塩崎恭久の発言 (厚生労働委員会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○国務大臣(塩崎恭久君) 厚生労働委員会の開催に当たり、私の所信を申し述べます。
厚生労働大臣に就任して三回目の国会を迎えました。国民の皆様の安全、安心の確保に万全を期すため、厚生労働行政の諸課題に全力で取り組んでいきます。
急速に少子高齢化が進展し、雇用環境が変化する中で、安定財源を確保しつつ、誰もが安心できる持続可能な社会保障制度を確立しなければなりません。消費税率の引上げによる増収分は全額を社会保障の充実、安定化に充てるとともに、引き続き、社会保障制度改革を着実に進めます。
医療、介護については、医療・介護総合確保推進法に基づき、地域医療介護総合確保基金を活用した医療・介護提供体制の整備、医療機能の分化、連携、在宅医療・介護の連携、介護予防給付の一部の地域支援事業への移行、費用負担の公平化を図ります。
医療保険制度については、今後とも国民皆保険を堅持するため、持続可能な制度を構築することが重要です。国民健康保険の財政支援の拡充や財政運営責任の都道府県への移行などによる医療保険制度の財政基盤の安定化、被用者保険者に係る後期高齢者支援金の全面総報酬割の導入、医療費適正化の推進、患者申出療養の創設を内容とする法案を今国会に提出しました。
平成二十七年度から、各都道府県が地域医療構想を策定いたしますが、その取組が進むよう、ガイドラインを示すなど、支援を行ってまいります。
医療機関の機能分担や業務の連携を推進し、地域包括ケアシステムを構築するための新たな非営利法人制度を創設するとともに、医療法人の経営の透明性を確保するための法案を今国会に提出します。
認知症の方の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域の良い環境で自分らしく暮らし続けることができる社会を構築するため、本年一月に新たに策定した認知症施策推進総合戦略に基づき、政府一丸となって取組を進めます。さらに、認知症対応についての我が国の優れた取組を世界に発信していきます。
がん対策については、がんによる死亡を減少させ、また、がん患者の方が安心して暮らせるよう、がん検診の強化、希少がん対策や緩和ケアの推進に取り組むとともに、来年一月のがん登録推進法の円滑な施行に向けた取組を進めます。
難病については、一月に拡大した医療費助成の対象疾病を、七月を目指し約三百に拡大するとともに、福祉サービスの対象疾病の拡大を図ります。小児慢性特定疾病については、医療費助成の対象疾病を七百四に拡大しました。難病患者等を総合的に支援するため、夏頃をめどに基本方針を策定し対策を進めます。
予防接種や、肝炎、生活習慣病について支援策を推進していきます。医薬品、医療機器の安全対策や審査の迅速化、薬事戦略相談の拡充などにより、世界に先駆けた革新的医薬品、医療機器の創出や再生医療の実用化を図ります。
臨床研究については、一連の不適正事案の発生も踏まえ、昨年十二月に、臨床研究に関する倫理指針の見直しを行いました。さらに、有識者による検討会の結論も踏まえ、規制の法制化に向けた検討を進めます。
我が国は、国民皆保険の下、世界最高レベルの健康長寿と保健医療水準を達成しています。この経験を生かし、人材育成などの協力を通じて、諸外国との関係を構築し、我が国の医療制度や医療技術、医薬品、医療機器について積極的に国際展開を進めます。
本年四月から子ども・子育て支援新制度が施行されます。希望どおり結婚や出産、子育てができるよう、その円滑な施行に向けた取組を進め、妊娠から子育て期までの切れ目のない相談支援を提供するワンストップ拠点の整備を行います。また、待機児童解消加速化プランに基づき、平成二十九年度末までの待機児童ゼロを目指して取組を強力に進めます。さらに、放課後児童クラブの拡大を進めます。
児童虐待については、虐待の未然防止、重篤化防止のための早期対応、居住実態が把握できない児童への対応について、関係府省庁と連携して対策を進めます。また、三桁の児童相談所全国共通ダイヤル一八九の運用を七月より開始します。虐待など保護者から適切な養育を受けられない子供たちについては、里親委託の推進、児童養護施設での小規模グループケアの促進、児童養護施設の職員配置の改善に取り組みます。
社会福祉法人について、高い公益性や非営利性に見合ったガバナンスの強化、運営の透明性の確保、内部留保の明確化を進めるとともに、介護を含む福祉人材の確保を総合的に推進するための法案を今国会に提出します。また、報酬改定により、介護や障害福祉サービスを担う職員の処遇改善を進めます。
障害者施策については、障害の有無にかかわらず活躍できる環境整備を推進するとともに、障害者総合支援法の施行後三年をめどとした見直しの検討を行います。また、改正障害者雇用促進法の円滑な施行に取り組みます。
