木原誠二の発言 (本会議)

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○木原誠二君 自由民主党の木原誠二です。
 自由民主党を代表して、先般の安倍総理の米国公式訪問につき、総理に質問をいたします。(拍手)
 今回の総理訪米は、日本国民の一人として、大変誇らしいものでありました。
 思い起こせば、第二次安倍内閣が発足して最初の総理の訪米は二年前の二〇一三年二月、前政権の不安定で、そして稚拙な外交によって損なわれた日米の信頼関係を結び直す大切な第一歩でありました。
 しかし、晩さん会も、そして二人並んでの共同記者会見もなく、オバマ大統領の対応は、ひいき目に見ても決してよいものではありませんでした。国際社会における日本のプレゼンス、日本への信頼感が、三年三カ月の間にそこまで落ち込んでしまったかと落胆を禁じ得ませんでした。
 あれから二年余り。今回のアメリカ側の待遇は、目をみはるものがありました。ボストンでのケリー国務長官私邸での夕食会に始まり、ワシントンでは、オバマ大統領みずからリンカーン記念堂を案内され、日本の総理大臣として初の上下両院合同でのスピーチ、ベイナー下院議長初め何人もの議員がハンカチで涙を拭っていたと聞いております。オバマ大統領主催の晩さん会では、大統領が俳句まで披露をされました。
 わずか二年。積極的平和主義の旗のもとで、地球儀を俯瞰する外交を展開し、欧州、ASEAN、インド、中南米、中近東、アフリカと信頼関係を築き、世界における日本のプレゼンスを引き上げ、日米間の信頼をこつこつと再構築してきた安倍外交のまさに勝利でありました。
 総理は、オバマ大統領、アメリカが見せたこの変化、それはとりもなおさず日米同盟の強化でありますが、二年前との違いをどう感じておられるでしょうか。また、その理由は何だとお考えでしょうか。まず初めにお伺いいたします。
 安倍外交の勝利とともに、この二年間の変化を導いたものに中国の存在があります。
 再び二年前ですが、オバマ大統領がカリフォルニアに招いて、二日間にわたってネクタイを外して会談し、親密さを世界にアピールした相手がいました。中国の習近平国家主席であります。
 あれから二年。空気は一変しています。一つのきっかけは、中国による一方的な防空識別圏の宣言でした。国際社会は、中国の不透明な軍事費拡大、我が国の尖閣諸島に対する東シナ海での挑発的行動、フィリピンやベトナムなどを巻き込んだ南シナ海での一方的な振る舞いに対し、不安を感じています。また、核・ミサイル開発を続ける北朝鮮の存在もあります。
 アメリカが相対的に力を低下させ、各国の力が拮抗し始めた国際社会にあって、こうした国際社会の不安に真っ正面から応えてきたのが、自由、民主主義、法の支配、基本的人権といった普遍的価値を粘り強く、そして毅然と訴えてきた安倍外交であります。
 総理は、今回の訪米で、アメリカの中国に対する見方の変化をどのように感じられたか、また、ガイドライン見直しを初め日米同盟を強化する中で、今後、安倍政権として、アジア太平洋の地域の平和と安定に向けて、とりわけ台頭する中国をいかにルールに基づく国際秩序に取り込んでいかれるおつもりか、総理の御決意を伺います。
 安全保障と並んで、アジア太平洋地域において重要なのが、この地域に、フェアでダイナミックで、そして持続可能な市場をつくり上げていくTPPであります。
 そのTPPについて、今回の首脳会談において、早期妥結に向け、引き続き日米両国が交渉をリードしていくことで一致したと承知をしております。
 そして、総理は、議会演説においても、日米間の交渉について、出口はすぐそこに見えていると力強く述べられており、総理のTPP交渉におけるリーダーシップを高く評価するものであります。
 米国議会のTPAをめぐる審議状況など不透明な面は多々ありますが、改めて、日米交渉の見通し及びTPPの早期妥結へ向けた総理の意気込みをお伺いいたします。
 さて、戦後の日米の歴史は、戦火を交えた両国の和解の歴史でもありました。総理は、ボストンでケネディ・ライブラリーを訪れ、日本との戦いで負傷したケネディ大統領が、アメリカの大統領として初めて日本を訪問しようとしたことに感銘を受けたと述べられました。
 また、総理は、今回の訪米で、ホロコースト記念館など歴史にまつわる記念碑を訪れるなど、歴史に真摯に向き合い、そして乗り越える姿勢を示され、米国内外で高い評価を受けられました。
 訪米を終え、苛烈な時代を乗り越え、和解をするに至った日米の歴史を改めてどう評価されておられますか。
 また、折しも、本年は戦後七十周年の年でもあります。この大切な年をどう迎え、どのように向き合っていかれるか、お考えをお伺いいたします。
 最後に、アメリカを含む国際社会への発信力強化についてお伺いいたします。
 今回、総理が上下両院でアメリカ国民に対して、通訳を介さず、みずから英語で語りかけたことは、極めて有意義でありました。
 また、余り報道されていませんが、総理が今回の訪米で、ジョージタウン大学やマサチューセッツ工科大学というアメリカを代表する大学に日本を学ぶ講座を立ち上げたことは、大きな成果でありました。日系人コミュニティーとの交流も同様であります。
 情報社会にあって、多種多様な手段で絶え間なく日本を発信する、総理は、こうした国際社会への発信力の強化と日本のプレゼンス強化についてどのようにお考えですか、お尋ねいたします。
 かつて我が国は、当時の列強の一つであるイギリスと日英同盟を結び、日露戦争などの危機を乗り越えました。しかし、その後、日英同盟は解消されるに及び、結果として、さきの大戦での悲劇へと進むこととなりました。
 こうした歴史の教訓を思うとき、我が国外交、安全保障の基軸である日米同盟を強化し、両国が希望の同盟として国際社会に責任を果たしていくことの重要性を改めて内外に示した、実に意義深い今回の訪米でありました。
 昨夕閣議決定された平和安全法制が国会に提出され、今後、国会における議論が始まります。我が国そして国際社会の平和と安定のために何をなすべきか、安倍総理訪米の大きな成果を踏まえながら、国民の理解を得られるよう、真摯に議論してまいりたいと思います。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕

発言情報

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発言者: 木原誠二

speaker_id: 16517

日付: 2015-05-15

院: 衆議院

会議名: 本会議