中山慈夫の発言 (厚生労働委員会)
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○参考人(中山慈夫君) 私の論文、見ていただき恐縮ですが、労働関係の紛争は、元々、戦後、労働組合法の下で労働組合との集団紛争が中心だったんですが、一九八〇年代あるいは九〇年代に入って、バブル崩壊も影響がありますが、その紛争の中の類型では個別的労働紛争が非常に増えました。これは、一方では、労働組合の組織率がだんだん減ってきたということもあろうかと思いますが、やはり労働者各自の権利意識が非常に増えて、それなりにいろんな問題を直接提起することになったんだろうと思います。
それともう一つは、大きいのは紛争解決機関の整備ですね。これは労働関係で申し上げますと、個別的労働紛争で申し上げますと、厚生労働省の労働局の中で総合労働相談所というのが全国で恐らく三百か所以上あると思いますね。そこへ無料で相談できて、しかもそこで専門の人が、耳学問でもそれで非常に有用な知識を得ると。それから、そこであっせんもやっております。助言、指導もやっております。
一方、裁判所でも、これは平成十八年四月からですが、労働審判法というのに基づく労働審判が開始して、これが実に多く利用されまして、これも現在、年間に三千五百件以上でありまして、この制度ができる前の労働事件からすると大変な比率です。そういうような整備がありまして、それも恐らく個別紛争に拍車を掛けているんだろうと思います。
一方、労働組合の関係では、紛争は労働委員会に持ち出すわけですが、これはもうここ数年というかもっと前から三百件台で推移して、そんなに増えてございません。特に、紛争は合同労組、企業内組合との紛争ではなくて、地域の組合に入った人との間の紛争という、そういう特殊性が出ておりますから、恐らく件数の広がりという意味では相当限定的になるわけでして、そういうのが現在の労働紛争の特徴であって、現在もそれは進行していると理解してございます。