2015-08-21
参議院
猪口邦子
我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会
猪口邦子の発言 (我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会)
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○猪口邦子君 背景について少し言及したいと思います。
一九六〇年、岸総理は、米ソ冷戦構造の中で我が国の防衛を確かなものにするため、日米安保条約を改定し、米国による対日防衛義務を条約上明記しました。当時は米ソ核軍拡競争が激化し、世界は自由主義と共産主義に二分化され、世界各地の紛争は米ソ対立の代理戦争の形でした。盟主は陣営の国を守るわけであり、日本としても、新安保条約第五条で米国の対日義務を明記することで、脅威に対し日米で共同対処すると考えたのだと思います。また、米国の対日防衛義務を明記することで、どの国に対しても日本への攻撃を思いとどまらせるという抑止的効果が生まれました。実際に抑止の効果は大きく、半世紀を超えて我が国は完全平和に恵まれて今日に至っているのであります。
その新安保条約を承認した第三十四回国会は大波乱でしたが、議事録を読みますと、岸総理は今日にもつながる内容をこう述べておられます。以下、岸総理の議事録に残る言葉です。
こうした防衛の条約を結んで、そうして日本を安全にしておく、日本を戦争の危険から防ぐということが絶対に必要であるという信念に立っておるのであります、この安保条約の内容を御覧いただければ分かるように、これは純防衛的なものであり、日本を戦争に再び巻き込む危険をなくしていこうというのが狙いでありまして、このために私どもが努力することは当然である、かように考えております、という言葉です。
その後、米ソ冷戦は終結し、大国間の大戦争の危険性は遠のきますが、脅威の源泉は多様化して質的変化を遂げます。不明瞭で不確実で不安定な国際環境となりました。日米同盟は健在ですが、他方で条約の信頼性と実効性を高める実質的な努力も必要な時代となったのです。岸総理の時代と安倍総理の時代との間にこの変化があるのです。つまり、条約に対日防衛義務を明記すれば大丈夫であった時代から、その条約関係が強固であることを安全保障上の努力と外交姿勢で示す不断の努力が問われる時代への変化があると思います。
平和安全法を今整えなければならない構造的背景について私の意見を述べましたけれども、総理のお考えを伺います。