渡辺美知太郎の発言 (憲法審査会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○渡辺美知太郎君 無所属の渡辺美知太郎です。私は政党に入っておりませんので、個人的な見解を述べさせていただきます。
 かつて、ある経済誌が、二〇二〇年までになくなる可能性がある仕事というのを特集していました。テクノロジーの発展、グローバル競争の激化、雇用形態の変化などにより、従来までは当たり前にあった職業が東京オリンピック・パラリンピックまでにはなくなっている可能性があるというものでした。
 例えば、ネット販売の普及により訪問型の営業職がなくなる、音声入力のテレビ、タブレットの普及により受付、案内業務がなくなる、また、大企業の大幅な人員削減やグローバル競争の激化などにより中間管理職や日本人の取締役がいなくなるのではないかといったものでした。
 さて、その職業の中に参議院議員というのも入っておりました。その理由として、財政再建への対応が遅々として進まず、社会保障の大幅カットが現実味を帯びる中、これまで以上に政治家自身も身を切る必要に迫られている、そこで、衆議院のカーボンコピーと言われている参議院の廃止によって議員削減で手を打つというシナリオがあってもおかしくないという、大変手厳しい内容だったことを覚えています。
 しかし、参議院での審議そのものを見てみますと、例えば、我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会、以下平安特と申しますが、平安特での議論を見ますと、衆議院では違憲か合憲かといった議論、また自衛隊員のリスクが上がる下がる、そういった話が多くありましたが、参議院では幅広い議論が行われているように思います。また、年金情報流出問題についても、衆議院の議論の後に更に深掘りした審議が行われているように私は思います。平安特にしましても、野党の指摘と政府の答弁がかみ合っているかいないかはここではおくとしまして、そもそも参議院がなければこの安保特の採決も終わっているわけでありますし、私は、同じ法案を異なるメンバーで異なる視点で審議をする二院制に意義があると思っています。
 さて、そもそも、歴史を振り返ってみますと、明治時代以降、戦前にかけて、日本は衆議院と貴族院から成る二院制を取っておりました。その後、太平洋戦争を経て、日本国憲法の制定に当たり、先ほど田中先生もおっしゃっていましたが、いわゆるマッカーサー草案では貴族院制度の廃止と一院制の推奨をされました。それに対して日本側は、一院制を取ると政策の継続性や安定性が損なわれるといったことを理由にして、二院制を取りたいということを主張しました。そして、GHQとの交渉の末、現在のように衆議院と参議院から成る二院制を取るということが憲法に定められ、現在に至っております。
 二院制でのメリットは、言うまでもありませんが、二つの院があるということで、やはり慎重な議論の実現ができるということを挙げられています。他方、デメリットとしては、二院制は政策決定の遅延が起こるのではないかという点が挙げられていますが、チェック機能として参議院はこれまで一定の役割を果たしてきていると私は考えております。しかし、先述のとおり、国民の目からは、参議院は衆議院のカーボンコピーではないかと、二院制から一院制への移行を望む声も大きいというのが現状です。
 先日可決された参議院の合区を盛り込んだ公職選挙法改正案の結果も踏まえ、憲法改正を行い、地域代表の色を強くする、また、米国のように役割を衆議院、参議院で分ける、そういった議論もなされています。この点も含んで、参議院の在り方について議論するということは有益なことだと思います。
 しかし、形だけ変えても意味はありません。法案の審議の在り方などについても、国民に衆議院との違いをしっかりと伝えていく必要があると思っております。これは、与党、野党の垣根を越えて取り組んでいく問題だと思っております。緊張感を持った国会を実現させ、国民に参議院の有益性を御理解いただけなければ、参議院の存続は厳しいものだと思っております。
 以上で私の意見を終わらせていただきます。ありがとうございました。

発言情報

speech_id: 118914183X00420150907_016

発言者: 渡辺美知太郎

speaker_id: 23668

日付: 2015-09-07

院: 参議院

会議名: 憲法審査会