阿達雅志の発言 (経済産業委員会)
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○阿達雅志君 おはようございます。自由民主党の阿達雅志です。
今回議題となっております特許法それから不正競争防止法の改正案ですけれども、これは、先日六月十九日に政府の知的財産戦略本部が公表いたしました知的財産推進計画二〇一五においても、今後取り組むべき施策ということでしっかり位置付けをされておりました。日本のこれからの特許戦略、これの重要な部分を成すものだというふうに私は理解をしております。
そういう中で、やはりこれ知的財産戦略全体の中で改めてちょっと位置付けをしてみたいと思うんですけれども、この今回の法案は、いろんな意味で、今までの知的財産戦略を変えていこう、こういう文脈で見ることができるんじゃないかと。先日来の質疑の中でもございましたけれども、日本の知的財産戦略、世界から見て周回遅れだというふうに言われてきた、これを今回、追い付くあるいはその先を行こうという非常に大胆な取組だと思うんですけれども。
そういう中で知的財産の今の世界の状況を少し考えてみたときに、例えばこれはアメリカを取ってみますと、アメリカというのは、この十年間、大体プロパテントということで政権及び裁判所というのは対応してきた。そのプロパテントという意味は、パテント、これを知的財産の財産という部分を非常に重視して、発明者の権利を重視する、あるいは特許権者の権利を重視する、こういうことで来たわけです。ですが、その結果として、パテントトロールを始めとして非常にいろんな問題が起きてきたということで、どうも昨年辺りから、昨年アメリカでは特許で六件それから知的財産で四件、十件の最高裁判例が出ているんですが、実はこの十件ともがどちらかというと権利を抑える方向に向いているんですね。それはどういうことかというと、この知的財産権というものの財産的要素よりも、やはりこれを活用すべきだ、社会のイノベーションのために活用すべきだというところに今重点を置いてきている、そういうふうな大きな動向があるわけでございます。
これは実際、今までの質疑の中でもありましたけれども、例えばスマートフォン一つとっても数千の特許が関係していると。そうすると、誰かが財産権の主張をして使わせない権利ということを言い出すとスマートフォン自体が成立しなくなる。だから、いろんな形で、例えば標準必須特許と言われるような仕組みだとか、今いろんな仕組みでなるべくこういう知的財産を活用しようという方向に世界は行っているんじゃないか。
そういう中で今回のこの知的財産推進計画二〇一五でも、この序文の中で、知的財産の創造、活用及び保護のそれぞれの局面が有機的に密接に関連したものであるが、とりわけ知的財産は活用されてこそその価値が初めて実現されるものであると、こういうふうにはっきりうたわれているわけでございます。
そういう観点から今回の両法案の改正案拝見をすると、この改正の提案理由の中で実は両法案について繰り返しイノベーションという言葉が出てまいります。ただ、このイノベーションというのを考えたときに、私、やはりこれは二通りのイノベーションあるんじゃないかと。一つは、こういう知的財産の発明者あるいはそれを持っている人間にとってのイノベーション、もう一つは、社会にとってのイノベーションということではないかと思うわけです。
特に、この知的財産の中でも特許の場合のイノベーション、これはもちろん発明者のイノベーションもありますけれども、こうやって特許として公表する限りにおいては、やはり社会のイノベーションというものに重きを置いているのではないかと。それから、営業秘密の場合は、これは公表しないということですから、やはりこれはむしろ発明者のイノベーション、ここに重点を置いているのではないかと思うんですが、このイノベーションという、両法案の提案理由におけるイノベーションの意味についてお伺いをさせていただけるでしょうか。