安倍晋三の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(安倍晋三君) 稲津久議員にお答えをいたします。
農業の成長産業化や農家所得の向上との関係についてお尋ねがありました。
安倍内閣では、農業の成長産業化を図るため、農地集積バンクの創設、輸出促進や六次産業化の推進など、農政全般にわたる抜本的な改革を進め、さらに、今般、農協、農業委員会、農業生産法人の三つの改革を一体的に行うことといたしました。
特に、農協改革については、農協システム全体の見直しを行い、これにより、意欲ある担い手と地域農協が力を合わせ、創意工夫を発揮して、企業と連携した加工品の開発、地域ブランドの確立、新たな需要を開拓するための輸出への取り組みなど自由な経済活動を行うことにより、農業者の所得向上に全力投球できるようにしていきます。
こうした改革を進め、消費者ニーズに応えた強い農業をつくり上げていけば、十分開花していなかった潜在力が引き出されて農家の所得もふえ、若者がみずからの情熱で新たな地平を切り開き、強い農業と美しく活力ある農村を実現できるようになっていくと確信しています。
農協が農村地域において果たしている役割についてお尋ねがありました。
我が国には、自立自助を基本としながら、誰かが困っていればみんなでこれを助けるという共助の精神が生きています。
農協は、こうした助け合いの理念のもとに設立された農業者の協同組合であり、農業者が農産物の販売や生産資材の購入などを共同で行うことで農業者がメリットを受けるのがその中心的な役割です。
一方、実際上、地域のインフラとしての側面を持っているのも事実です。
このため、今回の法案では、組合員でない地域住民に対しても円滑にサービスを提供していく上で必要な場合には、農協の選択により、組織の一部を株式会社や生協に転換したりできるようにすることとしております。
員外利用や准組合員制度の見直しについてお尋ねがありました。
農協はあくまで農業者の協同組織であり、正組合員である農業者のメリット拡大を最優先させるべきと考えております。
農協には、一定の組合員以外の利用があり、また、准組合員が正組合員を上回っているところもありますが、それによって正組合員である農業者へのサービスがおろそかになってはならないと考えます。
一方で、農協は、過疎化、高齢化等が進行する農村社会において、地域のインフラとしての側面を持っているのも事実です。
こうしたことを踏まえ、今回の法案では、准組合員の利用規制について、五年間、正組合員と准組合員ごとの利用量や地域におけるサービスの状況を把握し、現場の実態を踏まえ、今回の農協改革の成果も見きわめた上で、結論を得ることとしているところです。
改正後の監査のあり方についてのお尋ねがありました。
今回の改正では、全中監査の義務づけの廃止により、地域農協の役員が従来以上に経営者としての責任を自覚し、農家所得の向上に創意工夫して取り組むことを期待するものです。
これにより、会計監査以外のいわゆる業務監査については一般の企業等と同様に任意となり、必要な場合には、地域農協がそれぞれのニーズに応じて自由に選ぶことになります。
また、公認会計士による会計監査への移行に当たっては、政府として、地域農協の実質的な負担が増加することがないよう、円滑な移行に向けて適切な配慮をしていくこととしております。
農業委員会の建議についてお尋ねがありました。
今回の改正では、農業委員会の委員の選出を公選制から市町村長の選任制に改め、地域の担い手がリードし、耕作放棄地の解消、農地の集積を一層加速することといたしました。
その際、農業委員会が農地利用の最適化に集中できるよう、建議を法定業務から削除することとしています。
また、農地に関する制度、施策を現場の実態に即したものとなるよう、農業委員会が必要と考える場合には、具体的な改善意見を提出しなければならないこととしました。
これらの改正により、若者が自分たちの情熱や能力によって新しい地平を切り開いていけるようにしていきたいと考えています。
残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
〔国務大臣林芳正君登壇〕