西川純子の発言 (外交防衛委員会)
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○参考人(西川純子君) 先ほど、アメリカでアイゼンハワーが最初に軍産複合体という言葉を使ったと申しましたけれども、あのとき、なぜ彼がそういう言葉を使ったか。当時は冷戦が開始されたばかりでありまして、ソビエトとの間に武器競争が激しくなってきていたところであったわけです。ソ連の方がスプートニクを打ち上げたり核実験をやったりしてアメリカに先んじたという状況がありまして、それでアメリカは大変焦りまして、そこで何とか軍事的な技術の開発に臨もうとしたわけでありますけれども、それを実際に行う企業がないと。
それまでは、ちょっと不思議な話かもしれませんけれども、アメリカには兵器専門の企業というのが非常に少なかったんですね。しかも、規模が小さかった。最も多くの防衛費を獲得したのはGMであったわけでありまして、普通の企業が、普通の民間産業が軍事に動員されて生産を行うということで第二次世界大戦を全うしたということなんですけれども、その後、さすがにソ連との間で武器競争が始まりますと、それでは賄えないと、つまり専門の企業が必要だと。専門の企業になりますと、これは軍事費で食べていくわけでありますから、それ以外のことはやらないという前提の下で、恒常的な企業でなければならない。常に兵器を生産する企業が必要だということをこのアイゼンハワーは頭に入れて言っているわけであります。つまり、兵器専門の企業というものがここから生まれてくるんだと。その兵器専門の企業と国との関係というのが非常に密接になっていく、恒常的にならざるを得ないわけでありまして、そうなってきたときに非常に大きな力を持つようになるのではないかということを危惧した。
ということでありまして、したがって、軍産複合体というのは軍需産業のあるところに当然のように生じているわけでありますけれども、それぞれの国によってまた型が違う、タイプが違うというふうに私は思っております。
日本のタイプというのはアメリカ型にこれからなっていくことを想定されている方もあるのかもしれませんけれども、日本はまたこれ特殊でありまして、戦前の日本の企業というのはほとんど国策企業でありまして、その国策企業とそれから国家の兵器廠が兵器を造っていたわけでありますが、そういう体質が抜け切らないままに日本の民間企業に軍需生産を任せていくと、これはアメリカとはまた違った意味で、異なる日本的な軍産複合体ができるのではないかと。その辺はそれこそ試してみないから分かりませんけれども、そういうことを私としては予想しております。
同時に、チェック機能といいますか、それをチェックする機能がアメリカにはまだ備わっているというふうに私は思いますけれども、それをどうやって確保するのかということが非常に大きな問題だと思っております。