持続的な経済成長のためには、日本経済の競争力を回復させ、経済の好循環を実現しなければなりません。そのためには、若者、女性や高齢者などが働きやすく、意欲と能力のある若者が将来に希望が持てる環境整備が必要です。働き方改革や若者、女性の活躍推進などに取り組んでいきます。
働き方改革については、まずは、私を本部長とする長時間労働削減推進本部を中心に、月に百時間を超える残業に対する監督指導を徹底するなど、省を挙げて長時間労働の削減に取り組んでいきます。
その上で、確実に年次有給休暇の取得が進む仕組みなど働き過ぎ防止のための法整備や、一定の年収要件を満たし、職務の範囲が明確で高度な職業能力を有する方が選択できる高度プロフェッショナル制度の創設を始めとした、多様で柔軟な働き方を可能とする制度の見直しを行う法案を今国会に提出します。
女性の活躍推進のため、新たに民間企業に対して、数値目標を含めた行動計画の策定を求める仕組みの導入に取り組みます。また、パートタイム労働者の公正な待遇の確保や仕事と家庭を両立できる職場環境整備にも取り組みます。
若者の雇用対策については、若者の使い捨てが疑われる事業所からの新卒求人をハローワークで受理しないことなどを内容とする法案を今国会に提出しました。また、正社員実現加速プロジェクトによる非正規雇用労働者の正社員転換や処遇改善を推進します。
労働者派遣制度については、多様な働き方の一つである派遣労働について、正社員を希望する方には正社員への道が開かれるようにし、自らの働き方として派遣労働を積極的に選択している方には待遇の改善を図るほか、全ての事業者を許可制とすることなどを内容とする法案を今国会に提出しました。
本年四月に施行する生活困窮者自立支援制度に基づき、生活困窮者に対する包括的な支援や自立の促進を着実に進めます。生活保護制度については、不正受給対策の徹底や医療扶助の適正化を図りつつ、基準の適切な見直しに取り組むとともに、受給者の自立、就労の促進を図ります。
子供の将来が生まれ育った環境に左右されず、貧困が世代を超えて連鎖することのないよう、子供の貧困対策や一人親家庭への支援に取り組みます。
外国人技能実習制度について、実習の適正な実施及び実習生の保護を図るため、管理監督体制の抜本的な強化に関係省庁と共同で取り組みます。
企業年金制度については、働き方の多様化に対応し、企業年金の更なる普及拡大を図るため、個人型確定拠出年金の加入者範囲の拡大などを内容とする法案を今国会に提出します。公的年金制度については、プログラム法や昨年の財政検証の結果を踏まえ、制度の見直しの検討を進めます。年金積立金の運用については、改訂日本再興戦略などを踏まえ、ガバナンス体制強化の検討を進めます。また、年金記録の訂正手続の円滑な実施や国民年金保険料の収納対策を始めとする年金事業運営の改善に取り組みます。
危険ドラッグについては、徹底した取締りにより、販売店舗はほぼ壊滅させつつあります。昨年議員立法として成立いただいた改正法を最大限活用し、特にインターネット対策、水際対策に全力を挙げ、その撲滅に取り組みます。
感染症対策については、昨年成立をした改正感染症法の円滑な施行に向けた取組を進める一方、デング熱や、エボラ出血熱、鳥インフルエンザなどについて、海外における発生動向も注視しながら警戒を怠ることなく万全を期していきます。
水道については、水道事業体に対する財政支援や技術的支援を通じて、施設の計画的更新や耐震化、運営基盤を強化するための広域化を進めます。
食品の安全確保に向け、食中毒防止のための監視指導や輸入食品の監視に取り組みます。
平成二十五年十二月に閣議決定された独立行政法人改革等に関する基本的な方針に基づき、独立行政法人労働安全衛生総合研究所と独立行政法人労働者健康福祉機構を統合することなどを内容とする法案を今国会に提出しました。
国の責務として、戦没者の遺骨収集帰還事業や慰霊事業、戦傷病者、戦没者遺族に対する支援、中国残留邦人等に対する支援をきめ細かく実施します。
戦後七十周年に当たる本年、戦没者等の遺族に対する特別弔慰金を支給するための法案を今国会に提出しました。さらに、さきの大戦の記憶を風化させないよう、次世代への継承のための取組を行います。
東日本大震災の発災から四年がたちました。私は、この一月に再び被災地を訪問し、現場第一主義に立ち、復興に取り組む思いを新たにしました。被災者の健康確保、心のケアや雇用対策、医療、介護の体制整備、廃炉等の復旧復興作業に従事される方々の健康・安全確保などに全力で取り組みます。
以上、厚生労働行政の当面の主な課題と対応について説明させていただきました。
委員長、理事を始め委員の皆様、国民の皆様に一層の御理解と御協力を賜りますようお願いをいたします。