秋月謙吾の発言 (国の統治機構に関する調査会)

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○参考人(秋月謙吾君) 今御質問にございましたように、分権の議論の中に必ず、それでは日本の将来のあるべき姿の一つとして、自治体間、場合によっては道州間の競争というものによってより良く、国全体のガバナンスを良くしていくんだという議論が出てまいります。そのこと自体に何の間違いもありません。しかしながら、当たり前のことでありますけれども、例えば、市場における企業間の競争と自治体間の競争は明らかに違うわけですね。
 例えばですけれども例を挙げますと、例えば滋賀県の隣に福井県があるということについて、両県はどうしようもありません。境界線は合併以外では変わりません。それから、逆に言うと、企業の場合ではそれこそ、何ですか、企業本社を移転したり、場合によっては日本から本社を外したり、不採算部門を切り売りしたり、自由にやりたい放題できるわけですけれども、自治体の場合はそういうわけにはいかないということがございますので、単純な競争論、過度な競争論というものに対しては、今議員の御質問にありましたみたいに、一つのデメリットというか悪い結果としての過度の格差の拡大という問題は常にやはり懸念しなければいけない問題だと。
 では、その解決策は何なのかということについては、私も正直これだという決め手のものを頭の中に持っているわけではありませんけれども、一つ間違いなく言えることは、改革という話をするとき、日本って駄目な国、悪い国、どうしようもない国という議論になりがちですけれども、私は、他国との比較において日本の中央、地方の関係において非常に良い点の一つとして、外国の研究者なんかからもよく指摘されるんですけど、というのは、国、都道府県、市町村、将来ひょっとしたら国、道州、市町村になるかもしれませんが、の間のコミュニケーションが濃密であるということが言えると思います。
 もちろん、新聞等ではコミュニケーションが不十分だったために失敗した事例なんかが取り上げられて批判されるわけですけれども、それは理想と現実のギャップの話でありまして、他国との比較においては非常にやっぱり濃密であり、はっきり言うと良好でもあるというふうに考えております。
 逆に言いますと、将来どのような改革が行われるにしろ、この良い点というのは可能な限り守った上で、どうしようもない格差があり、先ほど神野参考人がおっしゃったように、その理由の一つとして国の制度の一部の欠陥もあるんだというようなことが分かった場合には、国が地方間のいわゆる競争を十分にモニタリングしながら必要なときは是正していく、これは必要な関与というふうに言えるだろうと思うんですね。これは、どれだけ分権化が進んでも国の最低限の役割としてやはり残るべきだと思っておりますので、そのような今の制度、ないし今の実務における状況の良い面というのは、維持、場合によっては向上していくということが一つの重要なポイントではないかというふうに私は考えております。
 以上でございます。

発言情報

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発言者: 秋月謙吾

speaker_id: 12316

日付: 2015-04-15

院: 参議院

会議名: 国の統治機構に関する調査会