広渡清吾の発言 (我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会)

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○公述人(広渡清吾君) 最初に申し上げたように、今回の法案の背景になっているのは、これは、四月に安倍首相がアメリカの上下院の合同の会議で話をしたときにこのように指摘しているわけです。今回の法案は八月末までに成立させますというその法案の位置付けですけれども、戦後始まって以来の大改革であると言っています。この戦後始まって以来の大改革というのは、まさに日本国憲法の最も重要な原理である憲法九条の内容を根底から覆すという趣旨で戦後の大改革、戦後始まって以来の大改革と言っているのだと思います。
 安倍首相の積極的平和主義のこのネーミングは、これもまた人を欺くものだと思います。平和主義というのは、先ほど申し上げたように、皆さん辞書を引けばお分かりのように、暴力や武力を使わないで、話合い、交渉で解決する考え方と示されています。まさに憲法九条はその立場に立っているわけです。
 そして、この憲法九条の在り方は、ここでちょっと別の話をいたしますけれども、今、中東からの難民がヨーロッパに押し寄せて、みんなドイツを目指しています。なぜか。ドイツは、戦後の憲法の中で庇護権という規定を置きました。通常の国際社会では、難民が自分の国に来たときには、主権国家ですから、その難民を審査し受け入れるかどうかは主権国家の主権に属します。したがって、難民に自分が到来したその国に対して自分を保護せよという請求権はありません。しかし、ドイツの憲法は、難民がやってきて、私をあなたの国で保護せよという権利があるという規定を憲法に置きました。これはドイツだけです。
 これは、戦前のドイツがナチスの時代に多くの難民を、政治亡命者を海外に送り出してしまって、それに対して、それぞれの国はその難民を受け入れて、戦後のドイツの復興につなげるような人材をかくまってくれたわけです。その歴史的反省の上に、ドイツの憲法は、世界に例を見ない庇護権という規定を置きました。
 日本国憲法九条はまさにそれと同じです。歴史的反省の上に立って、国際社会の水準を超えた、国連憲章の紛争の平和的解決義務、武力の行使の禁止を上回った新しい思想を盛り込んで憲法九条を作ったわけです。この精神をどうやって守っていくかというのが戦後の日本国家の課題であったと思います。
 もちろん、世界状況のリアルな展開の中で日本は自衛隊をつくりました。しかし、この自衛隊も、憲法九条の縛りの中で、絶対に海外に行って武力行使をしない、ここの当の参議院が自衛隊法の制定のときに決議しているわけではありませんか。それを崩すのが今回の法案です。これは、どう見ても、この法案をここで通せば日本社会は変わります。軍事というものを例外的なものにする、そういう社会でなくなります。それを皆さんが恐れているわけです。
 どうぞ参議院の皆さん、この法案を必ず廃案にしてください。そうでなかったら今後の日本社会について皆さんがどうやって責任を持つんですかと国民の多くは考えていると思います。
 以上です。

発言情報

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発言者: 広渡清吾

speaker_id: 15749

日付: 2015-09-17

院: 参議院

会議名: 我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会