ後で初のプラスになりました。これ自体は歓迎すべきことですが、牽引役は米中向けの輸出の外需であり、個人消費や設備投資など、内需の回復は鈍いまま。内需主導の安定成長軌道に乗せるための取り組みが欠かせません。
そのための大きな取り組みの一つが法人税改革です。税制改正大綱では、課税ベースを拡大しつつ税率を引き下げることにより、法人課税を成長志向の構造に変えるものとしております。この改革は、企業の税負担を軽減し、収益力の改善に向けた投資や技術開発を後押しし、継続的な賃上げや株主への適切な還元が可能になるよう、各企業のより一層の体質改善を促していくことを目的としていると承知をしております。
もちろん、この改革による企業の体質改善は、中小企業、小規模事業者が原材料価格などの上昇分を適正に取引価格に転嫁できるようにするなど、取引価格の適正化にも反映されるよう、政府において万全を期していただきたいと思います。
この法人税改革の効果を十分に発揮させることにより、課税ベースの拡大等による影響があるとしても、経済の好循環をより力強いものにするよう、経済界に対して法人税減税の目的をしっかりと周知するなど、期待した効果が得られるよう、政府にはしっかり取り組んでいただきたい。安倍総理の答弁を求めます。
内需主導の安定した成長軌道に乗せるための取り組みにおいて、続いて重要なことは、GDPの約六割を占める個人消費の拡大。その点に的を絞った、平成二十六年度補正予算における地域住民生活等緊急支援のための交付金によるプレミアム商品券の発行支援等が速やかに実施されるよう、引き続き政府のサポートをお願いしたい。
こうした予算措置による消費の下支えとともに、賃金の上昇による家計の消費意欲の増大、それによる企業業績の押し上げという経済の好循環を本格化させることが最も重要となります。
昨年の春闘は、二%超の高い賃上げ率となりましたが、それでも、消費増税分を含む物価上昇率に賃金の伸びは追いついていません。本年の春闘においても、大きな影響力を持つ大手自動車労組が前年以上の要求を提出しました。ぜひとも、この賃上げムードに弾みをつけていかねばなりません。改めて、安倍総理の賃金上昇に向けた労使の取り組みへの期待をお伺いいたします。
平成二十五年度税制改正から盛り込まれた所得拡大促進税制。平成二十四年度に対し五%以上の給与等総支給額を達成した場合の税額控除を用意しましたが、その適用状況に鑑み、平成二十六年度税制改正において適用条件を緩和。平成二十七年度税制改正ではさらに条件緩和を施し、賃上げへのインセンティブを強化しています。
重要な改正であり、速やかな成立を期すと同時に、経済界への周知、その適用状況の把握に努め、さらなる改善も視野に入れながら、経済の好循環がしっかりと定着するまで継続的に実施すべきと考えます。麻生財務大臣の答弁を求めます。
賃金の上昇を実現する上で大切な要素の一つが、生産性の向上による企業利益の増加です。特に、雇用の七割を占める中小企業、小規模事業者、中でもその大半を占める中小のサービス業を中心に、生産性の向上を図っていくことが重要と考えます。
ものづくり・商業・サービス革新補助金を初め、平成二十六年度補正予算においても生産性向上の取り組みを支援する仕組みを用意し、税制では平成二十六年度から生産性向上設備促進税制が導入されております。
こうした仕組みを積極的に活用いただくために、さきの所得拡大促進税制と同様に、経済界への周知徹底、その適用状況の把握、生産性の向上につながった好事例の紹介などの水平展開にも努め、中小企業、小規模事業者の生産性の向上を強力にサポートすべきと考えます。宮沢経済産業大臣の答弁を求めます。
経済の好循環を考えたとき、約千六百兆円の家計の金融資産をより使いやすい環境を提供していくことも検討の必要があり、今回の税制改正には、住宅取得資金の贈与非課税枠の拡大や、結婚・子育て資金の贈与非課税枠の創設が含まれております。
こうした制度は、資産格差が固定化するとの批判を受けることがありますが、あくまでも、贈与された資金は住宅取得や結婚、子育ての資金として活用されることを前提としており、家計の金融資産の有効活用により、消費を拡大し、経済の好循環に資するものであることを十分に周知する必要があると考えます。麻生財務大臣の答弁を求めます。
私は、和をたっとぶ日本だからこそ、終身雇用制度と年功序列賃金をベースに、一億総中流と呼ばれる一時代を築くことができたのだと考えます。
格差社会が懸念されるこれからの時代は、地方創生、なかんずく被災地を初め各地域において安定した雇用を確保することが重要であり、そのために、グローバル経済圏での競争にしのぎを削る企業群とローカル経済圏で競争する企業群への対応を整理、区分して考えていくべきです。
その意味で、法人税改革における、課税ベースを拡大しつつ税率を引き下げることにより、法人課税を成長志向の構造に変えるという考え方においても、グローバル経済圏で活動する企業群とローカル経済圏で活動する企業群を混同しないよう、注意が必要だと考えます。
その上で、特に、雇用の七割を占める中小企業、小規模事業者、中でもその大半を占める中小のサービス業を中心に、着実かつ地道な生産性向上への努力をサポートすることにより、緩やかでも安定した国内経済の成長を実現し、何としても経済の好循環を家計へ、中小企業へ、地方へと行き渡らせていかなければなりません。
安倍総理の御決意を最後にお伺いをして、私の質問を終わります。
ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