安倍晋三の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(安倍晋三君) 赤嶺政賢議員にお答えいたします。
 昨日閣議決定した平和安全法制や、米議会での私の演説における法制の成立時期に関する発言内容についてお尋ねがありました。
 今般、米国上下両院の合同会議における演説で、平和安全法制の成立をこの夏までにと申し上げ、私の決意をお示ししました。これは初めて申し上げたものではなく、昨年来、記者会見や国会答弁の中で、今通常国会での成立を図るとの私の決意を繰り返し申し上げています。
 そもそも、平和安全法制の整備は、平成二十四年の総選挙以来、これまで三回の選挙で常に公約に掲げ、一貫して訴えてきた課題です。
 特に、さきの総選挙では、昨年七月一日の閣議決定に基づき、法制を速やかに整備することを明確に公約として掲げ、国民の皆様の審判を受けました。法整備の方針を閣議決定した上で、選挙において速やかに整備することを公約した以上、選挙直後の今通常国会においてその実現を図ることは当然のことであります。
 このため、昨年十二月二十四日、総選挙の結果を受けて発足した第三次安倍内閣の組閣に当たっての記者会見において、平和安全法制は通常国会において成立を図る旨申し上げ、国民の皆様に私の決意をお示ししました。
 本年二月の衆議院本会議においても、二度にわたり、今国会における成立を図る旨答弁をしております。
 米議会での演説において、改めて、このような私の決意を申し上げたものであります。国民主権と議会制民主主義を否定するとの指摘は全く当たりません。
 また、今般の平和安全法制の目的は、あらゆる事態から国民の命と平和な暮らしを守ることであり、アメリカの戦争にいつでもどこでも参戦するためとか、戦争法案などという指摘は、無責任な、根拠のないレッテル張りであり、全くの誤りであります。
 戦争の惨禍についてのお尋ねがありました。
 安倍内閣として、侵略や植民地支配を否定したことは一度もありません。
 安倍内閣は、これまで繰り返し国会で申し上げてきたとおり、歴史認識に関する歴代内閣の立場を全体として引き継いでおり、今後も引き継いでまいります。
 平和主義と日米同盟の抑止力、対処力の強化についてお尋ねがありました。
 平和国家としての日本の歩みは、これからも決して変わることはありません。二度と戦争の惨禍を繰り返してはなりません。この不戦の誓いを将来にわたって守り続けていきます。
 そして、国民の命と平和な暮らしを守り抜く、日本と世界の平和と安全をより確かなものとする、そのための法案が、昨日閣議決定した平和安全法制であります。
 平和安全法制により、日米同盟の抑止力、対処力は一層強化されることとなります。もし日本が危険にさらされたときには日米同盟が完全に機能する、そのことを世界に発信することによって、日本が攻撃を受ける可能性は一層なくなっていくと考えます。
 戦後世界における米国のリーダーシップと日米同盟についてお尋ねがありました。
 米国は、戦後、西側世界の盟主としてリーダーシップを発揮し、一貫して世界に貢献してきました。
 日本は、その主体的判断に基づき、日米安保条約を堅持しており、日米同盟は、アジア太平洋地域と世界の平和と繁栄に貢献し続けてきています。
 自衛隊の国外派遣は、我が国自身の主体的な取り組みとして、法令に従って国会の御承認も得て行ってきたものであり、国際社会からも高い評価を得ています。
 日本が、米国に従って自衛隊を海外に派遣し、戦争に協力、加担してきたとの御指摘は、全く当たりません。
 我が国による自衛隊の国外派遣と日米同盟の歴史についてお尋ねがありました。
 自衛隊の国外派遣は、我が国自身の主体的な取り組みとして、法令に従って国会の御承認を得て行ってきたものであり、国際社会からも高い評価を得ております。
 したがって、我が国が米国の要求に従って自衛隊を派遣し、日米同盟が他国を紛争に巻き込んできたとの御指摘は、全く当たりません。
 我が国は、引き続き、自由、民主主義、人権、法の支配といった基本的価値を共有する同盟国である米国とも連携しつつ、アジア太平洋や世界の平和と繁栄を確保する上で、主導的な役割を果たしてまいります。
 日米新ガイドラインについてお尋ねがありました。
 新ガイドラインにおいては、その中核的役割である我が国の平和と安全の確保のほか、これまでの日米協力の進展を踏まえ、新たな戦略的分野である宇宙やサイバー空間での協力についても記述しています。また、協力の実効性をより一層高めるため、装備、技術面を初めとする各種分野でも協力を進めることとしています。
