安倍晋三の発言 (本会議)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 宮本徹議員にお答えをいたします。
税制改革の考え方についてお尋ねがありました。
御指摘の消費税率の引き上げは、世界に冠たる社会保障制度を次世代に引き渡していく責任を果たすとともに、子育て支援を充実させるためのものです。引き上げによる増収分は、全額、社会保障の充実、安定化に充てることとしており、所得の再配分にも資するものと考えています。
また、今回の法人税改革は、稼ぐ力のある企業等の税負担を軽減することにより、法人税を成長志向型の構造に変えていくものです。こうした改革と政労使の連携などが相まって、企業の積極的な投資、さらには、賃上げや下請企業の価格転嫁といった取り組みにつながっていくものと考えております。
なお、先般開催した政労使会議では、特に、円安のメリットを受けて高収益の企業には、賃上げなどの取り組みについて積極的対応をお願いしたところであります。
また、平成二十五年度改正において、金融所得課税の見直しを行い、平成二十六年一月より実施しているところであります。
消費税率引き上げの影響についてお尋ねがありました。
三本の矢の政策により、経済の好循環は確実に生まれ始めている一方、御指摘のとおり、昨年四月の消費税率引き上げが個人消費に影響を及ぼしたのも事実です。だからこそ、アベノミクスの成功を確かなものとするため、一〇%への引き上げを十八カ月延期する決断をいたしました。社会保障を次世代に引き渡す責任を果たすとともに、我が国の信認を確保するため、平成二十九年四月の一〇%への引き上げについては確実に実施します。
先日公表されたGDP速報では、三四半期ぶりに実質GDPが前期比プラス成長となり、また、二四半期連続で個人消費がプラスになるなど、景気回復の兆しも見られます。こうした動きを確かなものとするため、平成二十六年度補正予算の迅速かつ着実な執行を初め、三本の矢の政策をさらに前に進めることにより、経済再生と財政健全化の両立を目指してまいります。
円安と消費税率引き上げによる、中小企業に対する影響についてのお尋ねがありました。
安倍政権発足以降、中小企業の業況や資金繰りは改善し、昨年の倒産件数は二十四年ぶりに年間一万件を下回るなど、改善の兆しが見えています。
他方で、円安方向の動きが輸入価格の上昇などの影響を及ぼすことや、消費税八%への引き上げ後、駆け込み需要の反動減により、中小企業、小規模事業者の中には、景気回復の実感が得られていない方がおられることも認識しております。改善の流れを本格的なものにできるか、まさにこれからが正念場と考えております。
このため、政労使の連携による下請企業の価格転嫁の取り組みに加え、中小・小規模事業者に対し、地域資源を活用したふるさと名物の開発、販路開拓を応援するとともに、原材料高に苦しむ事業者への支援や、ものづくり・サービス補助金による事業者のイノベーションの後押しを通じ、アベノミクスの温かな風を全国津々浦々の中小・小規模事業者に届けてまいります。
消費税引き上げの低所得者への影響と社会保障財源のあり方についてのお尋ねがありました。
消費税は逆進性があるとの議論がある一方で、今般の社会保障と税の一体改革においては、消費税率引き上げによる増収分は全額社会保障の充実、安定化に充てることとしており、所得の再配分に資するものであります。
八%の引き上げに当たり、低所得の方々に対して、国民健康保険における低所得者の保険料軽減の拡充、高額療養費制度に係る自己負担限度額の引き下げといった配慮を行っています。さらに、消費税引き上げによる低所得の方々への影響を緩和するため、臨時福祉給付金を支給しています。
税率一〇%への引き上げ時には、年金を受給している低所得の高齢者等への福祉的給付を実施するなど、さらなる施策を講じることとしております。
いずれにせよ、消費税には、税収が景気や人口構成の変化に左右されにくく安定している、勤労世代など特定の者への負担が集中しないといった特性があり、年々増加する社会保障費の財源としてふさわしいと考えています。
消費税率の一〇%への引き上げについてお尋ねがありました。
繰り返しになりますが、年々増加する社会保障費の財源としては消費税がふさわしいと考えており、消費税率一〇%への引き上げは避けて通れない課題であると考えています。
社会保障を次世代に引き渡す責任を果たすとともに、我が国の信認を確保するため、平成二十九年四月の消費税率一〇%への引き上げについては、景気判断条項を付すことなく確実に実施します。
そうした経済状況をつくり出すという決意のもと、三本の矢の政策をさらに前に進めてまいります。
法人税改革と賃上げについてお尋ねがありました。
今回の法人税改革は、より広く負担を分かち合い、稼ぐ力のある企業等の税負担を軽減することにより、法人税を成長志向型の構造に変えていくものであり、大企業に単なる減税を行うものであるという御指摘は、全く当たりません。
今回の成長志向型の法人税改革と、コーポレートガバナンスの強化や政労使の連携といった取り組みとが相まって、企業の積極的な投資、さらには継続的な賃上げや下請企業の価格転嫁といった取り組みにつながっていくものと考えております。
こうした取り組みにより、経済の好循環を定着させ、経済成長の成果が広く国民に行き渡るよう、引き続き改革を継続してまいります。
法人税率の引き下げ競争と税率引き下げの財源についてお尋ねがありました。
税率を含め、法人税制をどのように組み立てるかは、基本的に各国の責任に属する事柄であると考えますが、他方で、税源獲得を目指した税負担の軽減競争を避けるため、各国が協調して税制の調和を図ることは必要であり、日本は、国際会議を通じて議論を主導していきます。そして、議論を主導してきています。
今回の法人税改革においては、我が国の税率を国際的に遜色のない水準とすることを目指しておりますが、その際には、課税ベースの拡大等により財源をしっかりと確保することとしております。
御指摘の研究開発税制については、二十七年度税制改正において、共同研究などに支援の重点をシフトするといった見直しを行っており、引き続きさまざまな観点からその取り扱いについて検討してまいります。
法人事業税の外形標準課税についてお尋ねがありました。
来年度税制改正においては、外形標準課税の拡大は資本金一億円以下の中小企業を対象外としており、また、新たに所得拡大促進税制を導入し、賃上げへの配慮を行うこととしております。
外形標準課税の適用対象法人のあり方については、地域経済、企業経営への影響も踏まえながら、引き続き慎重に検討してまいります。(拍手)