湯崎英彦の発言 (国の統治機構に関する調査会)
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○参考人(湯崎英彦君) 今のキャリアシステムの問題ですけれども、これは、もし道州制が実現をしたら、当然に国の役割は小さくなるというか、地方に移るということになるので、このキャリアの数というのも必要な数は減るはずですね。そこに抵抗感があるということだと思いますけれども、事実、やはり私も官僚の経験からいって、何があるべきかとかなんとかという前に、これは官僚にかかわらず会社員でもそうですけど、自分の所属する組織を守りたくなるという人間の自然な性向に基づいて行動している部分というのはかなり大きいと思うんですね。
ところが、もし現実にそういう役割が小さくなってきたとしたら実際には何が起こるかというと、自分の居場所はここではないというふうに考える人が現実として多数出てくると思います、そこで見詰め直したときにですね。そうなると、その行く先というのは当然に拡大された地方、つまり総体の一〇〇は変わらないわけですから、こっちにあるか、こっちにあるかということで、こっちに移るんだと思います、自らの意思で。そういう意味では、移ること自体が課題には私は余りならないんじゃないかなというふうに思います。
ただ、問題は、先ほどの人間が自然に持っている、今自分が所属しているというこの所属感あるいは組織、そういうものを守りたいという自然な発露ですね、ここのところが確かに問題で、これについては、やはり官僚システムを超えたところで、まさにこれがそういう意味で政治の役割だと思いますけれども、変えていくということしかないんじゃないかなというふうに思います。
それから二点目の、どういった産業資本や社会資本に投資をするかということでありますけれども、微妙にずれますが、私は一番投資をするべきところはやはり人だというふうに思います。特に今、教育についても東京一極集中というのが極めて強く働いておりまして、広島県なんかでも優秀な子供たちほど東京に出ていってしまうという現象が起きております。したがって、そうではなくて、地域の中でやはり優秀な人材が育成されているという、そういう仕組みをつくるということがまず第一。
そして、いわゆる伝統的な意味での社会資本、産業資本ということでは、まず中国地方はまだ高速道路のミッシングリンクというものが特に山陰側にたくさん残っていますので、これをしっかりと整備をすると。これ、今の社会システムが事実上道路をベースになっているというか、車がベースになっていることはもう疑いもないことなので、基本的なサービスのベースとしてそれを造るということがまずあると思います。
それから次は、空港の充実がやはり必要で、地域としてグローバルに直接つながっていくと。今はほとんどがやはり羽田経由と成田経由ということで、東京を通らないと世界と物理的になかなかつながりにくいという現実がありますので、空港の充実というのが次にあると思います。
それから、やはり港湾。これはかなり整備も進んでいますので、より効率的な活動ができるような、瀬戸内海というちょっと特殊な制約を除くような整備というものが必要になってくるかなと思います。