 他方、新ガイドラインは、日米両政府の意図を表明した文書であり、いずれの政府にも、立法上、予算上、行政上その他の措置を義務づけるものではなく、法的な権利または義務を生じさせるものでもありません。また、日米安保条約及びその関連取り決めに基づく権利及び義務を変更するものでもありません。
 このような新ガイドラインの性格も踏まえれば、新ガイドラインは、国会承認の対象となるものではありません。
 また、御指摘の同盟調整メカニズムや共同計画の策定が、アメリカの戦争に日本が参戦、加担することを取り決めたものとの御指摘は、全く当たりません。
 自衛隊の派遣については、我が国として、憲法及び法令に従い、みずからの国益に照らして主体的に判断してまいります。
 いわゆる恒久法などの法整備及び憲法解釈等についてお尋ねがありました。
 昨年七月の閣議決定は、安全保障環境の大きな変化を踏まえ、昭和四十七年の政府見解の基本的な論理の枠内で導き出されたものであり、憲法解釈としての論理的整合性と法的安定性は維持されています。また、そもそも、昭和四十七年の政府見解は、砂川事件の最高裁判決の考え方と軌を一にするものであります。
 今般の平和安全法制では、具体的な必要性が発生してから改めて立法措置を行うのではなく、自衛隊の活動の前提となる法的根拠をあらかじめ定めておくこととしています。
 また、現に戦闘行為を行っている現場では後方支援を行わないなど、武力の行使との一体化を回避するための厳格な枠組みを設けており、現実の安全保障環境に即した合理的な仕組みとなるものと考えています。
 さらに、我が国が武力の行使を行い得るのはあくまでも新三要件を満たす場合に限られ、これは憲法上の明確かつ厳格な歯どめとなっています。
 このように、今般の平和安全法制の整備は、これまでの憲法解釈の基本的な論理の枠内のものであり、御指摘は全く当たりません。
 日米首脳会談における普天間飛行場の辺野古移設に関するやりとりについてお尋ねがありました。
 最も大切なことは、住宅や学校に囲まれ、市街地の真ん中にある普天間の固定化は絶対に避けなければならないということであります。これが大前提であり、かつ政府と地元の皆様との共通認識であると考えています。
 辺野古への移設は、米軍の抑止力維持と普天間の危険性除去を考え合わせたとき、唯一の解決策であり、この考え方に変わりはありません。
 こうした考え方を踏まえ、首脳会談においては、オバマ大統領に対し、先般の翁長知事との会談で承った、辺野古移設に反対するとのお考えもお話しした上で、辺野古移設が唯一の解決策との政府の立場は揺るぎなく、沖縄の理解を得るべく、対話を継続する旨をお伝えしたものであります。
 したがって、対米従属姿勢との御指摘は当たりません。
 沖縄の米軍基地の整理縮小及び普天間の辺野古への移設についてお尋ねがありました。
 日本の国土面積の一%に満たない沖縄県内に、今なお、全国の約七四%の米軍専用施設・区域が集中している状況を、極めて重く受けとめています。
 このため、政府としては、人口が集中する嘉手納以南の土地の返還や在沖縄海兵隊のおよそ半分に相当する約九千人のグアム等への移転などを進めることにより、沖縄の施設・区域の整理縮小に全力で取り組んでいるところであり、既に、西普天間住宅地区の返還などを実現しています。
 また、普天間飛行場の移設について、最も大切なことは、住宅や学校に囲まれ、市街地の真ん中にある普天間の固定化は絶対に避けなければならないということであります。
 辺野古への移設により、普天間は全面返還されます。辺野古の、皆様の願いを現実のものとするため一日も早い返還を実現する、これがこの問題の原点であると考えます。
 したがって、辺野古移設が沖縄を米軍基地に縛りつけるとの指摘は全く当たりません。
 抑止力を維持しながら、目に見える形で負担軽減を図っていく、この二つの両立を図ることは難しい課題ではありますが、だからこそ、これを実現するために力を尽くすことが政治の責任だと考えています。
 政府としては、引き続き、安全確保に留意しつつ、辺野古への移設事業を進め、普天間の一日も早い返還を必ずや実現することが重要であると考えております。(拍手)

発言情報

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発言者: 安倍晋三

speaker_id: 26067

日付: 2015-05-15

院: 衆議院

会議名: 本会議